循環器疾患
心不全
心不全の発症には、日常の生活習慣が
深くかかわっています。
生活習慣病の早期治療で心不全を予防し
万が一なってしまっても早期治療で悪化を抑えましょう!
どんな病気?
なんらかの原因で心臓の機能が低下していまい、その結果、心臓から十分な血液を送り出せなくなり、体に必要な酸素や栄養が必要な場所に送れなくなってしまう状態です。
そのため坂道や階段で息切れがしたり、疲れやすくなってしまいます。
また、血液が心臓の手前で渋滞してしまい、全身のむくみが起こってしまいます。
ほおっておくと徐々に悪くなり、生命を縮めてしまいます。
そのため、病状に合わせて、適切な治療を手遅れになる前に始めることが必要です。
心不全に至る原因はさまざまです。
心筋梗塞などの心臓の血管の病気や、心筋症といわれる心臓の筋肉の病気(心臓の動きが制限されてしまう)、不整脈(心臓の収縮のリズムが狂い、本来の機能を発揮できなくなる)、心臓弁膜症(血液を送ろうとしても弁が狭くて送りにくくなったり、逆流して血液が元に戻ってしまったりする)、高血圧(長い間心臓が過度な働きをして疲れ果ててしまう)などが挙げられます。
そのような、心不全の原因となっている病気の検査や治療もあわせて行っていかなければなりません。
どんな症状?
心不全になると、心臓のポンプでうまく血液を循環させることができなくなった結果、血液が心臓の前で渋滞してしまい、いろいろなところに水分が貯留してしまいます。
肺に水がたまる(胸水、肺水腫)と、息切れや動悸などを引き起こします。
余分な水分がたまってしまうため、全身(特に重力の関係で水分が集まりやすい脚)がむくんだり、体重が増加してくるのも特徴です。
心不全がひどくなってくると、夜間横になると苦しくなってしまい、寝ていられなくなります。
また心臓のポンプ機能が著しく低下している場合は、全身の臓器機能が低下して、倦怠感や食欲低下のような症状を起こすこともあります。
どんな人がなってしまうの?
日本全体ではおよそ120万人の心不全患者さんがいるとされています。
心不全は生活習慣病と密接に関連しています。
高血圧、脂質異常症、糖尿病などは動脈硬化を引き起こしてしまい、狭心症や心筋梗塞の引き金となってしまいます。
また高血圧そのものが心臓の疲れの原因となって、心臓の機能が低下し不整脈を引き起こすこともあります。
これらを引き起こす肥満やストレス、睡眠不足、たばこ、アルコールの摂りすぎは、心不全を起こしやすくなる生活習慣です。
また、心臓は肺とつながって働いています。
たばこが原因となるCOPDは、肺の機能の低下が引き金になり心臓の機能低下を引き起こしてしまいます。
心不全の方の平均年齢は約70歳といわれています。
心不全の原因によって年齢・性差はさまざまですが、高齢化にともない患者さんの数は年々増加しています。
どんな検査をおこなうの?
まず血液検査で心臓から分泌されるホルモンの量を検査します。
心臓に負担がかかってくると、BNPやNT-proBNPというホルモンが分泌されます。
血液検査でこれらの数値などを測定することで、心臓にどの程度負担がかかってるかを判断することができ、診断や重症度の評価を行うことができます。
また胸のレントゲン検査を行うことも大事です。
心臓は頑張りすぎると、心肥大といって心臓の筋肉が過度に発達してしまい、どんどん大きくなってしまいます(筋肉の発達ですがいいことはありません)。
胸のレントゲンではその心臓の大きさに加え、肺の周辺に水がたまる胸水の有無や、肺の中が水浸しになる肺水腫の状態を評価することができます。
また心臓の超音波検査を行うと、心臓の動きをリアルタイムでつかむことができるようになります。
この検査で心臓のポンプ機能の評価、弁膜症などの、心不全の原因を調べることが可能になります。
その他、心不全の原因に応じて、他の様々な検査・画像検査が必要となることもあります。
どうやって治療するの?
基本的にはお薬で治療を行います。
心臓が頑張りすぎて疲れ果ててしまうと、心臓の機能が慢性的に低下してしまうため(慢性心不全)、心臓を休ませて心筋を保護するような薬を使用します。
また、体にたまった余分な水分を追い出して心臓への血液の渋滞を解消することも大事です。その際には利尿薬などが使われます。
また、心臓に負担をかけている生活習慣を改めることがとても大事になります。
減塩や減量、運動療法(心不全の状態に応じてその強さは変わります)などを一緒に行っていくことになります。
先ほどもお話をしたように、心不全はさまざまな病気に引き続き起こります。
ですので、心不全に対しては、心不全の治療薬だけではなく、心不全を起こしている原因となっているおおもとの疾患を治す必要があり、それらの疾患に応じた治療も必要になってきます。
茅ヶ崎内科と呼吸のクリニックでは何ができるの?
当院では血液検査でBNPやNT-proBNPなど、心臓にどの程度負担がかかっているかの指標になるホルモンの数値を調べることができます。
また胸部レントゲン、心電図検査、心エコーなどは即日実施が可能です。
心不全の状態が安定すれば、継続的な治療で心臓の状態を保つことができます。
当院では循環器専門医による細やかな治療の調整、継続が可能です。
より詳細な検査や入院治療が必要だと判断される患者さんは、適切な病院へご紹介いたします(当院の飯沼医師は現在茅ヶ崎市立病院でも勤務をしており、茅ヶ崎市立病院で継続的に飯沼医師の診察を継続することもできます)。