医師ブログ

2026.03.02更新

「平塚内科と呼吸のクリニック」の内装が完成しました!
詳しくはこちらから!


そして、スギ花粉がピークを迎えつつあります!

当院でも、長引く咳の方に加えここ1週間で鼻炎や目のかゆみを訴える方が急増しました。

神奈川県でも、先週から花粉飛散量が急増し、すでに昨年のピーク時の飛散量を超えています・・・
花粉飛散状況

そんな中、先日日本テレビさんからお話を頂き、3月3日の朝の情報番組「ZIP!」内の特集コーナー「ミニドラマで学ぶ花粉症対策」内でコメンテーターとして出演させて頂くこととなりました。
7:15頃からの放送のようです。もしよろしければ見てやってください。


さて、このように花粉症の対処に悩まれている方も多い中、今回はご自身でできる花粉症対策について今一度整理してみましたので、この際皆さんで一度勉強をし直してみましょう!

まずは顔に花粉をつけない!


花粉症対策で一番大事なこと、それは花粉から離れることにつきます!

まずは外出した時の注意点です。

マスクはやはり有用です。

ある報告では、花粉が舞っている空間にいた時の鼻腔内に付着した花粉を計測すると、マスクのないときに比べてマスクを着けた時の鼻腔に付着する花粉量が1/3-1/6になりました。

また眼鏡はすることはどうでしょう?
同じ実験で結膜内に付着した花粉を計測すると、眼鏡なしの場合に比べ、やはり通常の眼鏡を着けると2/3に、花粉症用の眼鏡を着けると1/3になったというデータがあります。医薬ジャーナル 37:117–121,2001

メガネ、マスクと花粉付着数

ただ通常の眼鏡の場合、風の強い日は隙間から花粉が入ってしまって効果が落ちるとも言われており、やはりこの場合は花粉症用メガネが有効性が高いと言えそうです。


髪は意外と盲点!

顔には気を付けていても、意外に無防備になりやすいのがです。
髪の間には、花粉が多く入り込みやすくなっています。
帽子をかぶることは結構効果が高いと言われています。

その帽子も、できればニットなどの花粉の付きやすい素材は避け、比較的花粉が付きづらい素材のものを選ぶようにしましょう。

花粉が付きづらい服の素材を

花粉は温度が上がってくると飛散量が多くなります。
ただ日によって寒い日もあるため、ウールなどの起毛素材をついつい長く着てしまうこともあります
ただ花粉の多い日にウール系など起毛素材の服を着ると、花粉をいっぱい捉えてしまいます。

かくなり、花粉が多く飛びそうな日は、あまり花粉の付きづらいナイロン、ポリエステル、革などの素材の服を着るのがお勧めです

花粉症対策の服選び
着合わせにも盲点が・・・

また静電気は花粉を引き寄せてしまいます。
着合わせによっては静電気を発生させやすくなる
ことがあります。
「ナイロン・ウール」vs「アクリル・ポリエステル」の組み合わせは、静電気を発生させやすくなるのでお気を付けください。

着合わせと静電気

花粉を服につけないウラワザ

そのほかにも花粉が服につきづらくなるためにできる工夫があります。

まず、服を洗うときに柔軟剤を使うことです。
柔軟剤は、その中に含まれている界面活性剤によって、服の中に発生する静電気を防止することができます。

また、静電気防止スプレーもありますので、活用できる人は考えてみても良いかもしれません。

静電気防止スプレー




目や鼻にワセリンを塗るのもアリ!

また目の周りや鼻の周りにワセリンを塗ると、それぞれの粘膜に花粉が入りづらくなることが知られています。
鼻へは、鼻腔の内側のキワの部分に綿棒で転がすようにワセリンを塗りこむといいです。
花粉症対策でのワセリンの使い方
ある論文では、ワセリンを鼻の内側に塗ると、ワセリンでない塗布物を塗った場合と比べ、症状が有意に改善したことが報告されていますAm J Rhinol Allergy. 2013 Jul-Aug;27(4):299-303.

 

花粉が付いちゃったときは・・・

 

それでも外出していると、花粉を完全に避けることは難しいです。

 

もしも花粉を浴びてしまったなと感じた場合、コンビニや近くのトイレで顔を洗ったり濡れティッシュで目の周りや鼻周辺をやさしく拭いてあげるだけでも症状が軽くなることがあります(お店を使用させてもらったらできれば何か買いましょうね)。

 

乾いたティッシュで擦るより、濡れたものでやさしく拭くほうが粘膜の刺激が少なく済みます。


家の中を安全基地にしよう

さて、家の中にも着目しましょう。

まず大前提として、家の中の生活空間は、アレルゲンのない安全基地にしましょう!

アレルギー症状を起こすのは花粉だけではありません。
家の中にあるほこりなどのハウスダストも症状の原因になります。

そのため換気は必要ですが、窓を開けると室内に花粉が入り込みやすくなります。
換気をしたいときは、花粉の飛散量の少ない早朝や夜にしておきましょう。

HEPAフィルターのついている空気清浄機を使用すれば、花粉をある程度除去することができるので、部屋の中の空気の流れの良いところに空気清浄機を置きましょう。

空気清浄機

空気清浄機やエアコンのフィルターをこまめに掃除・交換しておかないと、せっかくひっかけた花粉がまた部屋の中にまき散らされてしまいます。
忘れずに掃除しておきましょう。


花粉は入口でシャットアウト!

また家の外から一番花粉が侵入しやすいのが玄関です。

玄関にも空気清浄機を置ければより万全です!


また、外から帰って来たら、アウターについた花粉は玄関や外で落としておきます。
ただこの時、はたくと花粉が舞ってしまうので、コロコロやハンディクリーナーを使って取った方が安全です。

コロコロ

洗える素材なら、なるべく毎回洗った方がいいでしょう。
洗わないアウターは出来れば玄関近くで保管し、リビングには入れないようにしたいです。


洗った服を昼間に外干ししてしまってはどれだけ対策しても意味がありません。
出来るだけ中干しがいいのですが、どうしても外に干さなければならない場合は、せめて夜から朝の花粉が飛散しない時間に干した方がいいでしょう。

 


掃除機のかけ方も大事

掃除マッチョ
花粉がついたホコリが床に落ちていると、舞い上がって症状の原因となってしまいます。

時々掃除機をかけるようにしましょう。

掃除機をかける際は、ホコリを舞い上げないように、低速モードやゆっくり動かすことを意識して、必要以上にほこりが舞い上がらないようにしましょう。
また掃除は決して楽な仕事ではありませんが、毎日でなくとも、週に2~3回程度こまめに掃除するだけでも効果的です。

また掃除の順番も、余計なアレルゲンを吸わないためには案外大事な点です。

まずは高い位置(棚の上など)からほこりをはたき落とし、その後床の掃除機がけをするなど、“上→下”の順で掃除すると花粉・ほこりの再浮遊を減らせます。


加湿も大事、でもしすぎは注意

粘膜は乾燥すると、その機能を落としてしまいます。

花粉シーズンは空気が乾燥しやすいこともあり、鼻や喉の粘膜が敏感になりがちです。
適度に加湿すると粘膜の乾燥を防ぎ、花粉による刺激をやわらげることができます。


ただあまり湿度が高くなるとカビや雑菌が生えてしまいます。
下手するとこれらによって余計ひどいアレルギー症状や咳の症状が出てしまうことにもなりかねません。

湿度が高くなりすぎないよう、50~60%程度までで管理しましょう。

また定期的な水の交換機械の洗浄も、余計なカビや雑菌を空気中にまき散らさないために大事なポイントです。


鼻うがいにもトライしてみよう!

鼻うがい

薬を使った治療の他にも、鼻うがいなどを行うことで症状が改善できるケースも少なくありません。

鼻うがいは、鼻から人間の体液と同じ食塩濃度(生理食塩水といいます)の食塩水を流し込み、鼻の奥やのどの奥を洗い流す方法です。

鼻の粘膜に付着したアレルゲンを洗い流すことができるのと同時に、鼻をかんでも出てきづらい、粘っこい鼻水も洗い流すことができます。

またこの粘っこい鼻水は細菌繁殖の素地になりやすいので、これを洗い流すことで、副鼻腔炎などの感染症に進展することを予防できるというメリットもあります。

鼻うがいをするときは、できれば200ml以上の、比較的大量の水で洗い流すタイプの商品を選んだ方がいいでしょう。
また体温と同じ37℃の生理食塩水にしておくと、刺激もほとんどありません(子どもでも簡単に続けられちゃいます)

塩分濃度が合わなかったり、冷たすぎたりすると鼻の奥がツーンとしてしまいますので注意。

当院でもニールメッド社さんの「サイナスリンス」を受付で販売しています。
付属のボトルの線まで水をいれて、個包装になっている塩を溶かすと簡単に生理食塩水が作れる優れモノです。




睡眠も大事です

睡眠

睡眠不足は免疫バランスを崩し、花粉症の症状を悪化させる原因のひとつと考えられています。
特に忙しくて病院に行けないような方は、まずは睡眠時間の確保から意識しましょう


過度なストレスには注意

ストレス
ストレス
も免疫機能に影響を与え、花粉症が悪化する要因になる
ことがあります。

(なかなか難しい話ではありますが)ストレスをためすぎずに、定期的に心身をリフレッシュさせる時間を設けましょう。


鼻づまりや目のかゆみに効くツボ

ツボ

迎香(げいこう)
という、小鼻の両脇(ほうれい線のあたり)にあるツボを押すと、鼻周りの血流が改善し、鼻づまりがやわらぐといわれています。
指の腹でやさしく押し、5~10秒キープして離すと、血行がよくなり、呼吸がしやすくなる場合があります。

また、目の症状に関しては、目頭付近にある清明(せいめい)というツボは、目の疲れやかゆみに効果的とされます。
指の腹でゆっくりと刺激することで、目の周りがすっきりする場合があります。


食事でもできる花粉症対策

最後に食事、栄養面にも触れておきましょう。

乳製品

ヨーグルト、チーズ
などに含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、腸内環境を整える効果が期待できるかもしれません。
また野菜や海藻、きのこ類などに含まれる食物繊維も、腸内環境の改善に役立ちます。

腸内環境が整うことで、免疫機能のバランスもとりやすくなると考えられています。
ただし、すぐに効果が出るわけではないので、毎日少しずつ継続して摂ることがポイントです。

ポリフェノールの一種であるケルセチン抗酸化作用をもち、アレルギー反応を抑える可能性が指摘されています。
玉ねぎリンゴを日常的に食べることで、少しずつ摂取できます。
また、お茶にもポリフェノールが含まれるので、水分を取る際にお茶を中心にするといいかもしれません。

粘膜を健康に保つビタミンA(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草)、抗酸化作用や免疫機能の維持に役立つビタミンC(柑橘類、イチゴ、ブロッコリー)ビタミンE(ナッツ類、アボカド、ウナギ)などもアレルギー症状を抑えてくれるといわれています。

バランスのいい食事で、日ごろからいろいろな栄養素を取るようにしましょう。

一方、人によっては特定の食材は要注意となることもあります。
トマトはスギ花粉の抗原と構造が似ており、スギ花粉症の方の一部にトマトで口がかゆくなってしまう方がいらっしゃり、これを口腔アレルギー症候群(OAS)といいます。
これについては過去にブログを書いてます 2022.5.9 果物アレルギーの方、もしかして花粉症、ありませんか? ので、ご興味のある方はどうぞ。

これは花粉症の時期に特に症状が出やすいと言われていますので、心当たりのある方はお気を付けください。


これらの対策で、この厳しいシーズン、少しでも皆さんが楽に過ごせるようになることを祈っています。


しかし、それでも症状にお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください!
この花粉症の時期、当院ではなるべく皆さんの診察のご要望にお応えできるように特別体制を敷いて、お待ちしております!


ほかにも、花粉症については以下にいろいろと記事を書いておりますので、ご興味のある方は是非どうぞ!

2026.1.18 どうなる?? 「花粉症のA to Z」~キホンから対策まで~

2025.4.7 「スギ」と「ヒノキ」の花粉症はなぜ一緒におこる? 違いはあるの??

