医師ブログ

2019.09.14更新

当院は明日から9月19日までお休みをいただきます。20日から診療を再開しますのでよろしくお願い致します。
さて、台風やら猛暑やらで大変な夏も過ぎ去りつつあり、ようやく涼しくなってきました。
そして、秋の季節の到来とともに「かぜ」の方が当院にお見えになることが増えてきております。

実はこの「かぜ」という病気、私は診察、治療することが大変難しい病気だと思っています。

かぜは正確には「急性上気道炎」と言い、その原因のほとんどがウイルスです(インフルエンザはまた別の病気と考えます)。
ウイルスには抗生物質(正確には「抗菌薬」なのですが、マニアックな話になるためここではわかりやすくなじみ深い用語でお話しします)が効かないので、かぜに抗生物質を使っても意味がありません。
ただかぜ診療の難しいところは、「かぜに見えて本当はかぜではない」病気が数多くあるからです。
例えば細菌による肺炎や気管支炎、副鼻腔炎などの病気の初期症状は、せき、鼻水、喉の痛みだったりと、かぜと似ていることも多いのですが、これらの病気には抗生物質が必要となることがあります。
また熱が出てだるいという症状であればそれこそ、ここにはとても載せきれない様々な病気の初期症状にもなります。
また高齢の方など免疫力が弱っている方では、ウイルスによる「かぜ」にかかることで免疫力が落ち、そこに新たに細菌がついてしまうことで肺炎や副鼻腔炎などのより重い病気に移行することもあるので、簡単に様子を見ましょうともいえない面もあるのも事実です。
かといって、抗生物質をむやみに処方することはいろいろな面で害が大きいことが最近は知られてきていますので、やはり抗生物質の取り扱いについては慎重にならないといけないことでもあります(このことについてはまた別の機会に触れたいと思います)。

本当の「かぜ」:つまりウイルス性の急性上気道炎に対して、根本的に治す抗ウイルス薬というものはないのが現状です(インフルエンザは別です)。

ただ可能な範囲で症状を抑えることは体の休息につながりますし、正しい対症療法は私はやっぱり意味があると思います(ただかぜの症状とは、体がかぜを治すための反応でもあるという面もあり、どこまで症状を抑えたらいいかはその都度判断しないといけません)。
また漢方は実は風邪とは相性のいい治療法です。漢方は病気ではなく、症状や体全体を診ることで発展してきた分野なので、かぜについても豊富な経験が積み重ねられているからです(一方西洋医学は病気に対して治療するので、ウイルスに対抗する薬がない以上かぜに対抗することは難しいともいえるのです)。


と、我々が「かぜを診る」ということは、やはり内科医としての総合力を試されているということなのではないかと思っています。もっと勉強しないとな・・・

でも結局かぜをひかないに越したことはありません。

かぜをひかないために有効なのは感染予防であり、一番は手洗いです。
またインフルエンザや、高齢者なら肺炎球菌の予防接種を打っておくことは、かぜの重症化を防ぎます。
当院では肺炎球菌の予防接種を随時行っておりますし、インフルエンザの予防接種も秋から開始となります(開始の際はこのホームページでもお知らせします)。

ぜひ早めの対策をしていきましょう!

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.09.03更新

まだまだ暑い日が続いておりますが、9月になり少しだけ暑さのピークは過ぎてきたように思います。
これから徐々に涼しくなり、だんだんと過ごしやすい季節になります。食欲の秋、スポーツの秋・・・いろいろ楽しみなことが多い時期です。

ただ!ぜんそくの患者さんは要注意の季節でもあります!
9月はぜんそくの悪化が急に増えてくる時期です。

ぜんそくは大きな温度の変化、空気の乾燥、気候の変化やアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)の増加などで悪化を引き起こします。
秋は夏と比べ、寒暖差が大きくなり、空気が乾燥するため、悪化を引き起こしやすくなります。また秋はしばしば台風がやってきたり、秋の長雨があったりし、これによる気候の大きな変化により悪化を引き起こす例も多くあります。
加えて部屋や布団にいるダニは、夏に勢いよく増殖し、その死骸が秋にたまる(気分を害した方、すみません・・・)とされているため、これらがアレルゲンである場合もこの季節は悪化します。
つまりぜんそくが悪化する要因がそろっているのが9月から始まる秋というわけなのです。

