医師ブログ

コロナが5類になって、変わること、変わらないこと

【2026年8月追記】※この記事は2023年5月7日、新型コロナウイルス感染症が5類に移行する前日に書いたものです。当時の制度をそのまま記録として残しています。公費負担・ワクチン接種の費用などは、その後の制度改定により変更されています。現在の情報は、記事内の【追記】部分をご覧ください。

さて、明日2023年5月8日から、新型コロナウイルス感染症が「2類相当」から「5類」の位置づけになります。
いわゆる「季節性インフルエンザ」と同等の位置づけとなります。

2020年3月に特別措置法の対象疾患となってから3年2か月、ついに大きな転換期を迎えることになるわけです。

では、いったい具体的には何が変わるのか?
そのことについて、もはや多くは報じられなくなりました。
それでも外来ではこのことについて多くの質問をお受けしている状態です。

そこで今回は「5類感染症」となって変わること、そして変わらないことをポイントを絞ってお話ししてみたいと思います。

まずは「変わること」からです。

・外出制限の撤廃
感染時の自宅療養の指示の根拠がなくなります。
コロナに感染しても外出の自粛を求められることはなくなります。

ただし常識の範囲内での感染対策はもちろん必要です。
インフルエンザと同様、個人の判断となるわけですが、だからといって好き勝手に行動するのは非常識ですよね。
「常識的に考えましょう」
、と言われているわけですので、「自由」と取り違えないようにしましょう。

外出を控えることが推奨される期間の目安も今までより少し短くなり、発症日を0日目とした5日目まで、かつ症状消失から24時間となります。
症状がなくなったうえでこの期間中にやむを得ず外出しなければならない時には、マスク着用の徹底など、周りに特段の配慮をすることが必要です(人としてあたりまえですよね)

・濃厚接触者の定義の撤廃
5類に移行することから、濃厚接触者の定義がなくなります。
家族が感染しても特に外出自粛は求められませんが、発症者が発症から7日間経過するまでは自分も発症するリスクがあります。
無症候感染もあるわけなので、この期間中はマスク着用や高齢者との接触を控えるなどの常識的な行動はとりましょう。

・検査、治療の自己負担の発生
今までは新型コロナ陽性であった場合は治療費が公費負担でしたが、今後は自己負担となり、他の病気と同様、1~3割の自己負担が発生します。
ただし、新型コロナ感染症の高額な治療薬(ラゲブリオ、パキロビッド、ゾコーバ、ベクルリー、ロナプリーブ、ゼビュディ、エバジェルド)は引き続き公費負担となり、この分だけ自己負担は減ります。
また入院治療も基本的には自己負担になりますが、一定期間は最大2万円までの公費支援が出ます。

【2026年8月 追記】上記の公費支援は、その後段階的に縮小され、現在はいずれも終了しています。治療薬も他のお薬と同様に自己負担(1〜3割)となっています。具体的な費用については、診察の際にご案内いたします。

・感染の届出の廃止
今まではコロナ感染症は全例保健所へと報告され、感染者数が正確にカウントされていました。
またリスクの高い感染者(高齢者や重大な基礎疾患を持った方)は、保健所による健康観察を行い、急な症状の悪化に備える体制が取られていましたが、今後は保健所への届け出がなくなります。
つまり今までのように感染者数は即時にはわからなくなります。
そして季節性インフルエンザと同じように、あらかじめ定められたいくつかの定点の医療機関でのみ感染動向が観察され、そのデータがまとめられて、傾向として地域ごとに週1回発表されるようになります。

一方、「変わらないこと」は以下の通りです。

・医療機関でのマスク着用
他の施設では「個人の判断」となりますが、医療機関においては感染者が集う可能性がある、高齢者の割合が多いというその特性上、引き続きマスク着用が推奨されます。(当院は呼吸器疾患の方も多いことから、お子さんや特殊な場合を除き、特にマスク着用が必須だとお考えください)

・ワクチン無料化
5月から高齢者と基礎疾患をお持ちの方を対象に春季接種が始まりますが、その費用は引き続き公費負担となり無料のままです。
また秋季には若い人も含めたほぼすべての方が対象となる秋季接種も行われますが、ここまでは無料接種が決定しています。

【2026年8月 追記】コロナワクチンはその後、制度が変更されています。現在の対象者・費用は自治体によって異なりますので、お住まいの市のホームページをご確認いただくか、当院までお問い合わせください。

以上のように、法律の位置づけが変わることによって、その「扱い方」は大きく変更させることとなります。
しかし、「5類」になる明日から、ウイルスが突然弱毒化するわけではありません。
今日も、明日も、ウイルスの特性はほとんど変わらずコロナウイルスはこの世に存在しつづけます。

そしてコロナウイルスは、他の風邪ウイルスに比べ「感染力が強い」、「後遺症が多い」という面で、まだ厄介な面をもっためんどくさいウイルスであることも明日から変わるわけではありません。
明日からは「罹っても、移しても、もう大丈夫」という訳ではないのです。

当院では、明日以降も今まで通り、発熱・感染症外来を継続して行います。
頂くお代や保健所への報告の有無などの違いは出てきますが、病気に対峙するスタンスは大きく変わることはなく、通常通りの診療を続けて参ります。

今後も皆さんで常識を持ってバランスよく、そしてお互いを思いやる気持ちを持ちながら、みんながなるべくストレスフリーに過ごせる社会を作っていけるようにしましょう!

茅ヶ崎・平塚内科と呼吸のクリニック
理事長 浅井偉信(医師紹介はこちら