2025.3.23 アレルギーの目の症状に「まぶたに塗る」薬が登場!

2025.2.25 「スキー場に行ったら、すごい人に会って、今週の花粉のヤバさも思い出した・・・」花粉症でおこる、目や鼻以外の症状は?

2023.4.17 黄砂って、なんで喘息やアレルギーを悪化させるの?

2023.1.21 2023年春、スギ花粉 大飛散だってよ・・・ 治療はいつ開始したらいい?

2022.5.9 果物アレルギーの方、もしかして花粉症、ありませんか?

2021.3.21 市販薬で花粉症を治すときに、知っておきたいこと

2020.3.9 重症花粉症の新しい治療法

2020.3.1 花粉症と咳のただならぬカンケイ

2020.2.11 花粉症のしくみと、基本的な治療について

 

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2026.03.02更新

「平塚内科と呼吸のクリニック」の内装が完成しました!
詳しくはこちらから!


そして、スギ花粉がピークを迎えつつあります!

当院でも、長引く咳の方に加えここ1週間で鼻炎や目のかゆみを訴える方が急増しました。

神奈川県でも、先週から花粉飛散量が急増し、すでに昨年のピーク時の飛散量を超えています・・・
花粉飛散状況

そんな中、先日日本テレビさんからお話を頂き、3月3日の朝の情報番組「ZIP!」内の特集コーナー「ミニドラマで学ぶ花粉症対策」内でコメンテーターとして出演させて頂くこととなりました。
7:15頃からの放送のようです。もしよろしければ見てやってください。


さて、このように花粉症の対処に悩まれている方も多い中、今回はご自身でできる花粉症対策について今一度整理してみましたので、この際皆さんで一度勉強をし直してみましょう!

まずは顔に花粉をつけない!


花粉症対策で一番大事なこと、それは花粉から離れることにつきます!

まずは外出した時の注意点です。

マスクはやはり有用です。

ある報告では、花粉が舞っている空間にいた時の鼻腔内に付着した花粉を計測すると、マスクのないときに比べてマスクを着けた時の鼻腔に付着する花粉量が1/3-1/6になりました。

また眼鏡はすることはどうでしょう?
同じ実験で結膜内に付着した花粉を計測すると、眼鏡なしの場合に比べ、やはり通常の眼鏡を着けると2/3に、花粉症用の眼鏡を着けると1/3になったというデータがあります。医薬ジャーナル 37:117–121,2001

メガネ、マスクと花粉付着数

ただ通常の眼鏡の場合、風の強い日は隙間から花粉が入ってしまって効果が落ちるとも言われており、やはりこの場合は花粉症用メガネが有効性が高いと言えそうです。


髪は意外と盲点!

顔には気を付けていても、意外に無防備になりやすいのがです。
髪の間には、花粉が多く入り込みやすくなっています。
帽子をかぶることは結構効果が高いと言われています。

その帽子も、できればニットなどの花粉の付きやすい素材は避け、比較的花粉が付きづらい素材のものを選ぶようにしましょう。

花粉が付きづらい服の素材を

花粉は温度が上がってくると飛散量が多くなります。
ただ日によって寒い日もあるため、ウールなどの起毛素材をついつい長く着てしまうこともあります
ただ花粉の多い日にウール系など起毛素材の服を着ると、花粉をいっぱい捉えてしまいます。

かくなり、花粉が多く飛びそうな日は、あまり花粉の付きづらいナイロン、ポリエステル、革などの素材の服を着るのがお勧めです

花粉症対策の服選び
着合わせにも盲点が・・・

また静電気は花粉を引き寄せてしまいます。
着合わせによっては静電気を発生させやすくなる
ことがあります。
「ナイロン・ウール」vs「アクリル・ポリエステル」の組み合わせは、静電気を発生させやすくなるのでお気を付けください。

着合わせと静電気

花粉を服につけないウラワザ

そのほかにも花粉が服につきづらくなるためにできる工夫があります。

まず、服を洗うときに柔軟剤を使うことです。
柔軟剤は、その中に含まれている界面活性剤によって、服の中に発生する静電気を防止することができます。

また、静電気防止スプレーもありますので、活用できる人は考えてみても良いかもしれません。

静電気防止スプレー




目や鼻にワセリンを塗るのもアリ!

また目の周りや鼻の周りにワセリンを塗ると、それぞれの粘膜に花粉が入りづらくなることが知られています。
鼻へは、鼻腔の内側のキワの部分に綿棒で転がすようにワセリンを塗りこむといいです。
花粉症対策でのワセリンの使い方
ある論文では、ワセリンを鼻の内側に塗ると、ワセリンでない塗布物を塗った場合と比べ、症状が有意に改善したことが報告されていますAm J Rhinol Allergy. 2013 Jul-Aug;27(4):299-303.

 

花粉が付いちゃったときは・・・

 

それでも外出していると、花粉を完全に避けることは難しいです。

 

もしも花粉を浴びてしまったなと感じた場合、コンビニや近くのトイレで顔を洗ったり濡れティッシュで目の周りや鼻周辺をやさしく拭いてあげるだけでも症状が軽くなることがあります(お店を使用させてもらったらできれば何か買いましょうね)。

 

乾いたティッシュで擦るより、濡れたものでやさしく拭くほうが粘膜の刺激が少なく済みます。


家の中を安全基地にしよう

さて、家の中にも着目しましょう。

まず大前提として、家の中の生活空間は、アレルゲンのない安全基地にしましょう!

アレルギー症状を起こすのは花粉だけではありません。
家の中にあるほこりなどのハウスダストも症状の原因になります。

そのため換気は必要ですが、窓を開けると室内に花粉が入り込みやすくなります。
換気をしたいときは、花粉の飛散量の少ない早朝や夜にしておきましょう。

HEPAフィルターのついている空気清浄機を使用すれば、花粉をある程度除去することができるので、部屋の中の空気の流れの良いところに空気清浄機を置きましょう。

空気清浄機

空気清浄機やエアコンのフィルターをこまめに掃除・交換しておかないと、せっかくひっかけた花粉がまた部屋の中にまき散らされてしまいます。
忘れずに掃除しておきましょう。


花粉は入口でシャットアウト!

また家の外から一番花粉が侵入しやすいのが玄関です。

玄関にも空気清浄機を置ければより万全です!


また、外から帰って来たら、アウターについた花粉は玄関や外で落としておきます。
ただこの時、はたくと花粉が舞ってしまうので、コロコロやハンディクリーナーを使って取った方が安全です。

コロコロ

洗える素材なら、なるべく毎回洗った方がいいでしょう。
洗わないアウターは出来れば玄関近くで保管し、リビングには入れないようにしたいです。


洗った服を昼間に外干ししてしまってはどれだけ対策しても意味がありません。
出来るだけ中干しがいいのですが、どうしても外に干さなければならない場合は、せめて夜から朝の花粉が飛散しない時間に干した方がいいでしょう。

 


掃除機のかけ方も大事

掃除マッチョ
花粉がついたホコリが床に落ちていると、舞い上がって症状の原因となってしまいます。

時々掃除機をかけるようにしましょう。

掃除機をかける際は、ホコリを舞い上げないように、低速モードやゆっくり動かすことを意識して、必要以上にほこりが舞い上がらないようにしましょう。
また掃除は決して楽な仕事ではありませんが、毎日でなくとも、週に2~3回程度こまめに掃除するだけでも効果的です。

また掃除の順番も、余計なアレルゲンを吸わないためには案外大事な点です。

まずは高い位置(棚の上など)からほこりをはたき落とし、その後床の掃除機がけをするなど、“上→下”の順で掃除すると花粉・ほこりの再浮遊を減らせます。


加湿も大事、でもしすぎは注意

粘膜は乾燥すると、その機能を落としてしまいます。

花粉シーズンは空気が乾燥しやすいこともあり、鼻や喉の粘膜が敏感になりがちです。
適度に加湿すると粘膜の乾燥を防ぎ、花粉による刺激をやわらげることができます。


ただあまり湿度が高くなるとカビや雑菌が生えてしまいます。
下手するとこれらによって余計ひどいアレルギー症状や咳の症状が出てしまうことにもなりかねません。

湿度が高くなりすぎないよう、50~60%程度までで管理しましょう。

また定期的な水の交換機械の洗浄も、余計なカビや雑菌を空気中にまき散らさないために大事なポイントです。


鼻うがいにもトライしてみよう!

鼻うがい

薬を使った治療の他にも、鼻うがいなどを行うことで症状が改善できるケースも少なくありません。

鼻うがいは、鼻から人間の体液と同じ食塩濃度(生理食塩水といいます)の食塩水を流し込み、鼻の奥やのどの奥を洗い流す方法です。

鼻の粘膜に付着したアレルゲンを洗い流すことができるのと同時に、鼻をかんでも出てきづらい、粘っこい鼻水も洗い流すことができます。

またこの粘っこい鼻水は細菌繁殖の素地になりやすいので、これを洗い流すことで、副鼻腔炎などの感染症に進展することを予防できるというメリットもあります。

鼻うがいをするときは、できれば200ml以上の、比較的大量の水で洗い流すタイプの商品を選んだ方がいいでしょう。
また体温と同じ37℃の生理食塩水にしておくと、刺激もほとんどありません(子どもでも簡単に続けられちゃいます)

塩分濃度が合わなかったり、冷たすぎたりすると鼻の奥がツーンとしてしまいますので注意。

当院でもニールメッド社さんの「サイナスリンス」を受付で販売しています。
付属のボトルの線まで水をいれて、個包装になっている塩を溶かすと簡単に生理食塩水が作れる優れモノです。




睡眠も大事です

睡眠

睡眠不足は免疫バランスを崩し、花粉症の症状を悪化させる原因のひとつと考えられています。
特に忙しくて病院に行けないような方は、まずは睡眠時間の確保から意識しましょう


過度なストレスには注意

ストレス
ストレス
も免疫機能に影響を与え、花粉症が悪化する要因になる
ことがあります。

(なかなか難しい話ではありますが)ストレスをためすぎずに、定期的に心身をリフレッシュさせる時間を設けましょう。


鼻づまりや目のかゆみに効くツボ

ツボ

迎香(げいこう)
という、小鼻の両脇(ほうれい線のあたり)にあるツボを押すと、鼻周りの血流が改善し、鼻づまりがやわらぐといわれています。
指の腹でやさしく押し、5~10秒キープして離すと、血行がよくなり、呼吸がしやすくなる場合があります。

また、目の症状に関しては、目頭付近にある清明(せいめい)というツボは、目の疲れやかゆみに効果的とされます。
指の腹でゆっくりと刺激することで、目の周りがすっきりする場合があります。


食事でもできる花粉症対策

最後に食事、栄養面にも触れておきましょう。

乳製品

ヨーグルト、チーズ
などに含まれる乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、腸内環境を整える効果が期待できるかもしれません。
また野菜や海藻、きのこ類などに含まれる食物繊維も、腸内環境の改善に役立ちます。

腸内環境が整うことで、免疫機能のバランスもとりやすくなると考えられています。
ただし、すぐに効果が出るわけではないので、毎日少しずつ継続して摂ることがポイントです。

ポリフェノールの一種であるケルセチン抗酸化作用をもち、アレルギー反応を抑える可能性が指摘されています。
玉ねぎリンゴを日常的に食べることで、少しずつ摂取できます。
また、お茶にもポリフェノールが含まれるので、水分を取る際にお茶を中心にするといいかもしれません。

粘膜を健康に保つビタミンA(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草)、抗酸化作用や免疫機能の維持に役立つビタミンC(柑橘類、イチゴ、ブロッコリー)ビタミンE(ナッツ類、アボカド、ウナギ)などもアレルギー症状を抑えてくれるといわれています。

バランスのいい食事で、日ごろからいろいろな栄養素を取るようにしましょう。

一方、人によっては特定の食材は要注意となることもあります。
トマトはスギ花粉の抗原と構造が似ており、スギ花粉症の方の一部にトマトで口がかゆくなってしまう方がいらっしゃり、これを口腔アレルギー症候群(OAS)といいます。
これについては過去にブログを書いてます 2022.5.9 果物アレルギーの方、もしかして花粉症、ありませんか? ので、ご興味のある方はどうぞ。

これは花粉症の時期に特に症状が出やすいと言われていますので、心当たりのある方はお気を付けください。


これらの対策で、この厳しいシーズン、少しでも皆さんが楽に過ごせるようになることを祈っています。


しかし、それでも症状にお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください!
この花粉症の時期、当院ではなるべく皆さんの診察のご要望にお応えできるように特別体制を敷いて、お待ちしております!