またこれに加えて私個人としては、夏場はどうしてもぜんそくが安定しやすい時期になるためについつい油断して吸入薬をはじめとする治療をサボってしまう人が増えるのも一つの要因なのでは・・・と思っています。

ぜんそくは以前もここに書いたように、気道の慢性的な炎症によって引き起こされます。
強い炎症が起こると、あの有名な「ヒューヒュー」となる呼吸音が出てくるのですが、炎症の程度が軽いとこのような音はならないこともしばしばあります。
そのため症状も大したことがないと、あたかもぜんそくがだいたい治ってしまったかのような錯覚に陥ります。
しかし、だからと言って少しでも気道の炎症が残っていると、上に書いたようなことをきっかけとして容易にぜんそくが悪化してしまうのです。

ぜんそくは

『落ち着いているときに、いかにしっかりと治療を続けられるか』

が長い目で見た時の治療成功のカギです。症状が落ち着けば薬を段階的に減らしていくことができる場合も多く、結局は患者さんの負担が減る一番の近道となります。
ぜひしっかりとお薬を続けていただき、少しでも変だな・・・と思ったらお気軽にご相談ください!

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.08.15更新

皆さま、お盆はいかがお過ごしでしょうか。

当院は本日まで5日間のお盆休みを頂いておりました。

私は母校の大学の位置する、そして家内の実家でもある秋田に帰省をしておりました。

昨年の今頃は夏の甲子園で金足農業高校が快進撃をつづけ、おそらく秋田は数十年に一度といってもいいほどのお祭り騒ぎを見せておりました。

私が秋田にいたころは、秋田代表は13年連続初戦敗退の真っ最中で、初戦を勝ち抜けばそれがもう事件でした。

私の家内の実家はその金足農業から徒歩圏内にあり、それ故昨年は初戦に勝った頃から近所は早くも盛り上がりはじめ、その後勝ち進むにつれその盛り上がりは全市内、全県へと伝わり、金農の試合では毎回実家の町内から人影が消えていたようです。

ご存知の通り最後は全国的な金農フィーバーとなり、普段は地元のメディアにも取り上げられないような近所のカレー屋さんやスーパーなどが何度も全国放送で流れ、誇らしさとともに何だかちょっとした恥じらいを覚えたのも昨夏の淡い思い出です。

ブーカレー

~ でもこのカレー屋、本当においしくて腹いっぱいになる好きな店です。もしお近くに立ち寄る機会があれば是非(笑) ~

 

今年はやはり秋田市の公立校である秋田中央高校が45年ぶりに出場し、昨年の再現を期待しましたが初戦敗退し、今年の秋田は(いつも通りの)平穏な夏を迎えています・・・

金農パンケーキ

~ 昨年激レアグッズとなった東北のローソン限定販売の「金農パンケーキ」。今年は難なく手に入りました ~

 

なのでこのお盆休みは、娯楽施設はあまりないものの、自然はいっぱいの秋田で、子供たちと海に入ったり、外で遊んだりしながら過ごしていました。

というわけでかなり焼けました。明日からの外来でお会いした時にご確認いただければ幸いです。私も気分をリフレッシュできましたので、明日からまた診療を頑張らせていただきます!

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.08.02更新

8月に入り、夏の高校野球の全代表校が決定しました。今年もまた甲子園で日本中が熱くなるのでしょう。


実は医学部も部活動があり、この時期は年に1度の全国大会の時期です。医学部の体育大会は東日本と西日本に分かれ、それぞれ「東医体」、「西医体」という名で開催されています。
案外医学部には部活動に力を入れている学生が多く、この大会は国体に続く参加人数全国2位、3位の大会なんだそうです。体育会系医学部生はこの大会を1年の集大成として考えている人が少なくありません。

