医師ブログ

2022.10.06更新

当院の院内改装も、ようやくゴールに近づきつつあります。


9月24日まで行った第2期工事では、診察室とは廊下を挟んで反対側のエリアを中心に行いました。

まずは検査室

検査室
いままで散り散りになっていた検査機器をほぼ一か所に集めて、より動線が分かりやすくなりました。

 


また、心電図検査に関しては、新たに専用の心電図室を設け、患者様が気軽に上着などを脱げる環境を作りました。

心電図室

 


こちらは内視鏡室ですが、広さはやや狭くなったものの、より効率的に配置換えを行い、この部屋で超音波検査も行えるようにしました。

内視鏡室

 


廊下ですが、内視鏡室からスペースを多少もらい、待合席を数席増設し、なるべく一人でも多くの方がお座りになってお待ちいただけるようにしました。

廊下

 

 

そしてこちらが発熱・感染症外来待合室になります。

発熱外来

トイレを移動させ、患者さんがお待ちいただくスペースをさらに大きく確保しました。

1期工事終了後より、より余裕をもってお待ちいただけるスペースを作りました。

 

3期以降では主に収納などの新設を行うので、動線としてはこれでほぼ完成です。

 

またソフト面でも、電話自動応答システムを導入しました。
今まで応対業務で職員がなかなかお電話に出られず、皆様にはご迷惑をお掛けしておりましたが、電話自動応答システムの導入で、皆様によりスムーズにご案内できるようにします(併せて受付業務の迅速化も目指しています)。

 

まだまだ慣れないことも多い新体制ですが、少しでも皆様が受診しやすいクリニックになれるように、引き続き頑張っていきます!

 

さて、当院のインフルエンザワクチン接種は10月11日より開始することとなりました。
今年は現時点では比較的ワクチン入荷に余裕があるため、当院おかかりつけの方は予約なしで受診時に接種いただける見込みです。

ワクチンのみご希望の方は後日改めてワクチン接種専用予約枠を作成いたしますので、今しばらくお待ちください。

 

 

で、本題。


今年のインフルエンザはどうなるのでしょうか・・・


正直、一昨年、昨年とほとんど流行することなく終わっており、昨年ブログでも「念のため流行には注意しましょう」と呼び掛けていた私にとっては、やや気まずいのも事実です(とは言っても、呼びかけたこと自体は間違っていないのですが。何事も悪い方に備えるのは鉄則ですので)。


毎年「流行る流行るサギ」みたいになってしまうのは正直いやなのですが、それでもやはり今年は警戒しておいたほうがいいのかもと、私は思っています。


一般的にインフルエンザの流行状況は、南半球で先取りすると言われています。
まずここ数年の日本。ご存知の通り、ここ2年は全くと言っていいほど患者がいませんでした。

日本 インフル


一方、南半球のオーストラリアの状況ですが、オーストラリアも2020年、2021年とほとんどインフルエンザの患者は出ませんでしたが、2022年に入り4月下旬からインフルエンザの患者数が増加し、コロナパンデミック前の2015~2019年よりもむしろ多い患者数となっています。

オーストラリア インフル
またブラジル2022年初旬に大流行を起こし、多くの死者を出しました(こちらは季節外れの夏~秋に流行した、やや珍しいパターンでした)。アルゼンチンも同様です。

ブラジル インフル

アルゼンチン インフル
そしてアメリカですが、こちらも北半球にもかかわらず、2022年の夏にかけて、インフルエンザの患者が出ています。これは他の北半球のいくつかの国にも見られた現象です。

アメリカ インフル
他の国も見てみたのですが(皆さんも下のリンクから見てみてください)、実は2020年のパンデミック発生以降、インフルエンザ患者が発生していない国はむしろ非常に珍しいのです(日本、韓国、香港などアジアがほとんどです)
WHO Influenza virus detection charts(世界各国のインフルエンザ発生者数)


ここら辺を考えてみると、日本にいると実感がないのですが、やはりインフルエンザウイルスは残念ながら未だ健在なのです。
そして、他国の様子を見ると、例年と違う時期に流行が発生する可能性が否定できないのです。

一方、今年も例年ほどは流行しないかもしれない要素もあります。

パンデミックからインフルエンザ患者をほとんど出していない東アジアの国々は、わが国を含め、欧米や他の地域の国と比べ、未だに厳しめの感染対策を行っている国々です(それが正しいかどうかはここでは置いておきます)。

新型コロナはインフルエンザよりはるかに広がりやすい疾患です。
今の日本のような感染対策だと、感染力の強い新型コロナには無力化もしれませんが、インフルエンザにはまだ効くかもしれません。

たださすがに日本でも以前ほど対策は厳格ではなくなっており、この状況を縫ってインフルエンザが広がっていく可能性もあり得ます。

また新型コロナも当然のことながら他国でもまだまだ感染者は出ており、実際にコロナ・インフルの同時流行は当たり前に起きているのが世界の現状です。


と考えると、やはり今年こそは流行する可能性はあると考えなければなりません(「こいつまた言ってんな」と言われてしまいそうなのがツラいとこなのですが・・・)


という訳で、今年もインフルエンザワクチンを打った方がいい理由は以下の通りです。

まずはいつもの年と同様、高齢者ではインフルエンザの予防接種は重症化を予防することができます。

65歳以上の方に対しては発病予防効果34-55%死亡予防効果82%と報告されていますPrevention and Control of Influenza. Recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices, 2008. MMWR 2008:57(RR07):1-60
また若い方に対しても、アメリカの軍隊内の若い兵士を対象とした報告で70~90%の発症予防効果があるとされていますDavenport F : Control of influenza, symposium on influenza. Med J Aust Spec Suppl 1973 ;1 : 33-38


加えて、やはりコロナ患者さんの増加と重なったときの、受診のしづらさは確実に起きるだろうということです。

私も9月にコロナに罹りましたが、正直インフルエンザの症状とよく似ており、検査をしないと見極めはおそらく不可能です。

そしてパンデミックの前のような、通常外来に多くの発熱患者さんがいるという世界線はおそらくしばらくは目にすることはないでしょう(私は、やはりインフルエンザはまだコロナとは同列には語れないと思っています。ここ最近多く目にするコロナの後遺症の多さはやはり脅威で、これは(少なくとも従来の)インフルエンザにない特徴です)。