ほかにも、花粉症については以下にいろいろと記事を書いておりますので、ご興味のある方は是非どうぞ!

2026.1.18 どうなる?? 「花粉症のA to Z」~キホンから対策まで~

2025.4.7 「スギ」と「ヒノキ」の花粉症はなぜ一緒におこる? 違いはあるの??

2025.3.23 アレルギーの目の症状に「まぶたに塗る」薬が登場!

2025.2.25 「スキー場に行ったら、すごい人に会って、今週の花粉のヤバさも思い出した・・・」花粉症でおこる、目や鼻以外の症状は?

2023.4.17 黄砂って、なんで喘息やアレルギーを悪化させるの?

2023.1.21 2023年春、スギ花粉 大飛散だってよ・・・ 治療はいつ開始したらいい?

2022.5.9 果物アレルギーの方、もしかして花粉症、ありませんか?

2021.3.21 市販薬で花粉症を治すときに、知っておきたいこと

2020.3.9 重症花粉症の新しい治療法

2020.3.1 花粉症と咳のただならぬカンケイ

2020.2.11 花粉症のしくみと、基本的な治療について

 

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2026.02.22更新

いよいよ花粉症も本格化しています。

神奈川では昨年より1週間ほど早く、スギ花粉の本格飛散が始まっています(昨年は2月25日頃からでした)。
くしゃみ、だるさ、咳などは花粉症の代表的な症状で、しっかりと対策をする必要があります。

ただし、今年はいつもの年と大きな違いがあります。
この2月、花粉の本格的飛散と同時にインフルエンザの流行もまたピークを迎えようとしています。

今シーズンのインフルエンザA型の流行はいつもの年より早く、11月ごろにピークを迎えました。
1月には患者さんも減り、「今年は早めに始まった分、早めに終わってよかったなあ・・・」などとホッとしていたのが一転・・・
2月に入り、11月の流行ピークに匹敵する勢いで広がっています。

インフルエンザ流行状況

2026年2月の最新データによれば、県内の定点あたりの患者報告数が約60人/週、茅ヶ崎に至っては80人/週超えと、警報レベルの基準値である30人/週を大きく上回る事態となっています。

特に注目すべきは、検出されるウイルスの内訳です。
この時期の流行は、全感染者のなんと9割以上がB型を占めており、流行の主役が完全にA型からB型へと入れ替わっています。

AB

 

例年であれば、インフルエンザの流行は12月から1月にかけてA型が「大きな第1波」を迎えたのち、春先にかけてB型が「小さな第2波」を迎えるというのが一般的なパターンです。

しかし今シーズンは、この「第2波」が非常に大きく、「第1波」に並ぶ大きさになっています。

この「大きな2つの山」の流行構造は過去の統計と比較しても異例で、私も経験したことがありません。

B型とA型は何が違う?

では、そもそもインフルエンザB型は、A型と何が違うのでしょうか?

インフルエンザウイルスには大きく分けてA、B、C型がありますが、季節性の流行を引き起こすのは主にA型とB型です。
これらはどちらもインフルエンザウイルスではあるのですが、そのつくりや性質はちょっとした違いが存在します。


まずはつくりについてですが、ウイルス粒子の表面には、ヒトの細胞にくっつくための、いわゆる「吸盤」の働きをする「ヘマグルチニン」と、増殖したウイルスが細胞から離れて次のウイルスに移動するための、いわゆる「吸盤を切り離すハサミ」の働きをする「ノイラミニダーゼ」という2種類のタンパク質が、ウイルスの周りに突起となって並んでいます。

インフルエンザの構造

A型はこの「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の種類が非常に多く、組み合わせも変わりやすいという特徴があり、遺伝子の突然変異が起こりやすい構造です。

ウイルスは変異を起こすと、人間の免疫をかいくぐりやすくなります。

そのため、A型は爆発的に広まるリスクが高いウイルスと言えます。

対してB型は、「ヘマグルチニン」と「ノイラミニダーゼ」の組み合わせがAより少なく、基本的に変異を起こしにくいタイプです。
そのため、本来B型はA型よりは広まりにくいとされていました。

しかし、今年はそんなB型がA型に匹敵するほどの流行を見せています。

それはなぜでしょう?

B型大流行の理由

今年の冬、B型がこれほど長期間にわたって猛威を振るっている背景には、いくつかの複雑な要因が絡み合っていると考えられています。

1.ウイルス干渉
最も大きな要因の一つとして考えられるのが、今シーズン前半に見られたA型の異例な早期流行と、それに伴う「ウイルス干渉」の影響です。

ウイルスがヒトの体の中で広がる際には「ウイルス干渉」といって、ひとつのウイルスが体内で広がる間は、他のウイルスは広がりにくい性質を持っていると言われています。

免疫干渉


そのため、ある種類のウイルスが流行している間、別のウイルスが流行しにくくなります。

2025年の秋から冬の初めに、A型が極めて早いペースで広がりました。
A型のピーク時にはB型の入る余地がなく、一時的に「待機状態」となりましたが、そのA型の流行が年明けには終わってしまいました。

待機していたB型は、そのスキを埋めるように広がりやすい状況となり、そこに新学期が重なってしまいました。
例年B型が流行り始める2~3月と比べて、1月は寒く、空気も乾燥しており、爆発的に広がる条件が整ってしまっていたというわけです(残念ながらA型にかかった際にできた抗体は、B型の前では無力です)。


2.コロナ禍の影響
その上で、コロナ禍以降、ここ数年B型があまり流行っていなかったという面もあります。

B型はもともと通常は広がりにくいため、一度免疫を持った人が増えると、しばらくはその集団免疫が維持されて広がりにくくなるという性質をもっています。
集団の中で、いわゆる免疫の「貯金」ができる状態となります。

そして、数年かけて徐々にその「貯金」を使い果たすと次の流行を引き起こします(これを免疫の借金、免疫負債と呼びます)。
その流行の波は、何もなければ例年2~3年の間隔とされています。

しかしこの数年は、コロナ禍の影響でB型の流行が極端に抑えられていた分、この「借金」が長期間かけて膨れ上がってました(最後に大きなB型の流行を起こしたのは、今から7年前の2017/2018年シーズンでした)。

今年、その借金があたかも「コップの水があふれる」状態となったため、一気に増えてしまった可能性が指摘されています
コップの水

3.B型の特徴、時期による影響

さらに、B型ウイルスの性質そのものも影響しています。

B型はA型に比べて潜伏期間がやや長く、症状が緩やかに現れても、それが感染に気づかずに日常生活を送り、結果として周囲にウイルスを広げてしまうケースが増えます。

また今年は最初に書いた通り、不運なことに花粉症の流行と被ってしまいました。
そのため、見極めがつきにくい症状をきたした方が、「どっちかわからないけど様子見てみよう」と休まなかったり、病院に行かないで様子を見たりした結果、結果的に広がってしまったのではないかと考えられます。

花粉症

 

症状の違い

次はB型とA型の症状の違いを考えてみましょう。

一般的によく皆さんがイメージしやすいインフルエンザは、A型です。

A型の症状は一般に「急激かつ強力」で、39度を超える高熱や激しい関節痛、全身のだるさが一気に現れるのが典型的な特徴です。

これに対し、B型は、A型と同じ経過を取ることもありますが、一方でB型特有の、特徴的な経過を取ることがあります。

それは、一度熱が下がったように見えてから、1~2日後に再び熱が上昇する「二峰性発熱」というパターンで、B型患者の約2~3割に見られるという報告もあります。
このため、B型は「治りかけてからまた熱が出る」ようにみえることがあるのです。

また、B型はA型と比べて、下痢、腹痛、嘔吐などの消化器症状を伴いやすいという傾向があることが分かっています。

腹部症状
B型ウイルスが、呼吸器粘膜だけでなく消化管の粘膜にも何らかの影響を及ぼしている可能性が考えられており、熱はそれほど高くなくても、お腹の風邪のような症状が先行して現れることがあるため、初期段階ではインフルエンザだと気づかれにくいという特徴があります。

症状の続き方も違いが出ることがあります。

A型は、高熱に伴う激しい関節痛や筋肉痛、強いだるさが短期間に集中して現れる「短期集中型」の苦しさです。

これに対しB型は、高熱が引いた後も、微熱や鼻水、しつこい咳がダラダラと続き、全身の「すっきりしない感じ」が1週間以上持続する「長期持続型」の経過を辿ることがあります。

長引く風邪

これは、B型ウイルスが体内で増殖・排出される期間が、A型よりも少し長いためではないかと言われています。

重症度については、かつては「B型のほうが軽い」と考えられていましたが、最近の研究ではどうも否定的なようですClin Infect Dis. 2014 Jul 15;59(2):252-5. doi: 10.1093/cid/ciu269. Epub 2014 Apr 18.


特に小児や高齢者、持病のある方においては、B型であっても肺炎や脳症といった深刻な合併症を引き起こすリスクはA型と大きくは変わらないようです。
また入院率、死亡率もB型とA型には大きな差はないようです。

やはりB型を「軽い型」と侮ることはできないのです。
バツ

治療法はAと同じ

そんなB型ですが、治療法についてはA型と一緒です。

若い元気な方では、まずは安静と対症療法、症状が強かったり、悪化のリスクの高い方に対してはタミフル、イナビル、ゾフルーザといった抗インフルエンザ薬を使います(これらの薬は「吸盤を切り離すハサミ」の働きをする「ノイラミニダーゼ」が働かなくする薬で、「ハサミ」はA型にもB型にもあるものです)。

抗ウイルス薬を使う場合は、ウイルスが増殖しきってしまう、発症48時間後より前に使う必要があるため、症状が出たらやはり早めに検査をしてもらいたいものです。

 

今後の見通し

例年の傾向から推測すると、B型の流行は2月後半をピークに、3月中旬から下旬にかけて徐々に落ち着いてくる可能性が高いかとは思います。

が、春休みを控え、行楽や年度末の送別会など、人の移動や集まりが活発になる時期に重なると、流行が長引いたり、局所的な激しい流行が起こる可能性も否定はできません。

やはり、花粉症と少しでも違うなと思ったら、早めに手洗いや手指の消毒、適切な場面でのマスク着用、そして何より「体調が悪い時は無理をせずに休む」という感染対策をしっかりとるということが必要になります。

そして、もしその症状に違和感を感じたら、早めに医療機関にご相談をお願いします!

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2026.02.06更新

「平塚内科と呼吸のクリニック」のオープンまで、2ヵ月を切りました。

「平塚内科と呼吸のクリニック」のオープン場所については、実は契約上2か月前にならないと明かしてはいけない(ただし「駅ビル」という表現はOK)約束だったのですが、この度開院2ヵ月前を過ぎ、正式にオープン場所をお伝えできることになりました。

「平塚内科と呼吸のクリニック」は、ラスカ平塚2階、「ラスカ平塚ドクターズスクエア」内にオープンします!

具体的には、平塚駅東口の改札を出て、右手側のラスカ平塚入口から3階に入り、「カルディ」さんの横を通った先のエスカレーターから2階に降りた「倉式珈琲店」さんのおとなりになります。

平塚内科と呼吸のクリニック

改札から歩いてみたら、99歩でクリニック前に到着しました!(ちなみに茅ヶ崎本院は改札から480歩でした・・・)

現在、平塚院は順調に建設が進んでいます。
今は壁も全てでき、クリニックのカタチがはっきりと浮かび上がっています。


平塚呼吸器
受付となるところです。上のアークに沿って下にカウンターが入ります。

今後はいよいよ壁紙、床と進んで、建設も終盤に差し掛かってきます。
平塚院の事務長となるO崎を中心に、ハイペースで建設報告ブログ「平塚建築日記」をアップしています(すでに本日で13本目です)。

是非こちらもご覧ください!


