呼吸器・アレルギー疾患
気管支喘息・咳喘息(ぜんそく)
気管支喘息は正しい治療を続ければ、
必ず症状を抑えられたり、和らげたりすることが出来ます。
しっかりと治療を行い、生活の質を上げて快適に過ごしましょう!
どんな病気?
気管支喘息では、さまざまな原因で空気の通り道である気管支が敏感になり、その結果気管支の壁に炎症が起きてしまいます。
気管支の壁が炎症をきたすと、壁がぶ厚くなります。そうすると空気の通り道は狭くなってしまいます。
そうすると特に息を吐くときに、狭くなった気管支を空気が通りづらくなり、笛のような「ヒューヒュー」とした音がなるわけです。また気管支が敏感になることで、咳が長く続いてしまったりもします。
一方咳喘息は、同じように気道に炎症がおきますが、気管支が極端に狭くならないためにヒューヒューなったりはしない状態のことです。
気管支は敏感な状態なので、やはり咳が続きます。
気管支喘息の一歩手前の状態と言われていますが、放っておくと気管支喘息になってしまいやすい状態でもあります。
原因はなに?
原因として多いのは花粉、ダニやハウスダストなどによるアレルギーですが、免疫の異常やこどもの時の環境など、いろいろな要素が関与しているといわれています。
また遺伝性もあり、血縁者に喘息の方がいる場合は喘息を発症しやすいことがわかっています。
どのように診断するの?
一般的に喘息は長期間続く咳がきっかけで診断されることが多いのですが、同様の症状を来す病気は他にもたくさんあります。
そのため喘息と言われたけども実は喘息ではなかった、もしくは喘息とは言われたことがなかったけど本当は喘息の症状だった、という方が多くいらっしゃるのが現状です。
そのため、喘息の診断には詳しい問診が不可欠となります。症状のきっかけや症状の出かた、今までの病気やご家族の病気など、多岐にわたるお話を伺い、喘息の可能性が高いかどうかを考えることが必要になってきます。
そのうえで様々な検査を駆使して、より正確な診断に近づけていきます。
当院では胸部レントゲン検査、採血によるアレルゲン検査のみならず、可逆性試験を含めた呼吸機能検査(スパイログラム)、呼気一酸化窒素濃度(NO)測定検査、モストグラフィーが施行でき、総合病院と同等かそれ以上の検査能力を備えています。
どうやって治療するの?
現在の喘息の治療は吸入薬が中心となっており、その中でも吸入ステロイドというお薬が一番大事な治療薬となります.
このお薬は「長期管理薬」と呼ばれる吸入薬で、毎日定期的に使用することで喘息の長期的なコントロールを行うことが出来る薬剤です。
つい20年ほど前までは、毎年喘息により6000~7000人くらいの方が命を落としていましたが、気道の炎症を直接抑えられる吸入ステロイド薬の登場で状況は一変しました。
これにより喘息でなくなる方は年間1500人を割るところまで来ています(とはいえ、やはり今でも毎年1500人は亡くなってしまう怖い病気であるともいえます)。
吸入ステロイドは飲み薬や注射のステロイドとは違い、量が極めて少ないうえに血液中にもほとんど取り込まれないため、全身に起こる副作用はほぼ生じません。
国内でも海外でも、今の成人喘息治療のガイドラインでは、基本的にすべての喘息患者さんに吸入ステロイドによる治療が必要であるとされています(こどもはこの限りではありません)。
またβ2刺激薬,抗コリン薬気管支拡張薬という吸入薬も有効であり,β2刺激薬はステロイド薬と合わさって一つになっている吸入薬がありますので、手間を増やさずに治療を強化することが出来ます。
その他抗アレルギー薬や、内服や貼り薬の気管支拡張薬、気管支喘息の型や合併症によっては抗菌薬の少量持続投与など、それでも治まらない場合はやむを得ず内服ステロイド薬を併用することもあります。
重症喘息にはアレルギー反応を直接遮断する「生物学的製剤」という薬剤を定期的に注射で投与する治療法もあり、当院でも行うことが出来ます。
発作が起こったら?
