新型コロナウイルス騒ぎがまだまだ収まらないようです。前回ブログでは今回は花粉症の続きを書こうと思っていると書きましたが、世間的にはこちらのほうが心配ごとかと思われましたので、今回は今からでも覚えていただきたい「感染対策」について書いてみようと思います。花粉症の続編については近々に再度アップしますのでお待ちください。
今回のウイルスは初期症状が普通の風邪とほとんど変わらないと言われているため、初期段階では見分けがつかず、それが世の中に大きな不安をもたらしているようです。
現時点ではまだ咳、熱があってもほとんどの場合は普通の風邪なのだとは思いますが、やはり前々回にお話ししたように普通の風邪にせよ、新型コロナにせよ、基本的には飛沫感染や接触感染の予防になります。
まずは咳をしている方は、できればマスクをして、周りへの飛沫の飛散を軽減することが大事です。
マスクは当然のことながら鼻を口とを覆い、鼻部分にワイヤーの入っているタイプのマスクでは、しっかりと鼻の付け根にワイヤーを押し付けて、鼻の上のスキマをできる限り狭くします。
ただ現在はどうしてもマスクが手に入りにくいため、やむを得ずマスクなしで咳をする場合には、ティッシュやハンカチで口をおさえて咳をします。とっさの時は手のひらでなく、腕で口を押さえます。
そして周りの人はできれば2m程度の距離を取ることが望ましいです。
そして大事なのはとにかく手のひらを守ることです。
手のひらは一番モノと触れる部分であり、手のひらからモノへ、モノから手のひらへウイルスは移っていくので、「人にうつさないようにする」、「人からうつらないようにする」、これらのどちらにとっても重要なことになります。
そのためにはこまめな手洗いを行い、できる限り消毒用エタノールで消毒することが大事なのは前々回述べた通りです。
ちなみに手を洗うときに洗い残しやすい部位をお示ししてみます(私はICD:インフェクションコントロールドクターという資格を持っており、赴任先の各病院でも感染対策部門を担当していましたが、プロの医療職である職員の手洗いチェックしても、やはり多くの人に下のような傾向がみられました)。
こちらのデータからは、実際にやはり手のひら以外のところは洗い残しが多い傾向があり、特に指先と指の間は残りやすいと言われています。
指先は指の腹は比較的洗いやすいのですが、爪がかなり洗いにくく要注意です(爪を切るのも大事です)。
また盲点になりやすいのは手のひらのくぼみの部分と、手首の部分です。ここは普段意識しないと気を付けない部分でもあると思いますのでよく気を付けて洗ってください。
手洗いの方法を載せておきます(サラヤさんの資料を引用させていただきました)
自分が接触感染の対策が出来ているかの考え方として、「手に小麦粉をまぶしたところ」を想像してもらうといいと思います。
この「小麦粉」は洗うと落ちますが、しばらくするとまた手につくものと想像してください。
この「小麦粉」が、1日のどこかで鼻や口についたらアウトです。
たぶん私も意識していないと、家に帰ったころには顔中小麦粉だらけになっていると思います(笑)
というわけで現在当院では、発熱があるなどで感染症が疑われる方は何ヵ所かの隔離ブースにてお待ちいただくようにしております。症状のある方にはできるだけマスク、アルコール消毒剤を使用して頂くようにお願いさせていただいておりますので、ご協力をよろしくお願い致します。
ご不明な点やご心配な点がありましたら何でもご相談ください。