便の異常(便秘・下痢)

便秘や下痢といったお通じの悩みは、非常に多くの方が抱えているものです。
「昔からこうだから」と体質だと思って我慢されている方も多いですが、
適切な治療で改善できるだけでなく、その影に大腸がんなどの大きな病気が隠れていることもあります

どんな状態?

お通じの異常には、大きく分けて「便秘」と「下痢・腹痛」があります。

慢性便秘症: 本来出すべき便を十分に出し切れない状態です。回数が少ないだけでなく、強くいきまないと出ない、残便感がある、
お腹が張って苦しいといった状態も便秘に含まれます。

過敏性腸症候群(IBS): 腸の検査をしても炎症やがんなどの異常は見当たらないのに、お腹の痛みや違和感とともに、下痢や便秘が数ヶ月以上も続く病気です。

主な症状は?

以下のようなお悩みはありませんか?

  • 便が硬くて出すのが大変、コロコロしている。
  • 毎日出ているけれど、スッキリしない。
  • 緊張したりストレスを感じたりすると、お腹が痛くなり下痢をする。
  • 便秘と下痢を交互に繰り返す。
  • お腹が張って苦しく、おならがよく出る。

原因はなに?

便通の異常が起きる原因はさまざまです。

  1. 生活習慣の乱れ: 食物繊維や水分の不足、運動不足、不規則な生活。
  2. 腸の動きの低下: 加齢や、便意を我慢する習慣によって腸の押し出す力が弱くなる。
  3. ストレス: 腸は「第2の脳」と呼ばれるほど自律神経と密接に関係しており、精神的な緊張が腸の動きを狂わせます(過敏性腸症候群の主な原因)。
  4. 他疾患の影響: 糖尿病や甲状腺の病気、あるいは他の病気で飲んでいるお薬の副作用。
  5. 器質的疾患: 大腸がんなどで腸の通り道が狭くなっている。

どうやって診断するの?

以前は「下剤(お腹を刺激する薬)」くらいしか選択肢がありませんでしたが、現まずは丁寧な問診を行い、いつから、どのような症状があるかを確認します。その上で、必要に応じて以下の検査を検討します。は個々の状態に合わせた多様な治療が可能です。

腹部エコー検査: お腹の外から腸の動きや、便・ガスの溜まり具合を確認します。

血液検査: 炎症の有無や、便通に影響を与える他の病気がないかを調べます。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ): 便通異常が続く場合、最も重要なのは「大腸がん」や「炎症性腸疾患」などの重大な病気が隠れていないかを直接確認することです。
特に、最近急に便通が変わった方や血便がある方は、一度検査を受けることが強く推奨されます。

どうやって治療するの?

以前は「下剤(お腹を刺激する薬)」くらいしか選択肢がありませんでしたが、現在は個々の状態に合わせた多様な治療が可能です。

新しいタイプの下剤・治療薬 :便の水分を調節して出しやすくする薬や、腸の動きを整える薬など、クセになりにくく自然な排便を促す新しいお薬が登場しています。

生活習慣の指導: 食事の内容や排便のタイミングなど、お薬に頼りすぎないための具体的なアドバイスを行います。

過敏性腸症候群へのアプローチ:腸の過敏さを抑えるお薬や、自律神経のバランスを整えるお薬を用い、日常生活に支障が出ないようコントロールしていきます。

当院の消化器専門外来では何ができるの?

当院では、消化器病専門医が患者様一人ひとりの「お通じのリズム」に向き合います。

市販の下剤を長年使い続けて効果が弱くなっている方や、原因不明の腹痛・下痢に悩まされている方は、ぜひご相談ください。専門医ならではの視点で、隠れた病気がないかを慎重に見極めるとともに、最新の知見に基づいた最適な治療をご提案いたします。

毎日のお通じが整うことは、生活の質(QOL)を大きく向上させます。お一人で悩まず、どうぞお気軽にお話しください。