発熱した場合、症状がつらい場合、そんな時にやはり不安の中で過ごすことになるのは精神的にも応えます。

もちろん我々医療機関も正直第7波の状況の再来はできれば避けたいのが本音です(もちろんそのような状況になればやるしかないのですが・・・)

個人の視点からも、社会の視点からも、そのリスクはなるべく下げておくべきだと思います。
幸い今年はインフルエンザワクチンの供給不足の情報は流れておりません。一昨年、昨年よりは接種しやすい状況かと思います。

他国のようなイレギュラーな時期の流行があるかもしれないという現状では、今年は少し早めの接種も考えておいてもいいかもしれませんね。

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

2022.08.23更新

もう一回改装工事の様子を公開すると言っていたのに、もう工事がほとんど終わりになってしまいました・・・

休み中に、この時期にしかできない仕事をすすめておけばよかったのですが、「まだ大丈夫、まだ大丈夫」と思っているうちに瞬く間に日が過ぎ、お尻に火がついているこの頃です。

結局ブログを書くのが後回し・・・

 

あぁ、オレ小学生のころから変わってねーな・・・

 

という訳で、かなり完成に近い状態となってしまっていますが、診療再開を前に今の状態を少し公開したいと思います。

 

 

まずは受付。

改装工事

このように、とうとう新しいカウンターが入りました!

今までより大幅に広くなり、同時に4人の方の受付、会計が行えるようになり、スムーズに受付を通過できるようになると思います。

そして、

改装工事

こちらは自動釣銭機。

 

コンビニでよく見るアレと同機種です。

今回はこの自動釣銭機を思い切って2台導入し、少しでも受付のスピードアップを図ります。

今のところ1台は患者さん自らが操作する端末、もう1台が職員が操作する端末として運用していこうと考えています(うまくいかないようであれば変えちゃいます)。

 

ちなみにジムチョー室も新設(今まで血圧計を置いていたところがすこし削られます)。

改装工事

ここにジムチョーを押し込みます(*^-^*)

 

受付も今まで乱雑に見える当院でしたが

改装前

ずいぶんスッキリした受付の姿に変わりそうです。

 

次に診察室。

こちらは第1診察室です。

改装工事

第2診察室との仕切りは木目調のデザインにし、だいぶ印象が変わりました。

 

こちらは第2診察室。

改装工事

デザイン、広さともに第1診察室とほぼ同様となりました。

そして壁紙、床、照明ともにすべて入れ替え、かなり明るい印象になっています。

今まで院長の診療は第2診察室で行っていましたが、今後は第1診察室に移る予定です(加藤先生、髙倉先生などの診察が第2に移ります)。

待合から私の診察室が少しだけ近くなる見込みです。

 

次に廊下、中待合から発熱・感染症外来に至る通路(真ん中)と、レントゲン室(右入口)です。

改装工事

廊下と中待合の間にも扉が設置され、完全な隔離が可能となりました。

レントゲン室へのアクセスも良くなります。

 

最後に発熱・感染症外来待合(手前のぐっちゃぐちゃな所)と、その奥の発熱・感染症外来専用診察室です。

改装工事

こちらは今までより外気を取り込みやすい位置となっており、またクリーンパーティションも増設する予定ですので、今までより安心感が増すかなと思います。

椅子とかが並べば、また雰囲気がわかるかと思いますので、完成したらまたきっと掲載します。。。

 

という訳で、明日からいよいよ荷物の搬入、復元です。

果たして2日でできるのか!?

オレ、家に帰れるのか!?

 

楽しみながらみんなで作業をして、26日に笑顔で皆様をお迎えしたいと思います!!

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

2022.08.16更新

当院は現在改装工事にてお休みをいただいております。

世の中はまだまだコロナ感染者数が落ち着いている状況とは程遠く、この期間にお力になれないのは申し訳ない限りですが、再オープン後は今まで通り、少しでも社会のお役に立てるクリニックでいられるよう、職員一同精いっぱい診療に取り組みます!

 

ということで、今回は今の工事の進捗状況を簡単にお写真で紹介してみます。

まずは受付から。

(前回のブログでも掲載しましたが)30年以上頑張った大理石のカウンターでしたが

改装

このように撤去され

改装

新しいカウンターを受け入れる準備を整えています。

 

次に廊下です。

こちらは中待合から裏入口(現在の発熱・感染症外来入口)を望む方向の写真ですが、

改装

途中にある壁が壊され、向こう側の裏入口とまっすぐの動線となりました(今後この間に扉ができ、通常診察室と発熱・感染症外来待合室が区切られます)。

改装

 

 

次に第2診察室(今までの院長診察室)です。

改装

このように診察室の後ろに壁ができました。

改装
それはなぜかと言うと・・・

 

こちらは中待合の受付から遠い側(身長体重計と視力・呼吸機能検査エリア)になりますが

改装

このように

改装

2つの入り口が新設されました。

手前側は

改装

このように第二診察室に通じる新しい通路です(この写真の右側の壁の裏が、先ほどお出しした第2診察室後ろに新設された壁になります)。

患者さんと職員の動線の重なりを極力減らす構造としています。

 

そしてもう一つの入り口は

改装

こちら、新しいレントゲン室の入り口となります。今までよりもレントゲン室へのアクセスが良くなります。

 

最後にこちらは元発熱・感染症外来待合エリアでしたが、

改装

間に壁が出来ました。

改装

向こう側の空間が今回新設した、常設の発熱・感染症外来診察室となり、手前側がその待合エリアとなる空間です。

こちらはその診察室を中から見た光景です。

改装

改装

 

 

工期はもう半分です。この後、また劇的に変化します。またお知らせしますのでお楽しみに!!