私も大学時代は野球部に属し,幹部学年の時は主将も務めていました。

野球部での生活は、冬の間は基礎体力トレーニングに勤しみ、4月の新入生勧誘活動に,時には授業を犠牲にしながら持てる時間、気力、財力を全てかけて挑み、連日講義後ボールが見えなくなるまで練習を行い、毎週末は他大学との練習試合のために車で数百キロの距離を遠征し(東北は都市間の距離がとにかく長いのです)、大会が近づくと連日朝から夜まで練習を行い、万全の準備を整えながら8月の集大成を目指すというものでした。

学年が上がってくると連日病院での実習となるので,さすがに毎日練習というわけにはいかなくなりますが,それでも合間を縫って活動し,結局最終学年である6年生の卒業試験の直前まで大会に出続けました.そしてそんな学生が決して珍しい存在であるわけでもありませんでした.

homerun

(最後の大会でのホームラン)

 

まあ所詮医学部生だけの大会ですのでそれほど競技レベルが高いわけではないのですが、当然医学生の本分は勉強であることは理解しつつ、試験に通ることと同様、いや時にはそれを犠牲にしてでも(笑)、部活動中心の学生生活を送り、勝つことを目指していました。
大会終了後には毎日お尻に火がつきながら3か月続く卒業試験,その後の医師国家試験に立ち向かっていったのを思い出します.

とはいえ、当時は部活のことしか頭になかったようなチームメートたちも、十数年を経ていま会ってみるとみんな今ではしっかりと医療の第一線で活躍する、その分野,地域では欠かせない医師となっており、そのような学生生活も今の医師としての大事な一部を形作った経験だったのかなと思います。

なので今でもこの時期が来ると、大会に向けて意気込んでいた学生時代を思い出します。
と同時に今いる現役部員に思いを馳せます。

あの頃はいつも金欠だったなと・・・

今年も寄付金、送ろっかな。

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.07.17更新

前回はCOPDという病気とはなんぞやということについてお話ししました。

若いときに吸っていたたばこの影響は、数十年経過してから病気となって現れます。
現在日本の喫煙率は年々低下していますが、COPDが原因で亡くなった人の数は2017年には過去最高を記録しています。

COPDになると息切れで運動できなくなったり、肺炎などの他の病気になりやすくなったりするために、年齢とともに体力が低下するスピードが速くなります。
また「急性増悪(きゅうせい ぞうあく)」といって、風邪や肺炎にかかることなどをきっかけに、急激にCOPDの症状が悪くなって、病態がすすんでしまうこともあります。
これらにより体の機能が一段と弱まり、それによりさらにいろんな病気にかかりやすくなったりする悪循環を経て、命にかかわってしまうことが多いのです。

そのため、COPDの治療では、まずは息切れの改善、急性増悪を減らし、今まで出来ていた生活をなるべく長く維持することを一番の目標として行うことが多いです。
当然まず禁煙ですが、薬に関してはぜんそくと同様、吸入薬が一番大事とされています。
ただCOPDではぜんそくとは薬の種類や使用方法が異なる点が多く、また薬剤の選び方もここ数年で二転三転しており、なかなか難しい分野です。

  (ここからはしばらく勝手につぶやきます。興味がなければ飛ばしてください。)

吸入薬ではいわゆる気管支拡張剤である抗コリン薬、β2刺激薬と、主に喘息の治療では主役になる吸入ステロイド薬があります。抗コリン薬、β2刺激薬に関しては有効性が確立されていますが、どっちを優先的に使うか、いつから2剤同時に使用すべきかは色々な見解があります。また純粋なCOPDに対する吸入ステロイド薬に関しては声枯れや口内炎、肺炎を増やすなどの副作用もあることから、使用の是非に関して否定的な見解が少なくありません(喘息を合併する場合にはもちろん有効とはなります)。COPDに対する薬剤に関しては、いままでは抗コリン薬、β2刺激薬、それにこれらの合剤が発売されていましたが、今年になり、この2種類に加え吸入ステロイド薬を併せて配合した、3種類が1つにまとまった合剤が複数登場しました。喘息も重症化すると最終的にはこの3種類を使用するため、強い呼吸困難の症状に対しては、喘息かCOPDか鑑別せずにとりあえず処方してみるという形が増えてしまうのかもしれません。ただ私はその有効性を示した3つの研究に関しては、喘息の要素の入った患者が多く紛れ込んでいるなど患者の集め方が日本のCOPDの実情と合っていないのでは、という見解です。必要な方には躊躇なく使うべきでしょうが、これから本来では吸入ステロイドが必要ではなかったはずの方にこれらの3剤合剤が多く使われてしまうと、副作用が増えたり、余計な医療費がかかったり、やみくもに使われることでかえって正しい診断にたどり着けなかったりする方が増えてしまうのではということを危惧しており、やはり新製品だからとすぐには飛びつかず、少し様子を見て、新しい報告を待ったほうがいいのではという気がしています・・・