そして平塚院は2月末までには竣工し、皆様にお披露目できるのは

3月28日、29日
の内覧会となる予定です。

普段はなかなか見ることのできない、クリニックの裏側や様々な医療機器を、間近にご覧になれるチャンスです。

近隣の方も、茅ヶ崎本院におかかりの方も、是非お誘いあわせの上お越しください!

(なお、3月21日には関係者様向けの内覧会を先行実施します。近隣の医療関係者の方やお取引先の業者様は、ご連絡は不要ですので是非とも3月21日にお越しください!)

 

そんな「平塚内科と呼吸のクリニック」では、茅ヶ崎本院同様、内科診療、呼吸器・アレルギー専門診療を一つの軸として診療を行いますが、もう一つの軸として、その抜群のアクセスを活かした、気軽に受けられる「予防医療」を掲げます。

つまり、「健康診断」「人間ドック」にも力を入れていく方針です。

その「人間ドック」に欠かせない検査といえば、「胃カメラ」「大腸カメラ」です。

「胃カメラ」「大腸カメラ」と聞くと「苦しそう」「怖い」「できれば受けたくない」と感じる方は少なくないようです。
実際に、人間ドックで勧められても迷ってしまったり、症状があっても我慢してしまったりする方は少なくありません。

しかし、胃カメラ大腸カメラは、私たちの体の中で起きている変化を早く見つけ、健康を守るためにとても大切な検査なのです。

症状がないうちから胃カメラ、大腸カメラを行う意義は、検査をしなければわからない早期の病気発見にあります。

大腸の病気、特にがんは、初期の段階ではほとんど症状が出ないことが多いのが特徴です。
「特に不調はないから大丈夫」と思っていても、気づかないうちに病気が進んでいることもあります。

胃カメラ大腸カメラは、胃や腸の中を直接観察できるため、症状が出る前の小さな異常や、早い段階のがんや、将来がんに進んでしまうリスクのあるポリープを見つけることができる検査です。

早期に発見できれば、体への負担が少ない治療で済むことが多く、日常生活への影響も最小限に抑えられますし、なにより命に関わるほど進んでしまわないようにすることで、より充実した人生を送ることにつなぐことができるのです。

また、胃の痛み重苦しさ、胸やけ、胃もたれといった胃の症状下痢や便秘を繰り返す、便が細くなった、血便が出たといった大腸の症状、それに、食欲不振、体重減少などの全身症状は、忙しさやストレスのせいだと思って様子を見てしまったり、「一時的なものだから様子をみよう」と安易に後回しにしてしまう方が少なくありません。

しかし、こうした症状の背景には、では逆流性食道炎胃炎、胃潰瘍、それに胃がん大腸では大腸ポリープ、大腸の炎症、それに大腸がんなどが隠れていることがあります。

こういった症状が出た時胃カメラ大腸カメラを行うことで、症状の原因をはっきりさせたり、あらかじめ予防的な処置をして病気の進行を食い止めるなど、適切な対策につなげることができます。

そして、胃カメラ、大腸カメラの大きなメリットの一つは、「安心できること」です。

検査を受けて異常がなければ、「大きな病気ではなかった」と分かり、気持ちが軽くなります。
また症状の原因が分かることで、必要以上に不安を感じることもなくなります。

そして、もし異常が見つかった場合でも、早い段階であれば治療の選択肢が広がり、結果として体への負担を減らすことができます。

最近では、検査の苦痛をできるだけ減らす工夫も進んでいます。
内視鏡も以前より細くてやわらかくなり、検査が楽になってきていますし、鎮静剤の使用もより一般的になったことで、ひとよりも検査がだいぶ楽になっています。

そんな皆さんの健康を守る「胃カメラ」「大腸カメラ」を、「平塚内科と呼吸のクリニック」では、より快適に受けて頂けるようにしたいと思っています。

今日は「胃カメラ」「大腸カメラ」をどのように運用するか、ヒントを得るために、「青葉台かなざわ内科・内視鏡クリニック」の(私の学生、研修医時代から友人である)金沢憲由先生に、新事務長となるO崎とともに、お勉強に伺いました。

かなざわ

左が金沢先生

いやあ、さすが内視鏡を極めているクリニックは流れがスムーズ・・・

患者さんも流れるように案内され、効率よい動線で苦痛なく検査を受けられ帰る姿が印象的でした。

O崎とともに院内のいろんなところをチェックさせてもらって、頭に叩き込んできました。

O崎
少しでも知見を取り逃さないように、いっぱい写真も撮らせてもらいました

この知見を活かして、平塚院では患者さんに気持ちよく検査を受けて頂ける体制を整えていきたいと思っています!

※なお、検査の集約を行うため、長年行ってきた茅ヶ崎内科と呼吸のクリニックでの胃カメラ検査は、この2月をもって終了とさせて頂きます。
長い間のご愛顧、誠にありがとうございました。

茅ヶ崎市の検診は今後行うことは出来ませんが、健康診断経過観察、それに胃腸症状があった際胃カメラ検査は、平塚内科と呼吸のクリニックにダイレクトにおつなぎする体制を取る予定です。

改札からスグで、麻酔をしてもカンタンに車を使わずに帰れる「平塚内科と呼吸のクリニック」での胃カメラ、大腸カメラ検査を是非ご利用ください!

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2026.01.18更新

まだまだ寒い日が続き、まだまだインフルエンザもコロナもいっぱいです。

最近は特にインフルエンザBが急に増えてきています。
インフルエンザBは、12月まで流行していたAと症状に大差はないのですが、特に若い方で多少胃腸症状の頻度が増えるともいわれています。

またインフルエンザAにかかった方でもBにかかることはあるので、まだまだ注意が必要です。
皆さん、まだまだ基本的な感染対策をお願いしますね。


でも少しずつ、季節は確実に進んでいます。

ここ最近になって、徐々に鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのいわゆる「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」などの症状を訴える方が増えてきました。


そう、今年も、「いよいよ来ます、あの、花粉症の季節が」・・・

花粉症

目のかゆみや鼻水と格闘する日常、朝起きても頭がぼんやりして、仕事の集中力が続かない日々、そして鼻が詰まって眠れない夜・・・

日常の土台をぐらつかせるにっくき花粉との闘いが、間もなく始まろうとしています。


しかし、花粉症は知識と準備で、その年の大きく運命を変えることができます。

今回は、そんな「今年の花粉症」について、知識の整理と今年の特徴、それに今からできる対策について、お話をしてみようと思います。


花粉症の症状は、鼻と目だけでは終わらない

花粉症と聞くと、多くの方はまず「くしゃみ」「鼻水」「目のかゆみ」を思い浮かべます。
もちろんそれは花粉症の中心ですし、いちばんわかりやすい症状でもあります。

ただ、花粉症のやっかいなところは、症状が「鼻と目に限定されない」ことです。


「だるい」「頭が重い」「眠い」

鼻が詰まって呼吸が浅くなると、睡眠の質が落ちます。
また鼻水がのどに落ちることで咳が続き、眠りを妨げることもあります。

眠れていないと、日中もだるくなったり、眠くなったりで集中力もが低下し、仕事面、生活面に大きな影響を与えてしまいます。

花粉症

けれど、この症状が花粉症によるものだと気づかない方も少なくありません。


咳が花粉症と関係することも

さらに見落とされがちなのが、のどや咳の症状です。

喉

花粉の季節になると「咳だけが続く」という方もいます。
鼻水がのどの奥へ落ちていく「後鼻漏」があると、のどが刺激されて咳が出やすくなります。

これが続くと、周りからは風邪のようにも見えて、本人も「いつ治るんだろう」と不安になります。


皮膚のお悩みも花粉症かも

また、皮膚が荒れる方もいます。

目の周りが赤くなる、頬がかゆい、肌がピリピリするといった、こうした“花粉皮膚炎”は、特に乾燥しやすい方や敏感肌の方に起こりやすい印象です。

「春の肌荒れ」だと思っていたけれど、実は花粉の影響だった・・・ということが少なくありません。


耳の症状が起きることも

そして意外と知られていないのが、「耳のかゆみ」や「耳が詰まった感じ」です。

耳

鼻とのどと耳はつながっています。
鼻の炎症が強いと、その影響が耳に出てくることもあるのです。


花粉症の症状の出方は人によりさまざま

このように花粉症は、静かに、しかし確実に、体のあちこちに影響を広げます。
そして、一口に花粉症といっても、その症状の出方は人それぞれです。

その方特有の症状の特徴によって、治療の考え方、組み立て方は大きく変わってくるのです。

 


では、今年の花粉はどうなのでしょうか。


今年は飛散量が多い (´;ω;`)

2026年春の花粉飛散については、日本気象協会の予測「西日本では例年並み、東日本と北日本では例年より多い見込みとされています。
また、飛散開始は例年並みで、関東の飛散は2月上旬から始まり、ピークが2月下旬頃という見通しも示されています。

ウェザーニュースの予想でも、東日本では前年より増え、平年よりも多い水準になるとされ、2026年春は「前年の123%、平年の120%」というデータが提示されています。

花粉症飛散予想

残念ながら「今年は多め」という予想が揃っているようです・・・


今年の花粉飛散量が増えてしまう理由

では、なぜ今年は花粉の量が多くなってしまうのでしょうか?

花粉は、春になって急にできるわけではなく、「前年の夏」から準備が始まっています。

前年の夏に気温が高く、日照が多いと、スギの雄花が育ちやすくなります。

猛暑
つまり「去年の夏が暑かった」という出来事が、春になって花粉として返ってくるわけです。

一方、花粉の飛散量には、年ごとにゆらぎがあり、いわゆる「表年」「裏年」があるという説もあります。
ただし、この波は必ずしも単純に交互に増減するわけではないようであり、やはり大きく影響するのは、前年夏の気温や日差しです。

昨年多かったので今年は落ち着くとは限らず、今年の花粉も覚悟してしっかりと備える必要があるのです。


花粉症対策は、「気合い」ではない

花粉症のつらさは、「がまん」や「根性」で乗り切るものではありません。

ガマン

「毎年耐えてるんです」とおっしゃっている方もいらっしゃるのですが、症状を我慢することで体が強くなるということは、残念ながらありません。

それどころか、花粉症なのに薬を使わずに症状を我慢し続けると、鼻粘膜の炎症がどんどん悪化、持続し、少量の花粉でも強い症状が誘発される「プライミング現象」が起きてしまうことが研究で示されています。

また継続的に体内でアレルギーを引き起こす物質(ヒスタミンやロイコトリエン)が分泌され続けると、粘膜が敏感になってしまい、わずかな花粉量でも症状が強く出る状態となってしまうのです。

花粉症を「我慢」と「気合い」で乗り切ることは、「百害あって一利なし」なのです。


まずは花粉を避ける基本的対策を

ではその対策に移りましょう。
まず基本の対策はとてもシンプルです。

花粉を「吸い込まない」「肌につけない」「家に持ち込まない」ことです。

花粉症対策
この3つを丁寧に積み重ねることが、春の快適さを左右します。

花粉の季節は、マスクが“防具”になります。鼻や口から花粉を入れないようにしましょう。
目がかゆい方は、メガネやゴーグルで対処するのも有効です。
帽子や、花粉の付きづらい素材の服を選ぶことも効果的です。


帰宅したら、玄関先で服の花粉を除去します。
はたくと吸ってしまうため、コロコロなどを使うと効果的です。花粉の付いた服は生活スペースに持ち込まないようにしましょう。

コロコロ
玄関に空気清浄機を置くのも効果的です。

空気清浄機

また花粉が多い日に外干しをすると、洗濯物が“花粉の運び屋”になってしまうことがあります。
部屋干しや乾燥機の活用を考えましょう。

部屋干し

こちらでもっと詳しくお話しているので、ぜひご参照ください。


2023.2.10 薬だけじゃない!自分でできる、シーズン中に実践したい花粉症対策
2025.1.25 2年ぶりの続編!自分でできる、シーズン中に実践したい花粉症対策 ver.2


花粉症の基本的治療は「とにかく早めに」

花粉症治療で大切なのは、「症状がピークになってから慌てる」よりも、「その前にあらかじめ対処する」という考え方です。

花粉症

症状が軽いうちは、「薬はまだいいかな」と思いがちです。
けれど、花粉症は炎症の火が小さいうちに抑えておく方が、結果的に少ない薬で済むことが多いです。

逆に、ピークで炎症が強くなってから治療を始めると、落ち着くまでに時間がかかり、生活のつらさも長引きがちになってしまいます

「症状が出てすぐ」では間に合わないことも

治療を始める時期について、最近では「症状が出てからでも遅くない」という論調も少なくありません(最近のyahooの記事でも、こんな題名でトップに記事が載っていました)。

ただ、症状が強く出る方(つまり「病院に来ようかな」と思うような方)では、症状が急にひどくなることも少なくありません。

必ずしも徐々に症状が強くなっていくとは限らないのです。

また、「症状が出てからでもいいや」と思っていると、結局症状が出たときにすぐに薬が手に入らなかったり、受診しようにもスケジュールの都合がつかなかったり予約が取れなかったりすることもあり、ギリギリを考えていると結局遅れてしまい、その年に苦しい思いをする方を私たちは多く見ています。

やはり、私たちは今まで通り、余裕をもって「シーズンの2週間前から対処してほしい」というメッセージを続けて発信していきたいと考えます。

 

→こちらもご参照ください。

2023.01.21 2023年春、スギ花粉 大飛散だってよ・・・ 治療はいつ開始したらいい?