 

またこのホームページも(予定よりかなり遅くなってしまいましたが)改装とほぼ同時のタイミングでようやく全面改装をすることとなりました。

こちらも近日中に公開いたしますので今しばらくお待ちください!

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

2022.08.10更新

怒涛の1週間が終わりました。


改装前の、過去に例を見ない長い休診期間を前に、先週は非常に多くの患者様にご来院頂きました。
加えて発熱外来、ワクチン接種の方々にご来院頂いたことで、当院はもうそれは目の回るような忙しさでした。

先週は実に平均1日200人ほどの患者様にご来院頂き、皆様には大変な混雑でご不便をお掛け致しました。


ただ幸いなことに、私たちの肌感覚では、第7波はピークを過ぎつつあるように感じます。

7月中旬~下旬は、朝の受付開始からおよそ数十分で発熱・感染症外来の枠が埋まり、かつ抗原検査の実に8~9割が陽性となってしまう惨状でしたが、最後の1週間は午前の終わりや日によっては午後まで発熱・感染症外来のお受け入れを行うことができ、抗原検査の陽性率も半分を割るくらいまで落ちてきていました。

もちろんまだまだ波は続いてはいるのですが、ピーク時に当院が休診期間に入らずに発熱・感染症外来が全うできたようなのは本当に良かったなと思います。

結局第7波に入って以降、当院ではこの約1か月の間に350人ほどの発熱・感染症外来のお受け入れを行い、約200名の新型コロナ陽性患者さんの診断を致しました。


その中でこのコロナ禍、そして第7波で感じた雑感を今日はここに残してみたいと思います。

今回の第7波では、症状はいわゆる発熱、だるさ、喉の痛みといった「普通の風邪」の症状で済む人が数多かったのは確かですが、中には肺炎にまで進行していた方や、酸素飽和度が低下して、酸素の体への取り込みが悪化してしまった方、そして数日間食事がとれず脱水気味になってしまった方も確かにいらっしゃいました。
若い方でもそのようになってしまった方がいらっしゃいましたし、またこの波では「後遺症」や「症状の長引き」としてのだるさ、頭痛、呼吸器症状などの多彩な症状が良くならないと訴えられる方も非常に多かったです。

やはりオミクロン株とはいえ、まだまだ「普通の風邪」では済まない人は一定数でてしまうんだなという印象でした。


一方そして、ワクチンの効果も実感した第7波でした。

確かに3回ワクチンを接種して感染した方は少なくなかったのですが、そのうちのほとんどの方が非常に軽い症状で済んでいました。
一方、率直な肌感覚では、若い方を中心にワクチン未接種の方や、2回目接種から時間が空いてしまった方に比較的症状が重い方が多かった印象です。

とはいっても、2年前、1年前に比べれば、我々もワクチンや治療薬といった新たな武器を手にし、一方当初よりも確実に弱毒化が進んだことも事実です。

前回のブログでも述べたように、それぞれ個々のリスクに応じて、その人にあった感染対策を取ったうえで適度にコロナを受け入れざるを得ないんだろうなとも思った第7波でした。
普通の風邪の症状で済んでしまった多くの方にとっては、発症から10日間の自宅隔離はいささか長すぎるのではと、かわいそうにも思いますし、いざ自分に置き換えて考えても10日間家に隔離されるのはそれ自体が恐怖です。
確かに10日以内の解除だと他者への感染リスクは0にはならないかもしれませんが、今年7月に発表された報告では(サンプル数が小さいものの)オミクロン株の場合、PCR陽性からウイルスが検出されなくなるまでの期間は5日程度とされておりN Engl J Med 2022; 387:275-277隔離解除後も数日は十分な感染対策を取ることを条件に、もう少し短くなってもいいんじゃないかなと思うのが正直なところです(もちろん症状が長引いたり、重くなったりした場合は話は別です)。


そして、もうしばらくは「インフルエンザと同じ5類感染症運用」は難しいとも思います。

やはりオミクロン株とはいえ、今はまだ「普通の風邪」で済まない人もいらっしゃるのは事実です。
またこの時期にこんなに流行る風邪を今まで我々はそう経験したことはありません。

やはり今でも新型コロナはインパクトのある感染症です。


そうした中、コロナを5類感染症にしたところで、コロナ禍以前みたく通常の待合室に発熱患者さんがお待ちいただく構図が社会的に許されるようになるわけではないのではないでしょうか。
単純に5類にしたらどの医療機関でも簡単に診れるようになるというのは現場を知らない人の幻想でしょう。
5類の目的がここにあったら絶対に社会や医療現場は混乱します。

2類に残すにせよ5類に移行するにせよ、行政と医療機関の連携を切らないようにしたり、負担をおそれて受診しないことで病状悪化のリスクを上げることがないよう、公費治療の枠組みは残したりと、弾力的に考えて頂かないとうまく回らない気がします。





という訳で、当院も一度ここで一時的に最前線から離れることになりました(もちろん再開後はいままで通り全開で頑張ります!)。ここからは改装に関して、すこし情報を。

今回の改装は、現在3期~4期にわけて工事を行う予定で、今回の1期工事が最大となります。
今回は受付エリアから診察室にかけての改装レントゲン室の移設発熱・感染症外来診察室の恒久設置化を中心に行います(受付エリアは窓口を最大4つに拡大し、併せて自動釣銭機を導入することで、少しでも受付でのお待ち時間を減らせるようにする予定です。)

早速月曜から工事が開始となり、30年以上頑張ってくれた受付カウンターも、すでに旅立ってしまいました・・・

受付工事

そして2期工事は9月のシルバーウィークを利用し検査室エリアの拡張廊下の拡張発熱・感染症外来待合エリアの拡張を予定しております(1期工事と2期工事の間はほんの少しですが、待合エリアが小さくなってしまう可能性があります。ゴメンなさい・・・)。

3期工事以降は未定ですが、いろんなところの見た目が変わることを考えています。


という訳で、皆様にはご迷惑をお掛け致しますが、当院の機能をさらに向上させる改装工事となります。
当院の診察再開まで、今しばらくお待ち頂ければと存じます。

なお、当院が休診の間は、その分発熱患者さんを受け入れられる医療機関が少なくなってしまっています。
ましてやこれからお盆の時期で、開いている医療機関もさらに少なくなってしまうことが予想されます。