  (つぶやき終了。)

いずれにせよ、COPDは、病気を知っていただくこと、しっかり診断できること、正しい治療ができることによってはじめて助かる可能性が出てくる病気です。
まずはCOPDという病気をよく知っていただき、その上で心配なことがあれば遠慮なく相談していただきたいのです。
また吸入治療はぜんそくの回でもお話ししたように、吸入のやり方がとても大事となり、やり方が間違っていると全く効きません。
しっかり吸入薬の使い方を教えてもらうことが大事ですので、ぜひ気軽に医師や看護師、薬局の薬剤師にご相談いただければと思います。

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.07.09更新

昨日は、とある製薬会社様の社内講演会の講師にお招きいただき、1時間近く講演をしてきました。テーマは「COPDのキホンと実践」。人間、人に教えるときが一番勉強するときともいわれています。やはり壇上で恥はかきたくないので(笑)、国内外の最新のガイドラインや論文も読み直しました。勉強をし直すいい機会を頂けたかなと思っております。

「COPD(シー・オー・ピー・ディー)」は、日本語に訳すと「慢性閉塞性肺疾患(まんせい へいそくせい はいしっかん)」といいます。

わかりやすく言い換えると「タバコ肺」とも言われる病気です。
この病気の人は現在国内では500万人以上もいるといわれているのに、実際に診断され、治療されている人は26万人程度しかいません。たった数%です。
それは他の有名な病気と比べて、この病気の知名度が低いからと言われています。仕方がないことかもしれないのですが、一般の方がこの名前からだと、病気のことをイメージしづらいからなんじゃないか、と私は思っております。

この病気はほとんどがたばこによって起こります(たばこを吸っていた人だけではなく、その副流煙を長期間吸う環境にいた方にも起こり得ます)。たばこの煙の中の有害物質(ニコチン、タールだけじゃありません)が気管支に入ると気管支、肺に炎症を起こし、痰を増やしたり肺を壊したりします。
肺はスポンジみたいな構造ですが、肺が壊れると、そのスポンジの目が粗くなり、スカスカな肺になってしまいます。これを「肺気腫(はいきしゅ)」と呼びます。

肺気腫

中には「私は長年たばこをずっと吸っていたが何ともなくピンピンしておる!」といった方も確かにおられます。一方、周りの人より多く吸っていたわけではないのに、著しく症状が強くて困っている人もいます。
その違いは、人によってこの炎症の起きやすさがそれぞれ異なったり、もともとの肺の大きさが人によって違ったり(つまり予備能力が人によって違ったり)するからだと考えられています。

で、このような変化が起こると、気管支を支える力が弱くなり、息を吐くときに気管支がつぶれて、つまり「慢性的」に「閉塞」して空気の通りがわるくなるのです。「慢性閉塞性肺疾患=COPD」という病名の由来です。
こうなると息を吐いた時に肺が十分にしぼまないため、新たな空気を十分に吸うことができず息切れが生じます。

加えて痰も増えて空気の出入りを邪魔し、その痰を出そうと咳も増えるので、咳、痰、呼吸困難という不快な症状が続いてしまうのです。

COPD

この病気は、全身の炎症も起こすので、放っておくとどんどん進み、いろんな臓器の機能を落としてしまう怖い病気です。
しかしこの病気の知名度が低いうえに、ゆっくりと症状が進むため、ほとんどの方が症状を「年のせい」にしてしまい、気づいた時にはかなり進んでいるという状態を引き起こしやすいのです。
糖尿病、高血圧などに並ぶ「サイレントキラー」の称号にふさわしい病気です。