花粉症の「治療の基本」

花粉症治療の軸になるのは、「抗ヒスタミン薬」という飲み薬になります。
また症状によっては点鼻薬や点眼薬の出番もあります。

これらはドラッグストアなどでも売られていますので、自らで対処するなら早めに用意しておきたいところです。

ドラッグストア


→こちらもご参照ください。
2021.3.21 市販薬で花粉症を治すときに、知っておきたいこと


ただ、市販で手に入る薬だけでは、つらい症状に十分な対応できないことも少なくはありません。
抗ヒスタミン薬にも種類があり、症状によっては市販薬程度では症状をコントロールできず、医療機関から処方される薬ではじめて落ち着くこともあります。

そのような時は、まずお近くの内科、耳鼻科で治療薬をもらってしまった方が早いです。

ナース
かかりつけの先生に相談するのも一手ですね。


治療しても症状が残るときに考えたいこと

ただ、毎年花粉症の方を診察していると、そのように医療機関にかかったにも関わらず、時期によっては症状が残ってしまっているとおっしゃる方が少なくありません。

「鼻水は止まったけれど鼻づまりが残る」
「目は楽になったけれど咳が止まらない」
「薬は効くけれど眠気がつらい」

こういうとき、治療の方向性は正しいのに、「うまく噛み合っていない」状態になってしまっていることがあるのです。

そのような場合には、私たちのような「アレルギー専門医」に頼っていただきたいと考えています。


「アレルギー専門」医療機関のメリット

アレルギーの治療に慣れている専門施設では、薬だけでなくその方の生活まで深く踏み込んで治療を考えます。

診察

「接客業なので、話すと咳がでる症状にとても困っている・・・」
「運転を必要とする環境なので、薬で眠気が出ることは避けたい・・・」
「目がかゆいが、目薬を頻繁に使うとなるとメイクが崩れて困る・・・」

と、その方の背景によって、治療の濃淡をつけたり、その方の要望にあった薬の選択、使い方を提案したりすることは、やはりアレルギーの治療、薬に詳しいアレルギー専門医が得意とするところです。


花粉症との「診断の決め打ち」に潜むリスク

そして、もうひとつ重要なのが、その症状が「花粉症だけではない可能性」をきちんと確認することです。

花粉の時期に咳が続く場合、単なるのどの刺激だけではなく、喘息や鼻副鼻腔炎などの慢性的な状態が関係していることがあります。

そこをしっかりと切り分けていかないと、残念ながら症状が残ってしまったり、薬が効かなかったりという状態となってしまいます。
その中には治療をあきらめてしまい、何年も不自由な中での生活を強いられてしまうケースも少なくないのです。

そんな時は、ぜひ臆せずに、私たちを頼ってほしいと思います。


今年の春を、少しでも軽やかに過ごすために

花粉症は、多くの人が経験する病気です。
だからこそ、つらさが軽く扱われてしまうことがあります。
「みんな同じだから仕方ないよね」と言われて、我慢してしまうこともあります。

でも本当は、我慢し続ける必要はありません。
花粉の情報を知って、少し工夫をして、必要な治療を早めに整える。
それだけで春の過ごし方は変わります。

つらくなってからではなく、つらくなる前に。

「今年はまだ大丈夫」と思っている今こそ、いちばん良いタイミングかもしれません。

 爽快


皆さんの今年の春が、少しでも軽く、少しでも穏やかになりますように。

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2026.01.05更新

皆様、あけましておめでとうございます!
2026年も皆様にとってよいお年でありますように願っております!

(「ロゴ」は後半で発表いたします!)

私は年末年始、山梨で温泉につかって、束の間の休日を過ごしました。
山梨といえば、武田信玄!!
武田信玄といえば、信玄餅!?

というわけで、元日、「桔梗信玄餅 工場テーマパーク」へ行ってみました。

私、実家は八王子の高尾山の近くなのですが、八王子って中央線でつながっている関係で、どちらかというと山梨方面になじみが深い土地柄なのです(湘南はどちらかというと静岡ですもんね)。
八王子駅の駅ビルでも山梨の特産品は結構扱われており、信玄餅の直営店もあるほどです。

そんな信玄餅工場テーマパークでは、製造現場を見ることができます。

信玄餅といえばフィルムの風呂敷で包まれているのが特徴ですが、あの風呂敷、すべて人の手で結んでいるんですって。

その姿を見学することができました。

ベルトコンベアーで流れてくる風呂敷を8人が力を結集してすべて結ぶ。いやあ、すごい集中力・・・
特に、一番後ろの人のプレッシャーって言ったらハンパないだろうな、と考えてました。

信玄餅

その後、お土産を買って、くじ引きで信玄餅の詰め放題チケットゲット!

くじ

全部で42個の信玄餅をゲットしてきました(笑)

詰め放題

帰宅後2日経過しましたが、いまだに信玄餅祭り状態・・・
無事しばらく私の昼ごはんになる模様です。

 

よもやま話はここまで!


さて、当院の今年の最大のトピックといえば、やはり「平塚内科と呼吸のクリニック」のオープンです!

その院長の池田秀平先生も、実は八王子西部の出身。

池田先生と私は同じ横浜市立大学呼吸器内科の医局出身でのつながりだったのですが(八王子全然関係ない・・・)、あとから聞いてびっくり、実はお互いの実家が歩いても行けるくらいの距離だったのでした。

世の中、どんな偶然があるか、わかりませんね。


そんな「平塚内科と呼吸のクリニック」の現在の建築の様子はこちらのブログ「平塚建築日記」でご覧いただけますが、年明けから一気に工事が進む予定です。

今後、壁で仕切られてから続々と設備が設置されていきます。


そして今回は、待合室と点滴室に、ものすごい面白いモノをつけることになりました。
部屋が間違いなくさわやかな雰囲気になるでしょう。

私も実物をショールームで体験してきたのですが、確かにこれはすごいな、と。

今から実装されるのが私もとても楽しみです!

えっ、何をつけるのかって?
その答えはもう少々お待ちください・・・


さて、そんな「平塚内科と呼吸のクリニック」のロゴがついに決まりました。
以下のロゴになります!

 平塚内科と呼吸のクリニックロゴ

平塚内科と呼吸のクリニックロゴ

まず、大局的には茅ヶ崎本院と同じコンセプトとし、茅ヶ崎ロゴでもシンボルとして使用している、さわやかな呼吸をイメージする「羽根」のデザインを中央に配置。
そして、Chigasakiの「C」に対し、平塚のロゴはHiratsukaの「H」をデザイン化しました。

ロゴの中に茅ヶ崎と同様、5色を配置し、いろんな「色」を持った方にご来院いただきたいという、茅ヶ崎のロゴと同様に願いを込めました。

また茅ヶ崎ロゴの「湘南ブルー」を平塚でも使用し、色使いを共通化させることで、ここ湘南の地、茅ヶ崎と平塚で、同様のコンセプトで医療を展開していきたいという目標を落とし込みました。


一方、平塚のシンボルカラーには「紫」を採用しました。

平塚といえば七夕。

平塚七夕
七夕の祭りには、人々の願いが込められています。

七夕の短冊には陰陽五行説に基づき、、そしてが用いられ、このうち「水の要素」として、深い思慮や神秘、癒しを象徴する色なのだそうです。


このという色で、当院にいらっしゃる方の、健康、病気の治癒を末永く願うという気持ちを込めました。


そんな「平塚内科と呼吸のクリニック」のオープンは4月上旬を予定しております。

そしてオープンに先立ち、3月下旬に内覧会を予定しております。
新しいクリニックのお披露目となるとともに、普段は入ることのできないクリニックの裏側も見れる貴重な機会。

ぜひ皆様でお越しください!
近くになりましたらまたご案内させていただきます。

そして、オープンに向けて、現在、看護師、臨床放射線技師、医療事務の方を絶賛募集中です!

詳細はこちらのページからご覧ください。

平塚院長の池田先生も、そして私も、ぜひ皆さんと一緒に平塚の地で「私たちの思い描く理想の医療」を体現できることを楽しみにしております!

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2025.12.26更新

いよいよクリスマスも終わり、今年も残りわずかとなってきました。

今年1年も大変多くの患者様にご来院いただきました(今年は初めて、当院に来院頂いた患者様が年間延べ3万人を超えました)。

改めて、咳や呼吸のことでお悩みの方がこれほども多いものかと、改めて実感した一年でした。

今年も茅ヶ崎内科と呼吸のクリニックをご愛顧いただき、誠にありがとうございました。


インフルエンザはようやく一段落してきましたが、やはりそのあとに続く咳の方などで、当院へのご相談は引き続き非常に多くいただいております(ご予約は混雑状況を見ながら適宜開けていますので、一度確認されたときにご予約枠が無かった場合も、時間を開けて後ほど再度予約サイトを覗いていただければと思います)。

咳が続く原因には、喘息、後鼻漏、胃酸の逆流など色々あるのですが、そんな中、最近は“意外なところ”に原因が潜んでいる方もご来院されています。


その一つが、「睡眠時無呼吸症候群」です。

「いやいや、いびきの話でしょ?」
「咳とは関係なさそうだけど…?」

と思われるかもしれません。

でも、これがなかなか侮れません。
実は、咳と睡眠時無呼吸症候群は、「見えないところでつながっていることがある」のです。
SAS

今日は、その意外な関係をお話してみましょう。


そもそも睡眠時無呼吸症候群って?

一言でいうと、「寝ているあいだに、呼吸が止まったり弱くなったりする病気」です。

特に、仰向けに寝たときに、舌の根元がのどに落ち込んでしまうことによって、気道が塞がれてしまうのが一番多い原因です。
睡眠時無呼吸症候群

通り道が狭くなると、狭い通路を空気が勢いよく通るので、周りの組織が震えてしまい大きないびきをかいてしまいます。
その狭くなった通り道が完全にふさがれると、その間呼吸が止まってしまうのです。

夜中に呼吸が止まると、体や頭に酸素が行きわたらなくなり、いろんな場所が「酸欠状態」になります。

すると、まるで何度も全力疾走をしているような負担が全身にかかり、朝起きたときに疲労感が残る、頭痛が起こる、よく寝た感じがしないという症状があらわれます。

それに当然眠りの質が落ちるため、昼間に強い眠気を感じるなどの症状が起きてしまいます。

睡眠時無呼吸症候群

 


生活習慣病も悪化させる

また血圧も上がります。

一晩に酸欠状態が何十回~何百回と繰り返して起こることで、体の中には炎症が生じ、その結果血管を傷つけ、動脈硬化を引き起こします。

また体を興奮させる「交感神経」が刺激されることも合いまって、血圧が上がってしまいます。

加えてインスリンの効きが悪くなったり、体の中の糖をうまく使えなくなるということも起き、糖尿病の悪化因子となります。

つまり睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気だけではなく、生活習慣病を悪化させる原因にもなるのです。


と、ここまでが一般的な睡眠時無呼吸症候群のお話しです。

しかし、今回の本題はここからです。

では、どうして、そんな睡眠時無呼吸症候群は「咳」と関係してくるのでしょう?


