ウォール・ストリート・ジャーナル米国版の記事掲載について
2025年12月、院長が「ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal:WSJ)米国版」の「Next ERA Leaders」の記事に特集されました。
この記事は米国版の記事ですので、英語となっております。
記事の日本語訳を頂きましたので、以下に掲載いたします。
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AI時代、患者との対話を大事に
人々のQOLを落としかねない呼吸器疾患。症状が長引くこともあり、頭を悩ませる人々も少なくない。そのような中、患者のために日々奔走しているのが、茅ヶ崎内科と呼吸のクリニックの院長、浅井偉信氏。一人ひとりの患者に真摯に向き合う一方で、今や医療領域をも覆うAI時代に一石を投じる。同クリニックの独自性、そしてAI時代の医療について伺った。
浅井医師のクリニックは、呼吸器疾患の中でも特に長引く咳に焦点を当て、診療を行っている。
咳は、症状も原因も多彩であるにも関わらず、具体的なデータは表しにくく、その診断は医師の経験に裏打ちされる部分が多い領域である。
患者が考えてもいなかった要因が、咳の症状を招いていることもある。そのため、プライベートな内容も含めた、診断に関わる詳細な情報を、患者から自発的に話してもらうことが診断に直結しする。つまり、診療において重要な点は、まずは患者に信頼してもらうことである。
呼吸器科医として、いかに初回の診察で患者に信頼してもらえるかという点は、診断の成功の上で欠かせない、重要な要素である。
また患者との信頼関係構築は、医療の継続の面でも非常に重要な要素である。
患者は医師を信頼することで、初めて安心して医療に身を委ねられる。
と同時に、医師も経時的な変化や、ちょっとした変調のきざしも適切に拾い上げることができるようになる。
浅井医師は患者との信頼関係構築の重視は、さまざまな経験の中で確立してきた。
浅井医師は「私は医学部入試でも苦労しており、決して天才ではないと自覚しています。優秀な医学者たちが発表する高尚な内容は、今でも時間をかけ、内容を自分なりにかみ砕き続けて理解しようとしています。だからこそ、難解な医学知識をわかりやすくかみ砕くことは、私の得意とするテクニックとなりました。そのテクニックを駆使する『医療の翻訳者』たる立場が、私に与えられた使命だと考えています。」と話す。
医療の知識を、一般の方が理解しやすいようにかみ砕いて伝えることで、患者が治療を続けていこうとする動機付けを手助けし、患者から安心して信頼される主治医になるということが、重要な役割だと考えているのだ。
人間的な要素
近年、AIは進歩し続け、医療の分野にも広がっている。
例えば、AIに検査データから考えられる疾患を推測させると、素早く正確な回答を出すことができる。
将来的に、知識量で人間の医師はAIに勝てることはないであろう。
しかし、人間の医師の役目は、知識だけで患者を治療するということではない。
医師は、患者様の表情や喋り方、考え方や性格など、データとして表れない部分も見ている。
例えば、ある患者の治療にあたり、咳の原因が3つの原因に渡ったと仮定しよう。
AIはその3つの原因を同時に治療するよう提案をするであろう。
知識としては確かに正しい。
だがしかし、例えばあまり薬を飲みたいと思わない人にとっては、3つの原因に対処する薬を同時に使用することは、希望にはそぐわないかもしれない。
知識をそのまま治療に転用すると、患者は容易に治療から離脱してしまうであろう。
そこで重要になるのが、患者の考え方や性格を考え、その患者固有のグラデーションを見極め、それに合わせた治療に乗せて症状改善への道筋を作るという、人間の医師特有の技量である。
患者の内面までも織り込んだ「真のオーダーメイド治療」を実践することが、来たるAI時代でも変わらない、人間の医師にしかできない医療の本質だと浅井医師は述べる。
チームエフォート
浅井医師は、一人でも多くの患者に、自らが理想と考える医療を提供したいと考えているが、医師自身が診療できる患者数には限りがある。
そのような状況の中で、より多くの患者に理想の医療を届けるためには、仲間となる医師が必要であり、その仲間たちと理念、目標を共有する必要がある。
そのために浅井医師は、医療グループ独自の院内診療マニュアルを制作し、その中に医学的知識や診療のtipsだけでなく、コミュニケーション術やプライマリケアの場における医師としての心構えまでを盛り込んで、ほかの医師達と共有している。
また、そのマニュアルをブラッシュアップし続けることで、グループが考える理想を極限まで高めることを目指している。
理念の共有は、それぞれ異なるメソッドを持つ医師の誰が診察しても、質の高い医療の提供に繋げることができるエッセンスでもあり、浅井医師は組織のリーダーとして、組織の隅々に理念を浸透させることに力を注いでいる。
浅井医師は、2026年に新クリニックの開業を予定しており、これを機に、理想の医療を、より多くの人に届けられるようすることを目指している。
とはいえ、闇雲に規模を拡大するわけではなく、浅井医師は「重要なのは当院の理念に共感してくれる医師、スタッフとともに同じ方向へと進み、あくまで理想とする医療の形は守りながらテリトリーを広げることです。」と述べる。
長引く咳で困っている患者の人生を明るくし、その方が将来にわたり快適に過ごしていけるために、浅井医師は、持つ能力を最大限に活用し、人生をかけて取り組んでいきたいと考えている。