次回はその治療についてお話ししたいと思います。

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.06.27更新

ホームページでもお伝えしている通り、今週から医院より海岸側のコインパーキングとの提携を開始しました。

両方とも1時間の無料券を差し上げております。

今までの医院前の駐車場、若大商駐車場、高砂駐車場も引き続きご利用いただけますのでよろしくお願い致します。

 

なお一部の患者様より、駐車場の入り方がわかりにくいとのご指摘を頂きました(ご意見ありがとうございます)。

HPに駐車場への入り方を写真にてご案内してみましたので、よろしければご覧ください。

 

  各駐車場 案内写真

 

今日はクリニックは定休日を頂きました。

私は今まで内科全般の診療を行いつつ、主に呼吸器、アレルギー科の専門診療を行ってまいりました。

4月以降当院でも呼吸器、アレルギーの専門診療を行っておりますが、その他の分野に関してももちろん診療を行っています。

専門分野はもちろん最新の知見で診療しております。

ただ、やはり専門ではない分野に関しては、各領域の学会などにすべて入会、参加できるわけでもなく正直どうしても最新の知見が入りづらいのです・・・

 

やはり診療をアップデートしなければ・・・

 

とのことで、今日は主に糖尿病の知見のアップデートをすべく、私の大学時代の同期で、国家試験の勉強会仲間でもあった鈴木亨先生を仙台の東北大学まで訪ねました。

彼は卒業後糖尿病、内分泌分野の道に進み、今では各所で講演、発表をなさっている非常に優秀な先生です。

彼も今年からクリニックの継承をされているため、お互い意見交換、知識交換をしてきました(とはいってもほとんどは私から彼への質問攻めでしたが・・・)。

去年買ったばかりだったはずの医学書からも、また大きな変更点があったりしてびっくり・・・やはり医学は常に勉強です。

仙台の滞在時間はわずか5時間でしたが、非常に有意義な機会を頂くことができました。

 東北大学鈴木先生と

 

今日得た知見を、また明日からの診療に存分に活かしたいと思います!

 

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.06.13更新

 

前回は睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気かということについてお話ししました。

当院では5月より睡眠時無呼吸症候群の検査、治療を開始したので、今回はそのことについてお話ししようと思います。

睡眠時無呼吸症候群が疑われるのは、主に夜間のいびきと昼間の眠気です。

たいていの人は昼ご飯を食べた後は眠くなります。それだけではこの病気を思わせる症状とはなりませんが、この病気の場合、眠気はそれだけにとどまらず、いろんなシチュエーションで眠気が出てしまいます。下にあるような問診表を用いてどれだけ眠気が強いのかを推測することができます。
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この検査で5点以上あると日中の軽い眠気があり、11点以上であると日中の強い眠気があり睡眠時無呼吸症候群の可能性が疑われます。また点数が低くてもいびきが慢性的にあったり、睡眠中呼吸が止まったりする人はやはり睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

これらで睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合には、まず簡易検査を行います。

当院で簡易検査を行うときは、当院で検査を申し込んだ後に業者さんが家に訪問してくれて機械をお借り頂きます。検査は上腹部に機械のついたベルトを巻いてもらい、その機械につながる呼吸センサーを鼻に、酸素飽和度プローブを指につけていつものように寝てもらいます。これにより夜間呼吸が1時間に何回停止したり弱くなったりしているかを図ることができます。

この検査で高度な無呼吸(AHI40以上)を認めたらCPAP(シーパップ)という治療の適応になります。

それ以下でなお病気が疑われる場合はPSG(終夜ポリソムノグラフィ)検査というのを行っていただくこととなります。この検査は呼吸停止だけでなく、脳はや眼球運動、筋肉の運動などもみることで睡眠のより詳しい状態を知ることができます。