睡眠時無呼吸症候群で咳が出る理由3つ!

咳と睡眠時無呼吸症候群は、次のような「つながり」があります。

① 無呼吸で“気道が引っぱられる”

無呼吸が起きている間、体は酸素が欲しくて必死に胸を動かします。
でも気道は塞がれたままなので、その吸いこもうとする力で、気道に強い陰圧がかかることになります。

睡眠時無呼吸症候群

これが気道に刺激を与えてしまうことで、気道の粘膜が敏感になり、咳をしやすい体質に変わってしまうのです。


② 胃酸が逆流しやすくなる

睡眠時無呼吸症候群では、無呼吸のたびに息を大きく吸おうとします。
すると、体は横隔膜を下げて肺を広げようとしますが、実際は気道がふさがれているので空気が入ってきません。

すると、横隔膜から上の領域(胸腔といいます)に強い陰圧がかかります。

そうなると、同じくその領域にある食道にも陰圧がかかり胃にある胃酸が食道に吸い上げられてしまい、食道に胃酸が逆流しやすくなるというわけです。

睡眠時無呼吸症候群

胃酸が食道に上がると咳が出やすくなります(そのメカニズムについて詳しくはこちら→2025.7.7 「長引く咳」の隠れた要因 ~「胃・食道逆流」や「逆流性食道炎」で、なぜ咳は出ちゃうの?~)。

そんな時は、朝の咳、声枯れなどもよくみられます。

「夜中から朝方にかけて咳がひどい」「朝起きると喉が変」という方は、この仕組みが影響しているかもしれません。


③ 気道の免疫が落ちてしまう

睡眠時無呼吸症候群では、深い眠りがとれず、体が休まりません。

睡眠の質が落ちると、粘膜のバリア機能や免疫が弱くなり、いつもより気道が“刺激に反応しやすい”状態になります。

睡眠時無呼吸症候群

すると、感染症や冬の乾燥した空気、エアコンの風、花粉やハウスダストなど、咳を誘発しやすくなる因子に触れると、とたんに咳が悪化してしまうというわけです。


“こんなサイン”があれば無呼吸かも?

睡眠時無呼吸症候群は、なかなか気づかれにくいところが厄介です。
そんな中で、「こんな症状があったら疑ってもいいかも」という事柄を挙げてみましょう。

・家族に「呼吸が止まってたよ」と言われた
・寝ているのに、なぜか疲れが取れない
・起床時に頭が痛い
・日中ぼーっとしてしまう
・就寝中に胸やけがある
・体重が増えて、首が太くなってきた

などという方は「いびきはあまりないけど…?」という方でも、実は睡眠時無呼吸症候群だったということは珍しくないのです。

睡眠時無呼吸症候群

そして、残念ながら「睡眠時無呼吸症候群で咳が悪化する」ということは、世間のみならず、一般内科の医師の間でもほとんど知られていないのが現状です。

そのため、睡眠時無呼吸症候群が咳の原因だった場合、いろんなところでドクターショッピングを繰り返してしまい、長期にわたり解決できないケースが非常に多いのです(私の外来でも、10年以上原因不明の咳として扱われていた方が、当院で睡眠時無呼吸症候群によるものと診断し、一発でよくなった方もいらっしゃいました)。


治療で「人生」が変わることも

睡眠時無呼吸症候群は、しっかりと治療をすれば、症状をかなり改善することができます。

代表的なのはCPAP(シーパップ)という治療で、寝ているあいだに少しだけ圧をかけながら空気を送り、気道が閉じないようにします。

このCPAPの機械には加湿機能があり、これによって乾燥に弱い気道の加湿を促すことができるのです(特に乾燥する冬の季節は特に有効です)。
これによって、長いこと悩んでいた長引く咳が大きく改善することも、実は少なくないのです。

だるさ、眠気、長引く咳という、体力を余計に消耗してしまう状態を改善させることで、思った以上に“人生が軽くなる”という感覚を実感することができます。

睡眠時無呼吸症候群


長引く咳に悩んだら、一度視野を広げてみましょう

睡眠時無呼吸症候群は、「いびきの病気」、「日中の眠気、だるさ」というイメージが強いですが、実は長引く咳とも深くつながる病気です。

特に中年以降で、咳とともに
「昼間なんだかなるいなあ」とか、
「朝起きるとやたら疲れているなあ」とか
「最近体重がふえたなあ」とか
「血圧も最近なんだが高いなあ」

ということを感じている方は、一度「夜間の呼吸」を振り返ってください。

“咳の原因はのどや肺だけではないかもしれない”

そう視野を広げてみると、改善のヒントが見つかることがあります。

ぜひそんなときは、様々な角度から咳を分析できる、呼吸器専門医に頼ってみてください!

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2025.12.08更新

今回はご報告です。

この度、私が、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル米国版の特集記事で取り上げられました。

wall street journal

ウォール・ストリート・ジャーナルは、アメリカを代表する新聞であり、世界の政治・経済だけでなく、社会や文化、テクノロジーなど幅広い分野を取り上げる国際的メディアです。

wall street journal

アメリカ国内で最大の発行部数を誇っているということであり、しかも今回は(日本語版ではなく)本国の英語版とのことで、完全に私のような場末の医師には極めて縁遠いメディアのはずなのですが・・・

今回は“Next ERA Leaders”という、「次の時代を形づくる可能性を持つ人物」という企画に取り上げられました。
なので、「医師」という肩書ではありながらも、いつもとちょっと違う立場での掲載で、ちょっとおしりがむずむずしています・・・(笑)

今回は特に「医療とAI」「AIではできない人間の医師としての医療の形」というテーマをメインに話してきました。
記事のリンクは一番下に用意しておりますので、後ほどご覧頂くとして、今回はそこからもう少し話を拡げて「AIが、そして人間の医師が医療でできること」について、私なりの考えをお話ししてみようかなと思います。


AIの知識に人間は敵わない

AIの登場以来、AIは毎年目覚ましい進歩を遂げ、医療の現場もAIにより大きく変わろうとしています。
近い将来、AIが人間の医師を駆逐するのではといった過激な論調もあります。

確かにAIは診断には非常に役立ちます(私も最大限活用しており、ChatGPTもgeminiも有料版に入り使い分けています)。
知識の面においては、いくら医師が知識を詰め込もうとも、やはりAIによる「集団知」の前においては、到底かなうはずもありません。



診断で大事な、正しい「インプット」

「診断」という行為は、患者さんから得た症状などの情報に対して、私たち医師がその情報をもとに推測しながら答えを見つける作業です。
患者さんから情報を得ることが「インプット」となり、医師が導き出した答えが「アウトプット」ということになります。


「圧倒的な知識量」を誇るAIは、「正確な情報のインプット」に対しては、実に正確なアウトプットを出してくれます。


しかし実際は、診療の場では、患者さんから正確なその「インプット」情報を導くことが、実は非常に難しいのです。



正しい「インプット」って、意外に難しい・・・

実際の診察では、患者さんが「何がわからないのかわからない」といった場面に、よく出くわします。

例えば、診察を始めた時に、患者さんは「自分が重要だと思っていること」をお話しになります。
しかし、私たち医師は、診断の見当をつけるために、患者さんとは違った視点で見ていくことが少なくありません。

患者さん自身が「まさか重要だとは思っていなかった」診断に不可欠なエピソードを、話を進める中ではじめて聞き出すことができることもあります。
そして、それが診断に決定的な影響を与えることもあるのです。


しかし、相手がAIだと、それらの情報はすべて患者さん自身が打ち込まないとなりません。
今の時点では、AIは、患者さんの表情や、話し方から見える性格などを参考にすることはできません。

すると、そこで導き出されたアウトプットがずれてしまうということが起き得るわけです。
加えて、その目の前にある答えが、ずれているかそうでないのか、患者さん側からは、それを判断することも難しく、「ブラックボックス」の状態ともいえる訳です。


つまり、その「インプット」を正確に聞き出す、ということが、私たち人間の医師の存在価値なのだと思うのです。



「治療方針」と「キャラクター」

また、ある病気に対して治療法がある場合、「その治療法が患者さんのキャラクターに合っているか」どうかというのも、治療を継続してそのメリットを患者さんが漏れなく享受するにはとても大事なことです。


例えば、喘息の治療をする場合、吸入薬を使いますが、吸入薬にはそれぞれメリットとデメリットがあります。

1日1回で済む吸入薬、調子の悪いときに追加で使用できる吸入薬、吸ったことを確認しやすい吸入薬、声がれの出にくい吸入薬・・・

人によってどれを重視すべきかは様々です。
その方の考え方、性格、職業、生活リズムなどなどによっても最適な吸入薬は変わるわけであり、最適な薬を選ぶことができるのは、その方の特性の理解が欠かせないのです。

私たち医師は、そんな患者さんのキャラクターまで見て、治療を考えているのです。


「答えがない」問題に答える

また、医学にはまだはっきりとはわからないことも少なくありません。
データだけでは見えないものというのも、確実にあります。

特に呼吸器分野は、症状がデータで測れないことが非常に多いのが特徴でもあります。
咳の代表的な原因である喘息は、採血やレントゲンでは異常が見られないのが普通ですし、喘息の診断に有効な呼気一酸化窒素試験でも数字が上がってこない喘息は山ほどあります。

データとして何も出ていなくても、実際症状がある場合、診断は困難を極めます。
こんな時、やはり医師としての経験に基づく「直感」が診断に結び付くことも、まだまだあるものなのです。

私もどうしても診断に迷ったときにチャッピー(→chatGPTのことね)に聞いてみることもあるのですが、結局自分の直感と合わないなって感じた場合、結果的にはAIの診断より自分の直感が当たっていたということの方が多いものです。


それに医学は「必ず答えがある」学問ではありません。

数年前まではどうにも治療できなかった「難治性の咳」の原因も、そのメカニズムがこの数年で解き明かされました。
でもおそらく、まだわかっていない咳の原因も、おそらくはまだたくさん残っています。

そのような「答えのない」状況でも、人間の医師はより患者さんにとって「ベター」な状態を目指して、患者さんと相談しながら方針を立てていきます。

そのような「マニュアル」的な対応は、まだAIには難しいところでしょう。


人間の医師しかできないこと

現時点のAIは、やはり典型的ではないインプットに答えられるだけの臨床推理はまだ難しいのなと思っています(あくまで「世間に公表されている集合知のまとめ」というそのAIの性格上、それは仕方がないことなんじゃないかと思っています)。


やはり、そこをカバーする「人と人の関係」が、正しい診断にはとても大事だったんだということを、これだけ進化した今の時代のAIを使って思いました。

そうした“人と人との間に生まれる気づき”は、どれほどAIが進歩しても廃れるものではないものだと日々感じています。

逆に言えば、今後そのような関係性を築こうとしない医師は、AIに取って代わられる存在となりうるわけです。
そのような医師は、そう遠くない未来に、AIに駆逐されてしまうのでしょう。

私たちは常にそのことを肝に銘じておかなければならないと思っています。



「平塚」でも大切にしたいこと

当院はこれまでも、気軽に立ち寄って、話していきたいと思っていただける雰囲気を大切にしてきました。

「こんなことで来ていいのかな」と迷われている方にも、気兼ねなく来ていただけるクリニックでありたいと、ずっと思っています(そういいながらも予約が取りづらくなってしまっていることが大変心苦しいのですが・・・)。

今回の平塚の新クリニックの設立も、そのようなコンセプトをより広げ、より多くの方に頼ってほしいとの思いで動き出したプロジェクトです。


そのような中で、患者さんとの濃密なやりとりを通して問題を解決するという姿勢が幸いにも周りに伝わっていたことが、ひょっとしたら今回の紹介につながったのかな、なんて考えています。


人とAIが「最高のコラボ」をするために

AIなどの新しい技術は、医療に限らず、社会のいろいろな面を支えてくれる大切な存在になるでしょう。

ただ、それを一番メリットの大きい形で使いこなすのは、やはり人の役割、人と人とのコミュニケーションなのだと思います。

技術だけでも、人の気持ちだけでも十分ではなく、その二つがうまくコラボレーションすると、最も良いものが生まれる ーーー

それの最たる分野が医療だと思っています。


記事はこちらからどうぞ ↓↓
ウォール・ストリート・ジャーナル
ただし英語版となりますので、日本語訳も用意して頂きました。


日本語訳はこちらからどうぞ!

