医師ブログ

2022.05.09更新

「茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック」として新しい船出をしてから1ヶ月、おかげさまで少しずつ新名称にも慣れてきました。

当初はスタッフの言いまつがいもありましたが、最近は新名称がスムーズに出てくる様になっています。


直接電話応対をすることの少ない私が、実は一番慣れてません(笑)

 

また4月から髙倉先生の循環器専門外来が開始し、おかげさまでこの1ヶ月で、すでに多くの患者さんにご来院いただいております。

この時期、花粉症から始まった長引く咳など、咳のなかなか治らない多くの患者さんにもご来院いただいており、それは医師冥利につきますが、いよいよ院内の待合スペースに限界が来つつあります。

 

そこで今回、GWを利用して、少しだけ待合室を拡充する工事をしました。

 

入口のスロープを少し狭めて(車椅子も通れる十分なスペースは残しています)ベンチを下げ、できたスペースにテーブルでお待ちいただける待合スペースを増設しました。

玄関改装

よしできた!工事が終わってホッとしていたのですが、

 

「椅子、ないじゃん・・・」

 

スペースを作ることばっかり目を向けて、椅子を買うことを忘れてました(๑´ڡ`๑)テヘペロ♡

とりあえず院内にあるパイプ椅子をかき集めて何とか3席確保しました(あとでちゃんとした椅子、買います!)。

入口改装

このスペースでの飲食はできませんが、本を読んだり、書き物をしたり、PCなどを使って作業することもできたりするスペースです。なるべく待ち時間を少なくできるように努力しますが、貴重なお時間をお使いいただくスペースとして是非ご活用ください!

 


さて、スギ、ヒノキの花粉症の方も、ようやく症状のピークを超え、今年も一般的な花粉症シーズンは終わりを迎えつつあります。

しかし、中にはこれからの季節も花粉症シーズンが続く方がいらっしゃいます。

そして、実はこの時期に合わせて、果物などの食物を食べると口の中が痒くなったり、じんましんが出てきたりする「食物アレルギー」の症状が出てくる方がいらっしゃいます。

 

実は、一部の食物アレルギーの方には、ある花粉症と関連がある場合があります。

 

例えば、バラ科の果物、例えばモモやビワ、さくらんぼ、苺、りんご、梨など、それに豆類特に豆乳では強く出やすく、アナフィラキシーまで起こる可能性があり要注意!、ヘーゼルナッツ、セロリやニンジンなどで、喉や口のかゆみなどの症状が出たりする方の中に、カバノキ科(ハンノキ、シラカバなど)の花粉症がある方がいらっしゃいます。

この花粉には、「PR-10」というタンパク質が含まれているのですが、このタンパク質へのアレルギーを持っていると花粉症を発症します。

そして、先に挙げた食べ物にも、この「PR-10」というタンパク質が含まれているため、アレルギー症状を起こしてしまうのです。

そして、この花粉症の時期が4〜6月、つまり今頃であり、この時期に食物アレルギー反応の症状が出やすくなることも知られています。


また、ブタクサ、ヨモギ、イネ科の花粉症の方も、同様に花粉に含まれる、「プロフィリン」というタンパク質に対するアレルギーを持っている場合、ウリ科の果物など、例えばメロンやスイカ、カボチャ、きゅうりなど、それに柑橘系の果物、トマト、バナナなどにも含まれる「プロフィリン」にも反応をしてしまい、アレルギー症状を起こしてしまう例も知られています。

これらの花粉は初夏〜秋がシーズンなので、こちらもこれから気をつけるべき季節となります。

その他にも、スギやヒノキの花粉症に関連したバラ科や柑橘系果物、梅干しなどの食物アレルギーなども知られており、これらは「花粉-食物アレルギー症候群」と呼ばれ、症状をコントロールするには、花粉症の治療も正しくしっかりと行うことが大事になります。

 

 


またゴム製品に対してのアレルギー(ゴム手袋をしていると手が赤くなったり腫れたりするといったエピソードが多いです)があると、食物(特にバナナ、栗、桃、キウイ、パパイア、パイナップルなどの果物やアボカドが代表的です)アレルギーを発症してしまう「ラテックス-フルーツ症候群」という病態があったりもします。

 

これらはいずれも、一見関係なさそうな2つの症状が関係しあっている、知らないと気付かない病態です。


食物アレルギーといえば子供の方が圧倒的に多く、一般的には小児科で取り扱われることが多い病気なのですが、実は上に挙げたような病態は大人特有のものなのです。

大人の食物アレルギーを診断、治療できる医療機関が非常に少ないため、何年も原因不明として扱われてしまい、生活の質が低下したまま長年が経過するケースも少なくありません。

このような症状は、やはりアレルギー専門医にご相談されると、花粉症ともどもうまく治療できると思います(鼻の中を見たり、処置までできたりするという意味では、食物アレルギーにも非常に精通している耳鼻科の先生がベストかもしれませんが、耳鼻科的な処置までは必要なく、薬だけでよくできる程度であれば、我々の様な内科のアレルギー専門医でも大丈夫だと思います)。

手前味噌ですが、当院でも今後皮膚アレルギーテストの導入を予定しており、採血だけではわからないアレルギーの原因をより見極めることができるようになる予定です。


アレルギー診療は、原因の見極めや薬の選択、さじ加減、それに正しい薬の使い方や生活面での指導など、診療の質の違いが結果の差になって現れます。

 

なんか治りがイマイチだなあ・・・と感じる時は、是非アレルギー専門医の受診をお考えになってみてください!

 

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

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