通常PSG検査は病院などに1泊入院して行うものですが、当院では在宅で行えるPSG検査を今回採用しました。入院に際し仕事などを休む必要がないこと、患者さんの慣れている自宅での検査が可能であり検査結果と普段の睡眠の相関性が高くなること、また入院費用が掛からないため比較的安価で検査ができることが長所です(ある特定の無呼吸をきたす病気は在宅PSGでは診断できないので、このような病態が考えられる場合は、入院下でPSGを行える施設にご紹介いたします)この検査でAHIが20以上であればCPAPの適応となります(AHIが20未満の場合で治療を要する場合はマウスピースの製作を歯医者さんにお願いすることもできます。また中には手術で良くなる例もあります。


CPAP(シーパップ)療法とは持続的陽圧呼吸療法とも呼ばれ、鼻にマスクを装着し、マスクにつながっているホースを通じて空気により圧を送り込み、気道をふさがないようにする治療です。これにより通常患者さんのAHIはほぼ正常の値に改善し、日中の眠気の症状も大きく改善します。患者さんにより機械の合う合わないは確かにありますが、この機械により安眠が得られることで、むしろ良く寝られるようになったという方が非常に多いです(この機械の設定を状態に応じて合わせることも大事であり、これらは機械に記録されたデータなどを確認しながら、外来通院で調整していきます)。

また肥満はこの病気の主な原因となっており、減量なども指導させていただきます。

可能であればCPAPを卒業していただくことを、それが難しければなるべくCPAPを無理なく継続していけることを目指します。

検査費用はいずれも3割負担の方で(診察料別)、簡易検査が2700円、在宅PSG検査は約10000円程度、CPAP治療が(機器レンタル、診察料込み)月4500円程度となります。簡易検査なら気軽にできる値段ですし、PSGやCPAPにしても重い病気にかかってしまうよりははるかに安く済むとも言えます。

少しでも気になった方はお気軽にご相談ください!

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.06.07更新

先日ホームページでもお伝えしたように,当院では睡眠時無呼吸症候群に対する検査,治療をはじめました.わたしは睡眠時無呼吸症候群専門外来の経験があり,今後加藤医院では,この病気にも力を入れて取り組んでいこうと考えています.

睡眠時無呼吸症候群は,主に眠っているときに舌の付け根が気道に落ち込んでしまうことで気道が閉じてしまい、一時的に呼吸ができなくなり止まってしまう状態です。そのまま呼吸がずっと止まって死んでしまうことはありませんが,1回に数秒から,長い人では2分も呼吸が止まってしまうこともあります.またこのような10秒以上の呼吸停止,呼吸減弱が1時間に何回起こるかという数字が無呼吸低呼吸指数(AHI)と呼ばれる数値です.このAHIの数値が5回以上。もしくは一晩に30回以上無呼吸があると睡眠時無呼吸症候群と診断されます.

呼吸が止まると酸素が運ばれなくなるので,全身の臓器が酸欠状態になります.起きていればかなり苦しくなるような状態なのですが,この病気は寝ているご本人はあまり自覚のないことが多く,主にご家族がいびき,呼吸が止まるなどの様子を観察することで見つかることが多いです.

ただ熟睡はできていないので,ご本人にも昼間の眠気や仕事の効率低下,起きた時の頭痛などの症状があらわれます(以前山陽新幹線の運転士がこの病気により運転中に居眠りをしてしまいオーバーランをする事故がありました).

またこの状態が続くことで全身に負担がかかり,高血圧の悪化につながったり,脳卒中、心筋梗塞,糖尿病の発症,悪化リスクを増やしてしまいます(いろいろな降圧薬を飲んでいるにも関わらず血圧がなかなか下がらない場合は一度この病気を疑う必要があるとされています).

以下は睡眠時無呼吸指数がある人とない人の9年後の生存率の差です.なかなか衝撃的なデータで,睡眠時無呼吸症候群の人は確実に生存率が下がることが示されています(He J, et al:Mortality and apnea index in obstructive sleep apnea-Experience in 385 male patients. Chest,94,9-14,1988).SAS

これほど怖い病気なのですが,多くの方はやはり自覚症状が乏しいために,いびきに対しては特に対応をしていない人が非常に多いのです.お心当たりの方は是非とも一度相談されることをおすすめします.