現在発熱して、医療機関にどうしても受診できない場合は、行政から配布されている抗原キットを利用し、陽性であれば、重症化リスクがなければ自主療養を届け出していただくことが可能です。

解熱薬に関してはアセトアミノフェン(商品名:カロナールなど)が推奨されておりますが、今は大変な品薄になっています。
ロキソプロフェン(商品名:ロキソニンなど)やイブプロフェン(商品名:イブなど)など、当初コロナの重症化が危惧された解熱鎮痛薬についても、コロナに関してはあまり悪さをしないというデータも多く出てきておりLancet Rheumatol. 2021 Jul;3(7):e498-e506. Drug Saf. 2021 Sep;44(9):929-938.とりあえず手に入る解熱鎮痛薬で急場をしのいでいただければよいかと思います(ロキソニン、イブプロフェンは多く使うと胃が荒れるので、使い過ぎに気を付けてください。また小児の方はロキソニンはダメですので注意してください)。

皆様がこの第7波を切り抜けて頂き、楽しい夏をお過ごしいただけることを切に願っております。

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

2022.05.29更新

前回お伝えした入り口のプチ改装、GW明けより稼働しております。

おかげ様で新たに設置した待合席は、ちょっとした読書や作業などをしていただけるとご好評の声をいただいております。
まだまだ混雑でご迷惑をお掛けしておりますが、少しでも新しい席がお役に立てれば幸いです。


そしていよいよ、当院は今回、大改装を行うこととなりました!

今回は当院のレイアウトそのものが大きく変わります。

具体的には①受付エリアの刷新、②レントゲン室の移動・新設、③第2診察室の移動・新設、④検査室の拡充、⑤新たな発熱外来診察室の設置⑥発熱外来待合室の拡充、⑦内視鏡・エコー室の新設を行います。

これだけの内容を行いますので、今回は数回に分けて工事を行うことになりました。

まずは第1期工事をこの8月に行います。

今回の工事がメインで、①~③を行う予定です。
これらのレイアウト変更に伴い、お待ちいただけるエリアも今までより少し広くなる予定です。

という訳で、今回当院は夏季休暇を長めに頂きます。
8月7日(日)~25日(木)まで、19日間のお休みをいただきます。

これに伴い、今年の8月の特定検診の受け入れ枠が少なくなります。

茅ヶ崎市の特定検診は例年6~8月に行われておりますので、当院で検診をご希望の方は、できるだけ7月までにお早めにご予約、ご受診を頂けると大変助かります。

例年8月は駆け込み受診が多くなりますが、今年は十分なお受け入れができないと思いますので、是非ご協力頂ければと思います。


さて、ようやくコロナワクチンの3回目もピークを過ぎ、当院もひとまず6月4日で一度終了することにしておりますが、そうこうしているうちに4回目のワクチン接種開始の通達が出されました。

いったいいつまで続くのやら・・・と思いますが、4回目のワクチン接種について、今回もやはり客観的データでその妥当性を判断していこうと思います。

現時点で一番大きなデータは、ニューイングランドジャーナル・オブ・メディシン(医学界では一番信用度の高い雑誌です)に4月に発表された、イスラエルのデータ(N Engl J Med 2022; 386:1712-1720)だと思います。
まずはこのデータを見てみましょう。

このデータではイスラエルでオミクロン株が流行していた今年1月~3月に、4回目をファイザーのワクチンで接種した60歳以上の方、120万人を対象としています。

4回目のワクチンの効果

N Engl J Med 2022; 386:1712-1720より改変

まず感染予防効果ですが、3回目接種の方と比べ、4回目を接種した方は、接種後3~4週間で効果が最大になり、感染予防効果3回目接種の方と比べて約2.1倍(つまり53%リスクを減らす)となりました。しかし接種後8週が経過するとその効果は約1.1倍(つまり10%もリスクを減らせない)となり、2カ月で感染予防効果はほとんどなくなってしまいました。

一方重症化予防効果ですが、こちらは接種後徐々に効果が高まり、接種後6週間で4.3倍(つまり70~80%予防できる:3回目しか接種しない場合を100とすると、4回目を接種すると20~30くらいまで減らせる)ことがわかりました。

 

ただオミクロンはそもそもが重症化しにくいウイルスです。
割合が大きく減ったとしても、その実際の重症化を起こす人の数がもともと少なければ、重症化を予防できる実際の人数はたかがしれている、というのもあながち間違いの主張ではありません。

そして若い方については4回目接種についてのデータはほとんどありません。

またイギリスからの報告では、3回目接種についてのより長い期間の情報が出ており、18~64歳の方では、3回目の接種による効果接種後15週(約3か月半)を経過しても、入院リスクを67.4%、重症化リスクを75.9%減らせるデータが出ておりCOVID-19 vaccine surveillance report Week 16 UK Health Security Agency 2022/4/21、3回だけで十分との考え方もあろうかと思います。

一方、現時点では4回目の接種による副反応は3回目とそれほど大きな差はなく、一部で懸念されているADE:抗体依存性免疫増強(ワクチンの影響でかえって病気が重症化しやすくなる現象)も、現在のところは客観的データとしては認められません。

というわけで、わが国ではリスクの高い方のみ、すなわち

60歳以上の方
18~59歳の、基礎疾患を持っている方

を対象に、3回目接種後5カ月を経過したら接種ができるという運用をされることとなりました。

※基礎疾患とは以下の病態です(頻度の高いものを太字にしました)

1.慢性の呼吸器の病気(喘息、COPDを含む)
2.慢性の心臓病 (高血圧を含む)
3.慢性の腎臓病
4.慢性の肝臓病(肝硬変等)
5.インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病、他の病気を併発している糖尿病
6.血液の病気(鉄欠乏性貧血を除く)
7.免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)
8.内服や注射のステロイドなど、免疫の機能を低下させる治療を受けている
9.免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
10.神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態 (呼吸障害等)
11.染色体異常
12.重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害とが重複した状態)
13.睡眠時無呼吸症候群
14.重い精神疾患