長期管理薬であるステロイド吸入薬によって喘息の治療をしっかりと行うと、発作の頻度は激減します。
まずはしっかりと普段の治療を続けていただくことが大事ですが、それでも季節、天候の変化や風邪をひいた時、環境が変わった時など、発作を起こすことはあり得ます。
発作が起こった際には発作治療薬を吸入していただくことが大事です。
これにより一時的に症状は楽になります。ただしこの吸入薬の効果持続時間は2~3時間程度で、長い時間の効果が期待できませんので、長期管理薬である吸入ステロイドの代わりにはなり得ません。
また多く使いすぎてしまうと心臓に負担がかかったりするため、指示された回数を使用しても改善しない場合は医療機関での治療が必要です。
医療機関では気管支拡張薬のネブライザー投与、点滴や内服のステロイド薬などで対処します。
当院でもネブライザー治療、各種点滴治療が可能ですので、症状が出現した際は他院で治療されている場合、継続的な治療をされていない場合も含め、とにかく早めに、気兼ねなく当院にお越しください。
(追記:新型コロナウイルスのまん延リスクがあるため、感染リスクが高い期間は極力ネブライザー治療は行わないことが日本アレルギー学会から推奨されており、当院も指針に従って治療を継続しております。)
茅ヶ崎内科と呼吸のクリニックでは何ができるの?
当院では症状に応じて、適切な強さの薬剤をオーダーメイドで組み合わせることにより、最大の治療効果を発揮できるようにしております。
その治療におけるオプションの多さが、当院の喘息治療で最も自負できる分野の一つです。
喘息は治療をしない場合、症状がなくても炎症が常にくすぶっていますので、何かをきっかけに発作を引き起こしたり、徐々に治りにくくなったりします。
当院では治療により症状が改善したら、徐々に薬の量を減らしていき、症状が出ない最低用量まで下げて良好な維持を続けることを目標としています。
また症状が悪化しそうな時期はあらかじめ治療強度を前もって上げるなどの対策をするなど、呼吸器専門医、アレルギー専門医ならではのきめ細かい調整を行うことで、症状の悪化をなるべく起こさせないように工夫しています。
また吸入薬は薬の内容もさることながら、その使用方法が非常に大事になります。
いくらいい薬でも肺に届かなければ全く効果がありません。
当院では新規に吸入薬を処方するすべての方に、原則院長による「吸入方法のレクチャー」を実施しております。
これにより吸入薬の正しい使用法をお伝えするとともに、より治療効果を上げるコツ、副作用をできるだけ軽減する方法などをお伝えしております。
これらの吸入指導、吸入支援の中で薬がうまく使用できていないと判断される場合は、補助器具の提供や吸入薬の変更の提案も行います。
基本的には院長より吸入支援をさせて頂いておりますが、必要に応じて各薬局とも細やかに連携をとれる体制を整えています(当院院長は2018年に「茅ヶ崎寒川吸入支援ネットワーク」を立ち上げて、総合病院の呼吸器内科や、病院・町の薬局の薬剤師と連携をとるシステムを構築し、現在も積極的に活動を行っています)。
吸入薬を始めとする治療法や病気に関する疑問点、不安点がございましたら、なんでも結構ですのでお気軽にお聞きください!
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なお当院では原則9歳以上の方を対象としております。
ただしそれ以下の年齢の方に関しても、病態によっては診療が可能な場合がございますので、お電話やメールにてお問い合わせください。
幼児など、小さなお子様の喘息に関しては大人と治療法が多少異なる点があります。このような場合は小児科を受診いただくことをお勧めいたします。
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タービュヘイラー報告書
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エアロゾル報告書
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