次回は当院で行う検査,治療についてお話ししたいと思います.

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.05.16更新

今日はぜんそくについて少しお話ししてみたいと思います。

気管支ぜんそくでは、さまざまな原因で空気の通り道である気管支が敏感になり、その結果気管支の壁に炎症が起きます。気管支の壁が炎症をきたすと、壁がぶ厚くなります。そうすると空気の通り道は狭くなってしまいます。そうすると特に息を吐くときに、狭くなった気管支を空気が通りづらくなり、笛のような「ヒューヒュー」とした音がなるわけです。また気管支が敏感になることで、せきが長く続いてしまったりもします。
一方せきぜんそくは、同じように気道に炎症がおきますが、気管支が極端に狭くならないためにヒューヒューなったりはしない状態のことです。気管支は敏感な状態なので、やはりせきが続きます。気管支ぜんそくの一歩手前の状態と言われていますが、放っておくと気管支ぜんそくになってしまいやすい状態でもあります。


喘息病態

 

ぜんそくはこどもの病気だというイメージを持たれている方が多いのですが、大人もぜんそくになります。こどもの時にぜんそくだったという方がおとなになって再発する場合もありますし、おとなになってからまったく初めて発症する方も最近では珍しくありません。

喘息患者数


原因として多いのは花粉、ダニやハウスダストなどによるアレルギーですが、免疫の異常やこどもの時の環境など、いろいろな要素が関与しているといわれています。また遺伝性もあり、血縁者にぜんそくの方がいる場合はぜんそくを発症しやすいことがわかっています。
つい20年ほど前までは、毎年ぜんそくにより6000~7000人くらいの方が命を落としていました(今の交通事故の死亡者数よりはるかに多かったのです!)そのような状況を一変させたのが、気道の炎症を吸入ステロイド薬で鎮める治療法の登場でした。これによりぜんそくでなくなる方は年間1500人を割るところまで来ています。


喘息死者数


とはいえ、やはり今でも毎年1500人は亡くなってしまう怖い病気であるともいえます。
国内でも海外でも、今の成人ぜんそく治療のガイドラインでは、基本的にすべてのぜんそく患者さんに吸入ステロイドによる治療が必要であるとされています(こどもはこの限りではありません)。この吸入ステロイド治療がうまくいかないと、ぜんそくは今でも非常に危険な病気です。

ですので私たちのような呼吸器専門医は、とにもかくにも吸入治療に力を入れています。

残念ながらぜんそくは糖尿病や高血圧などと違い、数字で表しづらい病気であり、症状がよくなった後に治療を続けていただくモチベーションを保つのが難しいのが実情です。また吸入薬の治療は飲み薬などと比べて面倒くさいとおっしゃられる方も少なくありません。
加えて吸入薬も現在さまざまな形のものが発売されており、どれも非常によく考えられて作られているのですが、そのせいで治療がわかりにくくなっているのも事実です。

ただしっかり薬を使ってもらえればその効果は抜群ですので、私はそのお手伝いがしっかりされるかどうかが治療成功のカギだと考えています。

吸入薬はそれぞれの種類で長所と短所があります。当院では様々な患者さんの状態や要望に応じて、適切な薬剤をチョイスしてお渡しすることにしています。また当院では吸入薬を処方する際に、見本や使用方法のお手本をお示しして、正しい使い方で使っていただけるようにしております。より治療効果を上げたり、副作用を減らす吸入のコツも患者さんの状態に応じてお伝えします。

お困りの際はささいなことでも結構ですので、なんでも当院にご相談下さい。

少しのつもりがかなり長くなってしまいました。さて、金曜からはまた学会出席にてお休みをいただきます。今回はプライマリケア学会の学術総会に出てまいります。かかりつけ医としての技量や訪問診療のいまなどについて学んでくる予定です。

 

今回は新幹線チケットはしっかりgetしておきました!!

投稿者: 医療法人社団加藤医院

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