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2025.11.16更新

発熱・感染症外来が爆発中です。

ここしばらく、本ブログの中でも触れていた「今年のインフルエンザのピークが1~2ヵ月前倒しでやってきそう」という予想が現実のものとなってしまいました。

11月11日に、茅ヶ崎市のインフルエンザ患者数が、1医療施設当たり33.0人/週と、警報の基準となる30人/週を超え、茅ヶ崎市にも警報が発令されました。
茅ヶ崎の小中学校でも、今週1週間で1学年の学年閉鎖、31クラスの学級閉鎖と、一気に増えています。

インフルエンザ流行2025

神奈川県衛生研究所HP11/14発表より。
こちらは神奈川県のグラフですが、神奈川県全体でも36.6人/週と、全県で増加しています。


そんな中、もともと喘息を持たれた方が、インフルエンザなどの感染症をきっかけに悪化してご相談にお越しになるケースが非常に多くなっております。

実際今の時期は、発熱、感染症外来に加えて、内科・呼吸器外来にも、多くの方が訪れるようになっています(この土曜日は、発熱感染症外来を除いても、半日で18名もの新患の方がいらっしゃいました)。

また当院におかかりつけの方の予約外受診の方も増えてきており、本当に喘息の方にとっては怖いシーズンになってきているようです。


でも、インフルエンザと喘息って、別の病気ですよね?
なんで喘息とは違うインフルエンザの感染で、喘息が悪くなってしまうか、あまり詳しくは考えたことのない方も少なくないのではないでしょうか?

そこで今回は、「なぜ喘息が、インフルエンザなどの呼吸器感染症によって悪化してしまうのか」、そのメカニズムに迫ってみようと思います。

 

まず、インフルエンザ感染でも起きる「炎症」とは?


インフルエンザウイルスなどの呼吸器系ウイルスは、感染している方の飛沫(つばや痰、鼻水など)の中に含まれ、鼻や喉を入り口として、気管支の粘膜細胞から侵入します。

ウイルスが侵入すると、体は「敵が来た!」と判断し、ウイルスを排除すべく、免疫システムを発動させ、闘モードに入ります。
喘息とインフルエンザ

戦闘モードに入ると分泌されるのが、インターフェロン、IL-6、IL-8、TNF-α などの「炎症性サイトカイン」と呼ばれる物質です。

炎症性サイトカインが働くと、体温が上がり、感染部位に闘う細胞が呼び寄せられ、そしてそこに細胞を運ぶ血管も拡張します。
これを「炎症」と呼ぶのですが、炎症は本来、ウイルスと闘うための「戦場」となる環境を、守る体にとって有利にするための反応です(体温が高ければ闘う細胞は活性化しますし、細胞が集まりやすければその分闘いも有利に進められます)。



体にとって感染したときの炎症反応は、ウイルスと闘うための大事な反応なのですが、これによって体の辛い症状を引き起こすことも事実です(熱、だるさ、痛みなども炎症から引き起こされます)。

基本的にインフルエンザなどの呼吸器系ウイルス感染症では、これらの炎症を和らげながら、体の免疫反応がウイルスを追い出してくれるのを待つという治療戦略になります(もちろんウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」も、インフルエンザやコロナでは使うことができます)。


喘息では、この「炎症」が過剰に強くなりやすい・・・

ところが、喘息の人ではこの炎症反応が過剰に強く起こってしまいます。
喘息とインフルエンザ
もともと喘息という病気は、症状がないときでも、炎症を引き起こす「好酸球」や「リンパ球」が気道に集まりやすい状態となる病気です。
ですので、喘息の場合、気道そのものが、常に「炎症を起こしやすい状態」になっています。

また喘息の状態で感染症が起きると、炎症性サイトカインの作られる量が病気のない方よりも多いという特性があります。

加えて、アレルギー反応もこれらの炎症性サイトカインによってより強まることもわかっています。

気道に強い炎症が起こると、気管支が腫れあがってしまい、かつ過敏になってしまうため、気道が狭くなり、また咳がとても出やすい状態になってしまうというわけです。


痰が増え、気道が詰まりやすい状態に

また、気管支に炎症が起こると、気管支粘膜から痰が分泌されます。

本来、痰は異物を外に追い出すためのものなのですが、痰が多くなると気管支の中にたまっていき、空気の通り道を塞いでしまいます。

また喘息の時に分泌される痰はとても粘っこく、気道にこびりつきます(あまりにもひどいと、栓のような状態となり気道を完全にふさいでしまいます)。

喘息とインフルエンザ

気道がもともと狭くなってしまったところに、さらに硬く、粘っこい痰が細くなってしまった気道の通り道を塞いでしまうので、ほんの少し痰の分泌が増えるだけで息苦しさが急に強くなってしまうのです。


気道を覆う繊毛にもダメージが

気管支の内側には「繊毛(せんもう)」という細かい毛がびっしり生えています。
繊毛は、気道にとっての異物を捕らえ、外へ押し出す“ベルトコンベアー”のような役割を持っています。

ところが、インフルエンザやコロナなどの呼吸器系ウイルスは、この繊毛上皮を直接破壊してしまいます。
喘息とインフルエンザ

繊毛が傷むと、痰がうまく外へ出せなくなって気道にたまってしまうため、呼吸のしにくい状態がなかなか改善しません。

また、異物が気管支に残り続けてしまうため、気管支の炎症も続いたままとなってしまい、気管支の壁の炎症、むくみがなかなか良くならず、咳やゼイゼイ、ヒューヒューといった呼吸が続いてしまうといった悪循環が起きます。

つまりウイルス感染は、喘息にとって「気道の掃除機能が働かなくなる」状態であり、症状が長引く理由のひとつとなるわけです。


自律神経のバランスが崩れてしまう

ウイルスに感染すると、気道にある「上皮細胞」がはがれてしまい、そのすぐ下にある神経が表面に露出してしまいます。
すると、そのすぐ下にある神経が表面に露出してしまい、刺激されやすくなります。


その刺激が迷走神経を介して脳に伝わると、「迷走神経反射」という反応が活性化されます。

「迷走神経反射」は、自律神経の副交感神経系の反射で、この反応によって、気管支の筋肉には「アセチルコリン」という物質が放出されます。

アセチルコリン

この「アセチルコリン」は、気道収縮を強く起こしてしまう物質であるため、気管支がさらに縮み続けるという現象が起きてしまいます(この「アセチルコリン」の働きを弱めるのが、「抗コリン薬」という薬で、テリルジー、エナジア、スピリーバなどといった吸入薬に含まれている、喘息治療でも重要な位置を占める薬です)。


気道が“修復モード”に入っても、しばらく過敏なまま残る

ウイルス感染そのものが治っても、気管支粘膜はすぐには元通りになりません。

先ほどお話しした、剥がれた「上皮細胞」が再び再生するまで、ある程度の時間が必要です。
その間はしばらく神経への刺激が続いてしまいます。

喘息とインフルエンザ


また感染後は、神経を直接刺激する物質(プロスタグランジン、ブラジキニン、ヒスタミンなど)も多く分泌され、神経が過敏状態となりますが、この「敏感にチューニング」された状態が、ウイルスがなくなった後もしばらく続きます。

そのため、冷気や深呼吸、笑ったり話したりというちょっとした刺激で咳が出るという、「神経の感作」が起こり続けるのです。

「風邪は治ったのに咳が続く」という状況は、まさにこの仕組みから起こります。

 

結局、感染症は喘息にとって“最もやっかいな敵”

アレルギーや気温差、運動など、喘息を悪化させる要因はいくつもありますが、やはり一番喘息を悪化させやすいのはウイルス感染であることが、多くの研究で確認されています。

特にインフルエンザは、ウイルス感染の中でも炎症が強く起こりやすいウイルスで、これらの反応もより強く出てくる傾向にあります。

この時期はインフルエンザにかかるリスクもとても高いため、インフルエンザ感染は喘息悪化の最大なリスクと言っても過言ではないのです。


普段からのしっかりしたコントロールが超大事!

その対策としては、まずは喘息の炎症を普段からしっかり抑え込むことです。

喘息の炎症の種火が残っていると、いざインフルエンザに感染した時に簡単に燃え広がってしまいます。

「症状のある時だけ治療をする」「症状は残っているけど、まだ我慢できる程度なのでそれ以上の治療をされていない」など、炎症の種火を残している状態を作らないことが重要です(喘息のコントロールについてはこちらの記事 2022.4.20 「喘息って火事!? ~「炎症」と「延焼」をかけてみました~」もご覧ください)。

喘息治療の目標は「トータルコントロール」という、完全に症状がなくなる状態を続けられることですので、そのように治療を続けていくことが、いざ感染した時でも喘息悪化を起こさせない、とても大事な要素となります。


ワクチン接種」もお忘れなく!

そしてワクチン接種も大事です。

ワクチンは感染→発症そのもののリスクも減らすことができますが(こちらのブログ 2025.1.1「インフルエンザワクチンって効果あるの? ~論文の読み方からも考えてみよう~」も参照!)、喘息など呼吸器系の病気を持っている方は、いざ感染してしまった後にそのウイルスが増殖しすぎないという面も大事です。

ウイルスの増殖によって炎症は大きく悪化してしまうので、その増殖を抑える手段としてのワクチンが有用であるのは、データからみても、普段の診療の肌感覚から見ても、やはり間違いはないと思います。

かなりタイミングは遅くなってきてしまってはいますが、まだ接種できていない喘息の方は、今からでもしっかりワクチン接種して、しっかりと対策をしていただければと思っております!


お知らせ

①11月15日より、当院にまた強力な仲間が加わってくれました。

佐々木昌博医師の内科、呼吸器科診療が開始となりました。

佐々木昌博

 

佐々木医師秋田大学医学部、横浜市立大学で呼吸器内科学教室の准教授を歴任され、専門分野である慢性咳嗽で長年臨床、研究の最前線に立っておられた先生です。
私の学生時代の指導教官でもあり、私を呼吸器内科の道に導いてくれた恩師でもあります。

 

今回長年のオファーが実り、当院でその豊富な経験を活かしていただくことが叶いました。

 

土曜日は院長、福田医師、佐々木医師による3診体制となります。

 

土曜日は受診ご希望の方が非常に多く、予約が取りづらくなっていることで皆様にはご迷惑をおかけしておりましたが、佐々木医師の加入で診療枠が充実したため、今後はご予約がお取り頂きやすく、また待ち時間も短くできそうです。

ぜひ土曜日の診察もご利用ください!

 

 

➁平塚の新クリニックの工事がいよいよ始まりました。

現在は建物の空調、防災設備などの工事を行いながら、今後の内装の基礎となる「墨出し」という工程を行っているところです。

平塚内科と呼吸のクリニック

平塚内科と呼吸のクリニック

平塚内科と呼吸のクリニック

平塚内科と呼吸のクリニック

平塚内科と呼吸のクリニック 

平塚内科と呼吸のクリニック

今後、内装の本格的な工事も始まります。

工事の状況も引き続きHPや下記のinstagramなどで発信していきます。


③当院のinstagramがリニューアルされました!