 

私は、まあ妥当かなと思っています。

 

正直このオミクロン株によるコロナをここ5カ月ほど診療していますが、ほとんどの方が普通の風邪症状です。

確かに肺炎の方もいらっしゃいました(それは普通の風邪にはまずない兆候でしょう。インフルエンザウイルスの肺炎も、出会うのはもっと稀です)。
そして後遺症として様々な症状をきたす方も少なからず当院にはいらっしゃっています(よく診察をしたら、実は後遺症ではなく喘息やアレルギーだったという例も少なくないのですが)。

ですので、まだまだ「普通の風邪」ではありません。

ただ、デルタのころと比べれば、確実にその性質は風邪に「近づいて」います。
そして、高齢者や基礎疾患をお持ちの方にとっては、まだ少し「普通の風邪」から距離があり、一方若い方にとっては、「普通の風邪」との距離が非常に短くなっている。そのように考えれば、よりリスクの高い方にしぼって、「普通の風邪」に近づけるツールとしての4回目のワクチンを行うことは、理にかなっていると思います。

オミクロン株のその後

そして、この「普通の風邪」との距離を、みんなが受け入れるようになれば、この「コロナパンデミック」は終了する、そのように私は解釈しています。

オミクロン株のその後
その距離がどれくらいなら受け入れられるのか、あとどれくらい近づけばいいのか、あとどれくらいの人がその許容される距離内に収まればいいのか。それが人それぞれなのでこの議論はもつれます。
しかし「普通の風邪」との距離が0になるまで待つのはおそらく現実的ではないので、どこかで妥協する必要は必ず出てくると思います。

 

それが「今」であるべきかどうかは私にはわかりませんが、どこかのタイミングで「決断」をしなければならない時がくるでしょう。そしてそれが、より多くの人が納得する形での「決断」の形にして、社会に分断を残さないようにしないといけないのです。

今後の我が国の経済や教育、その他のことも総合的に考えて、しかるべき時に、しかるべき方法で「決断」をする覚悟、それが我が国にとって今一番大事なのかもしれません。

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

2022.05.09更新

「茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック」として新しい船出をしてから1ヶ月、おかげさまで少しずつ新名称にも慣れてきました。

当初はスタッフの言いまつがいもありましたが、最近は新名称がスムーズに出てくる様になっています。


直接電話応対をすることの少ない私が、実は一番慣れてません(笑)

 

また4月から髙倉先生の循環器専門外来が開始し、おかげさまでこの1ヶ月で、すでに多くの患者さんにご来院いただいております。

この時期、花粉症から始まった長引く咳など、咳のなかなか治らない多くの患者さんにもご来院いただいており、それは医師冥利につきますが、いよいよ院内の待合スペースに限界が来つつあります。

 

そこで今回、GWを利用して、少しだけ待合室を拡充する工事をしました。

 

入口のスロープを少し狭めて(車椅子も通れる十分なスペースは残しています)ベンチを下げ、できたスペースにテーブルでお待ちいただける待合スペースを増設しました。

玄関改装

よしできた!工事が終わってホッとしていたのですが、

 

「椅子、ないじゃん・・・」

 

スペースを作ることばっかり目を向けて、椅子を買うことを忘れてました(๑´ڡ`๑)テヘペロ♡

とりあえず院内にあるパイプ椅子をかき集めて何とか3席確保しました(あとでちゃんとした椅子、買います!)。

入口改装

このスペースでの飲食はできませんが、本を読んだり、書き物をしたり、PCなどを使って作業することもできたりするスペースです。なるべく待ち時間を少なくできるように努力しますが、貴重なお時間をお使いいただくスペースとして是非ご活用ください!

 


さて、スギ、ヒノキの花粉症の方も、ようやく症状のピークを超え、今年も一般的な花粉症シーズンは終わりを迎えつつあります。

しかし、中にはこれからの季節も花粉症シーズンが続く方がいらっしゃいます。

そして、実はこの時期に合わせて、果物などの食物を食べると口の中が痒くなったり、じんましんが出てきたりする「食物アレルギー」の症状が出てくる方がいらっしゃいます。

 

実は、一部の食物アレルギーの方には、ある花粉症と関連がある場合があります。

 

例えば、バラ科の果物、例えばモモやビワ、さくらんぼ、苺、りんご、梨など、それに豆類特に豆乳では強く出やすく、アナフィラキシーまで起こる可能性があり要注意!、ヘーゼルナッツ、セロリやニンジンなどで、喉や口のかゆみなどの症状が出たりする方の中に、カバノキ科(ハンノキ、シラカバなど)の花粉症がある方がいらっしゃいます。

この花粉には、「PR-10」というタンパク質が含まれているのですが、このタンパク質へのアレルギーを持っていると花粉症を発症します。

そして、先に挙げた食べ物にも、この「PR-10」というタンパク質が含まれているため、アレルギー症状を起こしてしまうのです。

そして、この花粉症の時期が4〜6月、つまり今頃であり、この時期に食物アレルギー反応の症状が出やすくなることも知られています。


また、ブタクサ、ヨモギ、イネ科の花粉症の方も、同様に花粉に含まれる、「プロフィリン」というタンパク質に対するアレルギーを持っている場合、ウリ科の果物など、例えばメロンやスイカ、カボチャ、きゅうりなど、それに柑橘系の果物、トマト、バナナなどにも含まれる「プロフィリン」にも反応をしてしまい、アレルギー症状を起こしてしまう例も知られています。

これらの花粉は初夏〜秋がシーズンなので、こちらもこれから気をつけるべき季節となります。

その他にも、スギやヒノキの花粉症に関連したバラ科や柑橘系果物、梅干しなどの食物アレルギーなども知られており、これらは「花粉-食物アレルギー症候群」と呼ばれ、症状をコントロールするには、花粉症の治療も正しくしっかりと行うことが大事になります。

