医師ブログ

2024.06.01更新

当院の「お正月」は6月1日です。

私がこのクリニックを正式に引き継いだのが2020年6月1日でした。
そこから丸4年が経過し、今日から5年目が始まりました。

引き継いだ時はコロナ真っ只中、初日の午後はたったの4人しか患者さんお越しにならず、真っ暗な嵐の海に一人っきりで投げ出されたような気持ちだったものでしたが、おかげ様でその後はご来院頂く皆様のご愛顧に預かり、スタッフの仲間にも支えられて、ここまで頑張ることができています。

皆様、本当にありがとうございます。


この4年間の間に、他に先んじて発熱・感染症外来を積極的に開き、「今」の時代にあったクリニックにするための大改装を決行し、またコロナなどのワクチン接種も行いながら、当院の根幹である、咳などの呼吸器症状にお困りの患者さんのお受け入れを続けてきました。

時代は変わりアフターコロナとなりましたが、それでもコロナ後遺症の咳の方は増え続けています。
今は市外に限らず、県外から、時には新幹線や飛行機でお越しになる患者さんもいらっしゃるなど、患者さんのご期待にプレッシャーを感じつつも、自分たちが必要とされることのやりがいを大いに感じる仕事をさせてもらっています。

当院には今も様々な新たな構想があります。今年もいろいろな動きを予定しています。


また今後ともよろしくお願い致します!

という訳で、今回は前回の続き、当院を皆様にお知り頂いている一番の原動力である「医師ブログ」の閲覧者数ランキング2023-2024の後半をお送りしたいと思います。

それではLet's get it on!

第5位(ユーザー数 56,818人)
コロナと喘息について、今わかってきたこと(2021年1月版)

コロナが始まって1年くらいたったころの記事です。
2020年4月に「新型コロナウイルス流行期に、喘息の方に知っておいてほしいこと」という記事を書きましたが、いろいろなことがその後明らかになり、それをお出しした「アップデート版」の位置づけになります。

ここでの重要ポイントは「喘息が“コロナの重症因子“にはならない」が、「コロナが”喘息の悪化因子“にはなりえる」ということです。

この見解は3年たった現在でもあまり変わりはないようですが、この記事を載せてから3年以上たった今でも、5万人以上の方にこの記事をお読みいただいていること、今でもコロナ感染をきっかけとした喘息悪化の方が非常に多くいらっしゃり、そして症状がなかなか治らずにお困りの方からお問い合わせを頂くケースも絶える気配が全くないこともあり、そろそろ最新の再アップデート版でも書いてみようかなと思っています。


第4位(ユーザー数 62,294人)
吸入薬の落とし穴 <エリプタ編>

当院は半数以上の方が気管支喘息です。

喘息の基本薬はステロイドの吸入薬ですが、その中でも1日1回で済むお薬は非常に続けやすく、当院でも重宝しています。

1日1回で済むステロイドを含む吸入薬の中で、レルベア、テリルジー、アニュイティなどというお薬が、「エリプタ」という吸入器具を用いて使用する薬剤で、国内でのシェアも非常に高くなっています。

「開けて→吸って→おしまい」という、一見とても簡単な吸入薬なのですが、世の中そんなに甘くない。

この吸入器具は、私の経験上、しっかりとした正しい指導なく、うまく使いこなすことが、限りなく難しい吸入なのです(うまく吸えたかどうかが自分ではわからないところがこの薬の最大の欠点だと思っています)。

このブログでは、そんな「エリプタ」の落とし穴を執筆したものとなるのですが、おそらく多くの方がこの「エリプタ」を使用していただいているので、皆様の目に留まったのかなと思います。

ただどうしてもブログなど、文章でお伝えするには限界があり、一番は対面でお伝えすることです。
もしお聞きできる環境なら、今の使い方について、是非主治医の先生や薬剤師の先生に相談してみることをお勧めします。
新しい発見があること請け合いです!


第3位(ユーザー数 64,829人)
パルスオキシメータについて ~使用する際の注意点~

第2位(ユーザー数 142,298人)
パルスオキシメータについて ~酸素飽和度ってなに?~

パルスオキシメータの連載記事が2位、3位を占めました。

コロナ禍の前は医療機関にしかなかった、指の爪などに挟んで酸素飽和度を測定するパルスオキシメータ、今ではかなり多くの方が自宅に所有する時代となりました。
(正確性はまだかもしれませんが)スマートウォッチでも酸素飽和度が測れる事態になりました。

5年でとんでもない時代になったものです。

そんな酸素飽和度ですが、血圧や脈拍など、世の中の一般の方に広く定着している数字とは異なり、まだ世に広がって間もない数字でもあるため、詳しく知りたいと思っていらっしゃる方が非常に多い概念です。

また、パルスオキシメータも正しく使わないと正しい数字が出なかったり、世に出回っているパルスオキシメータも質が様々で、正しく測っても数字が低く出てしまったりで、その数字を見た方が驚いて検索されるというパターンも良くあるようです・・・

正しく使用していただくと、病気になったときにとても役に立つ機械ですし、普段の健康管理にも実は有用です。
もしお持ちの方がいらっしゃいましたら、是非ご一読ください!


第1位(ユーザー数 692,884人)
コロナの後に続く咳・・・なぜ?どうしたらいい??

やはりこの話題が圧倒的でした。
閲覧者数も2位を5倍近く引き離す、圧倒的なユーザー数でした。

当院にも、コロナが治っているのに咳が治まらず、いくつかの医療機関を受診したにもかかわらず良くならないためにお問い合わせを頂くケースがまだまだ非常に多いです。

そしてこのブログを掲載した後は、そのお問い合わせを全国から頂くようになっています。


コロナウイルスは、今までのウイルス性上気道炎、すなわち「風邪」の中でも、特に咳が長引きやすいウイルスです。

コロナの後に咳が続く場合、その半分強は、「コロナによって悪化した“何か”による咳」です。

その“何か”は、喘息であったり、鼻炎であったり、逆流性食道炎であったりと様々なのですが、まずは、真の「コロナ後遺症」なのか、これらのような“何か”が悪化した咳なのかが判別できないと、この咳を治すことは出来ません。

そして、残った半分弱が、真の「コロナ後遺症」による咳ということになりますが、そこにもいろんなパターンがあり、コロナによる肺炎が残ってしまって止まらない咳、コロナウイルスによって神経が侵されている咳、コロナ感染後による不安感や焦燥感から出る咳、これらの「コロナ後遺症」に、先ほど挙げた“何か”が重なって治りにくくなる咳などなど、まあとにかく複雑すぎて、長引く咳の中ではフリーザ並みのラスボス感がある難しさです・・・


世の中ではすっかり過去のものとなったような空気のコロナなのですが、発熱・感染症外来では、今でもまだまだしっかりと陽性者が一定の割合で出ているのが現実です。

おそらく、このブログに対する関心が薄まっていくことはまだまだ先なのかなって思います。
やはり皆さん、かからないに越したことはないですので、せっかく覚えた基本的な対策は、この先も頭の片隅に置いて頂けたらと思います。


という訳で、この1年のブログ閲覧ランキングを2回にわたり発表してみました。

おかげさまでこの1年で、当院ホームページには170万人以上もの方にお越しいただきました(1年で日本人の1.5%の方にお越しいただいたのって、なんだか自分のとこのものじゃないみたいです・・・)。

診療やクリニック運営をおろそかにしない程度に、今後もとんがったホームページ作りにいそしんでいこうと思います!

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

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