先月から当院の公式instagramが新たな体制となり、内容もリニューアルされました。

今後は更新頻度も上げて、動画コンテンツなども積極的に発信する予定です。

是非フォローをよろしくお願いします!

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

2025.11.07更新

11月になって、予想通り、インフルエンザ流行の爆発の予兆が見えています・・・

市内の学校でも、学級閉鎖が増えてきており、当院の発熱・感染症外来も、ここ2~3週間で明らかに受診ご希望の方が増えるようになりました。

今年のインフルエンザ流行は、例年より1~2カ月早い状況です。
いつもの年末年始が今の状態です。

インフルエンザ流行

神奈川県衛生研究所HPより改変

 

ワクチンの予防接種も、2ヵ月前倒しで考える必要があり、もはや今接種しておかないともう間に合わない状況になりつつあります。

当院では、午後接種の場合は予約なしでふらっとご来院頂いて接種できる体制にしておりますが、この状況に対応するため、経鼻インフルエンザワクチン「フルミスト」も、注射のワクチン同様、接種の予約システムを撤廃し、午後はふらっとご来院頂いて接種できる体制になりました。

経鼻、注射ともに午前中の接種を希望される場合はご予約をお願いします(診察と同時なら午前、午後いずれもご予約は不要です)

さて、そのような対策を打っても、周りの流行が著しいときは残念ながら感染してしまうことも少なくありません(もちろんワクチンを打っていれば、ウイルスの増殖が抑えられて症状が軽く済むことも少なくありません)。

インフルエンザ感染

この時期、発熱、喉の痛み、突然の咳など、何かしらの風邪症状が疑われる場合は、インフルエンザであるかどうかの判断を早期にすることがとても大事になります。
そして、インフルエンザの感染を診断する時に行う代表的な検査が「インフルエンザ迅速抗原検査」です。


そこで今回は、その判断をするための強力な武器、「インフルエンザ抗原迅速検査」について、お話ししてみようと思います。

 


ウイルスの構造と免疫の仕組み

「インフルエンザ迅速抗原検査」とはなんぞや?というのを知るために、まずはインフルエンザウイルスの構造、それに免疫の仕組みを知ることから始めてみましょう。

インフルエンザウイルス構造

インフルエンザウイルスの表面にはタンパク質でできている突起物がついています。
これらはウイルスに特有の構造であり、私たちの体から見ると「異物」です。

体は免疫反応でこの異物を検知して排除しようとするわけですが、この排除すべき異物を、免疫の世界では「抗原」と呼びます。

一方、異物を排除するために、体が作る武器が「抗体」です。

抗体は抗原と結びつくことで、様々な方法で抗原の毒性を無力化する「抗原抗体反応」によって、最終的にウイルスを排除できるというわけです。


抗原検査ってどういう原理?

インフルエンザ迅速検査は、この「抗原抗体反応」を利用した検査です。

まずは簡単な模式図を書きましたので、下の文と一緒にご覧ください。

インフルエンザ検査

まずは鼻やのどの粘膜を綿棒でこすり、ウイルスを含む分泌液(検体)を採取します。
インフルエンザに感染していると、この検体の中にウイルスが含まれます。

綿棒を専用の液に入れてよく混ぜると、ウイルスが壊れ、ウイルスの表面にある抗原が、抽出液の中に溶け出します。

さて、検査カートリッジには、セルロース膜という、紙に似た素材が使われており、膜の途中には、抗体が「金コロイド」という粒子と結合して塗られています(金コロイドが目印の役割をしているため、これを「標識抗体」と呼びます)。

この「標識抗体」は、インフルエンザの抗原とピタッとくっつく性質を持っています。

抽出液をテストカートリッジに垂らすと、液はセルロース膜に浸み込んでいきます。
液の中にインフルエンザウイルスの抗原があれば、液が浸み込んでいく過程で抗原がこの標識抗体とくっつき、液と一緒に浸み込んで移動していきます。

セルロース膜の先端には、膜上に「キャプチャー抗体」が線状に塗られています。
くっついているインフルエンザ抗原と標識抗体が浸み込みながらここまで流れ着くと、インフルエンザ抗原はここにある「キャプチャー抗体」ともくっつき、ひとつの大きな複合体となります。

この状態になると、標識としてくっついている金コロイドが赤く発色し、線として目に見えるようになるのです。

一方インフルエンザの抗原がなければ、このキャプチャー抗体とくっつくこともないので、標識抗体はキャプチャー抗体をスルーし、線が出ないというわけです。


検査の解釈には気を付けるべき注意点が

この検査は陽性か陰性か、結果が2つしかないので、一見単純にも見えます。

しかし、この検査を行ったときの、結果の解釈には大きな注意点があります。
ここからは検査の解釈について、その気を付けるべき点をお話ししてみたいと思います。


発熱からすぐは陽性になりにくい。でも・・・

この仕組みの特性でもあるのですが、この検査は、ウイルスの量(つまり抗原の量)がある程度多くならないと、線が出るほどの反応が起きません。

陰性

インフルエンザは、感染した後、症状が出た後もしばらくウイルスの増殖が続きます。

インフルエンザにかかってから発熱後12時間以内では、まだウイルスが十分に増えておらず、陰性になってしまうことがよくあります。
逆に、発熱から半日〜1日たつと陽性になりやすくなります。

そのため、あまりに早いタイミングでの検査は正確性が下がってしまうことは知っておくとよいでしょう。

しかし、だからと言って、「陽性になるためにわざと受診を遅らせる」というのはよろしくありません。

治療は早く始めたほうが効果は高いわけです。
検査の結果が診断の全てと考えてはいけないのです。

次はそのことに触れてみましょう。


検査の「感度」と「特異度」

人間の体に行うすべての検査は、病気をすべて陽性として拾い上げ、病気でない状態をすべて陰性と出せる検査は残念ながら存在しません。

そのため、検査は「感度」「特異度」という指標で、その正確性を表現します。

この「感度」と「特異度」は、やや話が複雑なので、詳しくはこちらのブログ「2020.2.29 「検査」を正しく理解するには ~ 難しいけどなるべくわかりやすくしてみます ~をご覧ください。

カンタンにまとめると、「感度」とは、感染している人を正しく“陽性”と判断できる割合「特異度」とは、感染していない人を正しく“陰性”と判断できる割合となります。

これをもう少しわかりやすく言い換えてみます。

「特異度」が高い場合、感染していない人を、ほぼ正しく(-)と出すことができます。
逆に言えば感染していない人を(+)と出すことはほぼありません。

つまり、(+)と出れば、感染していると確実に言えるということになります。


一方「感度」が高い場合、感染している人を、ほぼ正しく(+)と出すことができます。
逆に言えば感染している人を(-)と出すことはほぼありません。

つまり、(-)と出れば、感染していないと確実に言えるということになるというわけです。


抗原検査は、感染者を見逃す可能性がある検査

さて、インフルエンザ抗原検査では、感度はおよそ60%、特異度はほぼ99%とされており「特異度」がとても高い検査です。

言い換えると、この検査で(+)と出れば、インフルエンザに感染していることはほぼ間違いないと言っていいわけです。

一方、この検査で(-)と出た場合はどうでしょう。

感度が60%ということは、感染している人のうちの60%しか(+)と出せません。

つまり感染している人の4割は見逃す可能性があるということです。

インフルエンザ検査


ここからちょっと難しい話を

ただ、話はもっと複雑です。

検査は、誰にやっても同じように結果が出る訳ではありません。
当たり前の話ですが、症状がある人は(+)になる可能性は高いですし、症状がない人は(-)になる可能性が高いです。

実際の臨床現場では「その状況がどれだけインフルエンザ“っぽいか”(もしくは“っぽくないか“)」という「事前確率」が重要になります。

そこには「尤度比」という指標を使うのですが、ここは詳しく説明するととんでもなく複雑で長くなりそうなので、はしょりながらも独り言として今からぶつぶつしゃべります。

「尤度比」は「陽性尤度比」「陰性尤度比」があり、これらは以下の式で求めます。

陽性尤度比=(感度)/(1-特異度)
陰性尤度比=(1-感度)/(特異度)

この意味合いは

陽性尤度比:病気でない人に比べて、病気の人は、何倍(+)になりやすいか?
陰性尤度比:病気でない人に比べて、病気の人は、何倍(-)になりやすいか?
という指標です。

一般的に陽性尤度比が10以上であれば、確定診断に優れ、陰性尤度比が0.1以下であれば除外診断に優れる検査と言えます。

インフルエンザの抗原検査の場合、上の数字(感度60%、特異度99%)を使うと、陽性尤度比は60、陰性尤度比は0.4になります。

つまり抗原検査はやはり「確定診断」に優れた検査であると言えるわけです。

また、
検査前のオッズ×尤度比=検査後のオッズ

という式が成り立ちます(これを「ベイズの定理」と言います)。

オッズとは、(病気の確率)/1-(病気の確率)という数値で、病気の確率が25%なら0.25/(1-0.25)=0.25/0.75≒0.33、病気の確率が80%なら0.80/(1-0.80)=0.8/0.2=4となります。

もし、検査前の確率が25%なら、先ほどの式からオッズは0.33。すると、もし検査で陰性なら陰性尤度比は0.4なので
0.33×0.4≒0.13
つまり、0.12/(1-0.12)がおおよそ0.13となるので、12%の確率でインフルエンザ、すなわち88%の確率でインフルエンザではないと言えます。

一方、検査前の確率が80%なら、オッズは4。すると、もし検査で陰性なら陰性尤度比は0.4なので
4×0.4=1.6
となり、0.62/(1-0.62)がおおよそ1.6となるので、すなわち検査では陰性にも関わらず、62%の確率でインフルエンザの可能性が残ってしまったと言えるわけです。

つぶやき終わり!


検査前に「インフルっぽいか」を見極めろ!

つまり、何が言いたいのかというと・・・

「検査前に、インフルエンザである確率がどれくらいありそうか」というのを見極めることが、検査の解釈の精度を上げるにはとても大事なのです。

つまり「この状態はたぶんインフルエンザじゃないだろうな」と思ったら、検査で(-)の結果を予想して検査するわけです。
そして実際(-)なら、インフルエンザ以外の原因だと言いやすくなるということです。

一方「この状態はたぶんインフルエンザだろうな」と思ったときに検査で(-)の結果が出ても、インフルエンザを否定するには不十分ということになり、結局インフルエンザは否定しきれない、つまり、検査が(-)でも、インフルエンザの診断にすることはあり得るということです。

(これはこの検査が感度がいまいちな検査だからです。特異度はめちゃくちゃいいので、インフルエンザっぽいときはもちろん、インフルエンザっぽくなくても、(+)なら、その見立ては大きく覆り、おそらくインフルエンザと言い切っていいということになります)。


検査結果をしっかり解釈するには

これが、私たち医師が行う診察の重要性ということになります。

つまり、流行状況、周りの状況、感染リスク、症状の特徴、身体に現れる所見などで、「検査前の確率」をしっかり見極めることが、正しい診断、適切な治療に大きく影響するということになるわけです。

ですので、やはり確度高く、確実に治療を成功させるためには、このことをしっかり理解している医療機関で診療を受けて頂きたいところです。


今後年末にかけて、感染リスクはおそらく急上昇します。
(当院もできる限りの対応はしておりますが)感染状況がひっ迫すると、医療機関もなかなか受診しにくくなってしまいます。


まずは早めのワクチン接種で、しっかりと予防対策を!

そして体の異変が出た時は、できるだけ早めに私たちなど医療機関にご相談ください!



さいごにお知らせ!

先日の「エクセレントドクター」に続き、今度は株式会社WeBridgeさんが運営されているWebメディア「医師道」に、私のインタビュー記事が掲載されました。
私がこのクリニックを継承するまでの経緯や、今抱く診療への想い、今後の展望などについてお話ししています。
ご興味のある方は、ぜひご一読を!

▼ インタビュー記事はこちら

▼ 本企画の運営元
運営元:株式会社WeBridge
HP:https://webridge.co.jp/

投稿者: 茅ヶ崎・平塚 内科と呼吸のクリニック 理事長 浅井偉信

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