 

 


またゴム製品に対してのアレルギー(ゴム手袋をしていると手が赤くなったり腫れたりするといったエピソードが多いです)があると、食物(特にバナナ、栗、桃、キウイ、パパイア、パイナップルなどの果物やアボカドが代表的です)アレルギーを発症してしまう「ラテックス-フルーツ症候群」という病態があったりもします。

 

これらはいずれも、一見関係なさそうな2つの症状が関係しあっている、知らないと気付かない病態です。


食物アレルギーといえば子供の方が圧倒的に多く、一般的には小児科で取り扱われることが多い病気なのですが、実は上に挙げたような病態は大人特有のものなのです。

大人の食物アレルギーを診断、治療できる医療機関が非常に少ないため、何年も原因不明として扱われてしまい、生活の質が低下したまま長年が経過するケースも少なくありません。

このような症状は、やはりアレルギー専門医にご相談されると、花粉症ともどもうまく治療できると思います(鼻の中を見たり、処置までできたりするという意味では、食物アレルギーにも非常に精通している耳鼻科の先生がベストかもしれませんが、耳鼻科的な処置までは必要なく、薬だけでよくできる程度であれば、我々の様な内科のアレルギー専門医でも大丈夫だと思います)。

手前味噌ですが、当院でも今後皮膚アレルギーテストの導入を予定しており、採血だけではわからないアレルギーの原因をより見極めることができるようになる予定です。


アレルギー診療は、原因の見極めや薬の選択、さじ加減、それに正しい薬の使い方や生活面での指導など、診療の質の違いが結果の差になって現れます。

 

なんか治りがイマイチだなあ・・・と感じる時は、是非アレルギー専門医の受診をお考えになってみてください!

 

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

2021.04.18更新

トップページにも掲載しておりますが、当院は新型コロナワクチンの接種開始に向けて動き始めています。
当院は一般高齢者の方と、近隣の医療従事者の方へのワクチン接種を行います。
ワクチン供給数、接種体制を考え、一般高齢者向けは、当面の間は当院かかりつけの方のみに限定させていただくこととしました(詳しくはこちらをどうぞ)。
医療従事者の方はこの限りではありませんので、今後開始される神奈川県の予約システム稼働開始をお待ちください(詳しくはこちらをどうぞ)。

というわけで、いよいよ接種開始間近のワクチンですが、いざ始まるとなると不安になる方も多いようです。

特に「私は打っていいの?」という質問が多く寄せられています。

とりあえず接種開始に向け、今回は「私は打っていいの?」という疑問にお答えしてみようと思います。
ややこしくなるので、今回は「私は打った方がいいの?」「ワクチンって大丈夫なの」という議論はしません。ワクチンそのものについての情報については以下をどうぞ。

2021.2.11 いよいよ新型コロナワクチン接種開始! ~ところでコロナワクチンってどんなもの?~

もちろんまだわからないことも多く、また医学に絶対はありませんが、ひとまず現時点でわかっていることがここにまとめられていますので、この中から疑問の解消になりそうな部分をいくつか抜粋して紹介しましょう(なおThe New England Journal of Medicine(NEJM):「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」は、医学系雑誌の中で最も歴史が長く、最も有名な雑誌です。ここに掲載されている情報の信ぴょう性は医学界では一般的に非常に高いと言われており、我々もコロナに限らず普段から多くの最新情報をこの雑誌から学んでいます)。あくまで今回の内容はこのNEJMに記載されている情報が基本となります。

Q1:「私は打っていいの?」
A1:このワクチンを絶対打ってはいけない人(「禁忌」といいます)は、過去にこのワクチンでアナフィラキシーなどの重度のアレルギーを起こした人(今回は誰もがはじめてこのワクチンを打つので、つまり1回目で反応を起こしてしまった人)、またこのワクチンに含まれている添加物である「ポリエチレングリコール」、またこれと交差反応を起こしうる「ポリソルベート」に重度のアレルギーを起こしたことのある人だけです。
「ポリエチレングリコール」は他にも軟膏剤や化粧品、食品(乳化剤として)など、日常的に多く使われています。また大腸内視鏡検査で用いる下剤(ニフレック®)はまんまこれです。
また「ポリソルベート」様々な薬の添加物に加え、インフルエンザワクチンや13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー)、ロタウイルスワクチン、ポリオワクチンなど様々なワクチンに含まれていますワクチン接種後に熱が出た、だるくなった、強く腫れた程度の症状は重度のアレルギーには該当しません)。

つまりこれらに対しアナフィラキシーなどの重度アレルギーが起こったことがある人以外は、すべて「打っていけない」人ではないということが言えます。

Q2:「っていっても、私アレルギーあるんだけど、本当に大丈夫?」
A2:アレルギーを持っているだけではワクチンを打てない理由にはなりません。
上記の添加物以外のアレルギーは問題視されません。つまり食物アレルギー、花粉症、喘息などのあるなしには関わらないということです。
ただしアレルギーを持っている方は接種後15分ではなく、念のため30分の経過観察が勧められます。

Q3:「私は癌にかかったことあるんだけど・・・本当に大丈夫?」
A3:癌を持っていたり、免疫を抑制する薬を飲んでいたりする方は新型コロナの重症化リスクが高いため、できれば接種したほうがいいです。
ただし、これらの人のデータが少なく、安全性や効果のデータは少ないのが現状です。
また免疫機能が低い方では、理論上有効性が低くなる可能性があります(あくまで推定です。データはありません)。

Q4:「何か症状があったらワクチンは打てないの?」
A4:基本的に急性疾患にかかっている方は接種を延期する必要があります。
つまり風邪をひいたり、37.5℃以上の発熱をきたしている方などです。
ただし、この症状が慢性的にある方はこの限りではありません。例えばCOPDの方の咳や呼吸困難、炎症性腸疾患の方の慢性胃腸症状などです。

Q5:「コロナにかかったことあるんだけど、打った方がいいの?」
A5:結論から言えば打った方がいいです。
新型コロナにかかっても、3か月以降は再感染するリスクがあります。かかってから3か月以上経過してから、ワクチンを接種することが推奨されています。

以上、今回はコロナワクチンの疑問の中から、「私は打っていいの?」という部分にフォーカスを当てて情報を載せてみました。
あくまでも任意接種ですし、強制されるべきものではないと思いますが、やはり客観的なデータや分子生物学的な原理から考えると、それほど危険なものとは思えないという印象は持っています。
現時点では、ファイザーのワクチンに関しては、他のワクチンで騒がれている「血栓症」の目立った報告もないようです(因果関係不明の死亡例は某週刊誌が大騒ぎしていますが・・・)。

ワクチン接種も近くなり、ワクチンの情報量も増えてきました。
中には信用性の低いデータや、個人の主張にとどまる情報も少なくないようです。
接種するにせよ、しないにせよ、とにかく信用度の高い情報を正しく理解することで、皆さんが十分納得して判断をしていただければと思います。

私どもも、もうそろそろワクチンが回ってくるようです。私は接種しようと思っていますので、接種したらそのレポートをまたこちらで行いたいなと思います。

あとご報告。
懲りずに行った院内改装工事第4弾が終わりました。
今回はレントゲン室の前、呼吸機能検査エリアから第3診察室入口、処置室(現発熱外来連絡口)入口エリアまでの壁塗装です。
以前はあまり患者さんが入るエリアでなかったため、だいぶ年季が入ったままの状態でしたが、今回ツートンカラーに塗りなおし、だいぶ明るい印象になりました。

 壁塗り替え

壁塗り替え

壁塗り替え


ひとまず予定していた今回の改装工事は一旦完成です。が、古くなっている部分もまだ多く残っており、そのうち続きをやるかもと考えています。改装マニアの方、次回まで今しばらくお待ちください(笑)

 

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

2021.03.01更新

この土日を使って、改装工事第3弾、中待合から呼吸機能検査エリアにかけての床張り替え工事を行いました。
約30年にわたり皆さんの足元を支えていた床に別れを告げ、受付エリアと同じ、木目の床で統一しました。
また廊下の棚も撤去し、新たなラックに置き換えたことで通路の拡張も行いました。
まだまだ院内の混雑で皆さんにはご迷惑をおかけしておりますが、また少し若返った加藤医院をご堪能いただければ幸いです。

床工事後
また3月中には懲りずに早くも第4弾を予定しております。
工事の影響で、3月22日(月)は臨時休診とさせていただきます。ご迷惑をお掛けしますが、この頃に受診をご予定の方はお気をつけくださいますようよろしくお願い致します。

 

さて前回は、今回日本で接種が予定されているファイザー社のmRNAワクチン「コミナティ」を念頭に、新型コロナウイルスワクチンの仕組み、特徴についてお話ししました。
今回は、いざ皆さんが接種するとなったときの具体的な接種方法、注意点について、現時点でわかっていることをお知らせします(報道にもあるようにワクチンは当分は数に限りがあり、国や県、市などが運用方法を工夫せざるを得なくなることも出てくる可能性があります。今後変更があり得ることは予めご承知おきください)。

まずはこのワクチン、対象は16歳以上です。15歳以下の子供は今回対象にはなっていません。

今回は費用は全額国持ちとなり接種者はタダで受けることができます。

またこのワクチンは基本的には2回打っていただくこととなります。1回目のワクチンを接種してから3週間後に2回目のワクチンを接種するのが基本スケジュールになります。
しかしファイザー社は42日(6週間)間隔が空いても効果があるとの見解を出しており、どうしても3週間間隔で打てない場合もできるだけ早く2回目を打っていただくことで対応します。

2回目のワクチンは1回目のワクチンと同じものでなければならず、別の種類のワクチンを使用してはいけません。

接種する際は発熱していたり、他の急性の病気にかかっていたりしていないことが接種できる条件となります。

妊婦、授乳婦は利益がリスクを上回るときには接種可能とされ、除外はされていません。産科婦人科学会などは感染リスクが高い医療従事者、肥満、糖尿病など新型コロナ感染症が重症化しやすい妊婦は接種を検討するよう提言しています。

また現時点では既感染者といえど再感染しないとは限らず、おそらく既感染の方も接種対象になると思われます(ただWHOは感染後6か月以内の再感染は少ないことから、接種を感染後6か月以降に遅らせることはできるとのスタンスをとっています)。

異なるワクチン(肺炎球菌ワクチンや帯状疱疹ワクチンなど)とは、アメリカでは14日(2週間)の間隔を空けるよう勧告しています。おそらく日本でもこれに近い方向で勧告されるものと思われます。

さて、いざ接種です。

このワクチンはインフルエンザワクチンと異なり、肩への筋肉注射を行います(実はインフルエンザなど、日本で皮下注射で行われているワクチンも、他の多くの国では筋肉注射で行われているのが実情です。実は皮下注射より筋肉注射の方が、効果、痛み、副作用の出現で有利とも言われているのですが、日本では過去に抗菌薬や鎮痛薬の筋肉注射で筋肉が萎縮する後遺症が多発したことがあり、歴史的に筋肉注射に慎重となっていることが原因とされています。ワクチンではこれらの問題は起きていないことから、本来は改めるべきことかもしれません)。

接種後に注意すべきはアナフィラキシーです。
インフルエンザワクチンと比べると5~10倍の頻度と言われており、そのためワクチン接種後は医療者の目の届く範囲に15~30分アナフィラキシーを起こしたことのある人は最低30分待機することが定められています(とはいえ、前回ブログにも書いたように、よく使われる他の薬剤の方がよっぽど高い確率で起こしうるということを知っておくことも大事です)。
アレルギーがあること、アナフィラキシーの既往があることそのこと自体だけで即接種不適当者になるわけではないようです。

前回のブログでも副反応が1~2日経って出やすくなることを記載しました。ほとんどの場合、様子を見るだけでその後は症状も軽くなるようです。
ただどうしても副作用の症状が強く出たり長引いたりしたときは、まずは接種した医療機関やかかりつけに相談となりました。また副反応のための相談窓口が作られるようであり、こちらのチャネルを利用していただくことが想定されているようです。

というわけで、現在のコロナワクチンの注意点を、わかっている範囲でお話ししてみました。

それでは、当院ではどのようにして接種するか、なのですが、残念ながらまだ何も決められません( ノД`)・・・
現在茅ヶ崎市からは4か所の集団接種会場に加え、当院のような診療所や病院で接種できるようにする方向で調整しています。
当院も当然ワクチン接種には手上げをしており、接種会場となる予定ですが、接種開始時期はもちろん、当院にどれくらいワクチンが入ってくるのか(今回はすべて国が取り仕切るようになっており、当院になんら権限がありません)、予約は市が行うようですがそれがどのように行われるのかなど、細かいことの通知がなく、外来での皆さんの疑問にお答えできない状況です。

決まったことがあれば随時このホームページや院内でお知らせしますので、お待ちいただければ幸いです。

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

2020.12.31更新

今年も1年間加藤医院をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
さて、今回は激動の2020年の加藤医院を、この場で少し振り返りたいと思います。


2020年は1月の診察室の模様替えから始まりました。これに伴い私と加藤医師の診察室が入れ替わりました。またX線透視装置を撤去し、内視鏡室を移動しました。

そして春に数名の新しい事務スタッフを迎えたところでコロナの流行が始まりました・・・

当然この時期はまだまだ風邪が流行る時期でもあり、多くの発熱した患者さん、咳や痰の止まらない患者さんがいらっしゃいました。
我々もコロナのことがまだよくわからない時期であったため、かかりつけの患者さんやスタッフのことを考えた時に、発熱患者さんを受け入れるかどうかの決断を迫られました。
しかし、このころにはかかりつけの方にとどまらず、周りから医療機関を受診できなくなった発熱患者さんの相談を多く受けるようになっていました。この頃は総合病院の発熱外来くらいしか受け皿がない状態でした。
一方、私自身がつい1年前まで市立病院での感染対策チームで活動していたその経験から、いわゆる飛沫、接触感染であるコロナは、しっかりした対策を取れれば患者さん、スタッフへのリスクをある程度しっかり抑えることはできるだろうという見込みを持っていました

最終的には、自分たちがしっかりと発熱患者さんに対応することで、当院が発熱して困っている方の受け皿になり、さらにそれによって総合病院の負担を少しでも減らせればとの結論に至り、発熱患者さんの受け入れの継続、院内の大改造へと舵を切ることとしました。



まずは受付のパーティションを設置し、待合の椅子をすべて交換し、個別の椅子にした上ですべての椅子の間にアクリルパーティションを自作しました。
待合椅子パーテーション

 

そして、移動した内視鏡室を、検査のない日は発熱診察室としても使えるようにし、いままで点滴室として使用していたエリアを発熱外来専用待合室に改造しました。

第3診察室

発熱待合室

 

幸い昨年1年間、当院では院内感染、クラスターの発生はなく、私を含めスタッフへの感染も生じておりません。

6月には加藤医院が加藤浩平先生から正式に私浅井偉信が加藤医院を継承し、新体制での船出となりましたが、加藤医師の診察は週2回継続しており、特に患者さんの当院の使い勝手にはお変わりはないものと思います。


7月からは1か月遅れで特定健診、9月からは予定通り高齢者検診が始まり、お受けいただいた患者さんからは幸い病気の早期発見につながった方が何名もいらっしゃいました。

9月には新しい体制のもと、念願であったトイレの改装をはじめ、

トイレ

 

診察室のドア変更などの工事を施行、

診察室

 

続いて11月には受付、待合エリアの壁や床の張替え、荷物置き台の設置などを実施し、より過ごしていただきやすいクリニックを目指し歩を進めています。
受付

 

また新しい看護師が新たに仲間に入り、より充実した診療体制になりました。

10月からはインフルエンザの予防接種が開始し、コロナ禍の中少しでも密を回避しながら一人でも多くの方に接種いただけるように致しましたが、それでもご希望にお応えすることができないケースもありました。この場を通じてお詫び申し上げます。
12月には新たにネット、電話、窓口で受付可能な即時予約システムが稼働し、我々もまだ手探りな状態でありつつも徐々に慣れつつあるところで2020年を終えました。

というわけで、この一年間は世の中がコロナ禍で激変する中、当院は加えて院長交代、呼吸器アレルギー専門診療2年目、ハード、ソフトの変更、スタッフの入れ替わりなどで、加藤医院史上かつてないほどの変化があった1年だったように思います。
度重なる変更で患者さんにも少なからずご負担、ご迷惑をお掛けしている面があろうかとは存じますが、今後も安心して快適にご受診いただけるクリニックを目指す過渡期とご理解いただけると幸いです。
どうぞ皆様2021年も加藤医院をよろしくお願い致します。


なお新年は5日より診療を開始します(県の要請により29日、30日と発熱患者さんの対応をさせていただいた影響で、1日開始を遅らせていただきました)。
報道の通り、茅ヶ崎も例外ではなくコロナ陽性例は大幅に増えており、当院でも複数の陽性例が出ています。
しかし私の印象では、少なくとも当院で確認した陽性者の多くはやはり接触者で、自身の不注意ではなく、避けられないシチュエーションだった方がほとんどな印象です。

報道では人々のモラルの低下を嘆く声も多いですし、あたかもモラルが低いから感染すると言った論調も聞こえてきますが、私がここ茅ヶ崎で見た限り、ここではそのような方は少なくとも多数派ではなく、大多数の方はしっかりと感染対策を理解し、対応をされているように思います。

そもそも冬は風邪(=ウイルス性急性上気道炎)が流行りやすい季節なのです。
24時間365日引きこもっていない限り、誰だっていつ感染するかわかりません。


どうか感染した方を責めることなく、周りや社会で温かくサポートしてほしいと思います。

そして感染を隠す空気を決して作ることなく、皆さんが体調のトラブルについて気軽に相談できる世の中の雰囲気であり続けることを切に願っています。

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信