心臓・循環器疾患
狭心症・心筋梗塞
動脈硬化が気づかれないうちに進んでしまうと、狭心症、心筋梗塞のような重大なトラブルに巻き込まれます。
まずは健康診断などでご自身の血圧、コレステロール、血糖など、動脈硬化を悪化させる要因があるかどうか、もしあれば遅くならないうちにぜひ医療機関に相談をしましょう!
どんな病気?
狭心症、心筋梗塞は虚血性心疾患と呼ばれ、心筋に酸素や栄養を届ける冠動脈という血管が狭くなったり詰まったりして、酸素や栄養が十分心筋に行き届かなくなる病気です。
冠動脈は、大動脈から枝わかれしており、左と右(左冠動脈はまた前下行枝と回旋枝にわかれます)があります。
十分に血液や栄養が行き届かないときには、主には胸の痛みや胸が押し付けられる感じなどが出現します。
その他に背中の痛み・胃の痛み・肩や首の痛み・歯の痛み(浮く感じ)・手のだるさ、冷や汗・吐き気など様々な症状が出ることもあります。
糖尿病があると自覚症状がなくなることがあります(この場合発見、治療が遅れてしまうので要注意です)。
狭心症にはいくつかの分類があります
① 労作性狭心症
階段や坂道を登ったり、力仕事をするときには、安静にしているときよりも、心筋はより多くの酸素や血液が必要となります。しかし、冠動脈が狭いと、十分に供給することができなくなり、上記にあるような症状が出ます。少し休むと楽になることが多いです。
② 冠攣縮性狭心症
血管が物理的に狭くなっていなくても、血管がけいれんを起こして(冠攣縮といいます)収縮すると、血液が流れにくくなったり、流れなくなることがあります。夜間明け方に症状は起きやすいといわれています。
③ 微小血管狭心症
血管が狭くなく、また血管のけいれんもないにもかかわらず、狭心症の症状がある場合に疑います。この場合、心筋の小さな血管が狭窄しておきていることを考えます。しかし、検査で異常は認めないため、推定となります。
④ 不安定狭心症
狭心症の発作が何回も繰り返したり、休んでいても起きるときにいいます。心筋梗塞の前段階のこともあります。
⑤ 心筋梗塞
冠動脈が詰まって血流が完全に途絶えてしまうと、心筋梗塞の状態になってしまいます。
④不安定狭心症、⑤心筋梗塞を疑う場合には、入院や緊急処置が必要になることがあります。
どんな人がなってしまうの?
狭心症の主な原因は、動脈硬化です。
動脈硬化とは血管が固くなり、弾力性がなくなることです。
動脈硬化を起こしやすい要素として
・高血圧
・高コレステロール血症
・糖尿病
・喫煙
・家族歴
・肥満
・高尿酸血症
・ストレス
が挙げられます。
動脈硬化を起こした血管に、コレステロールなどが沈着すると、脂の塊(プラーク)ができます。
これが大きくなり、血液の流れを妨げることによって、心筋への酸素・栄養の供給が減ってしまい、上記のような症状がでます。
プラークで血管が詰まってしまうと、心筋梗塞のように急に症状が出ることがあります。
どんな検査を行うの?
運動すると症状が出現する場合には、運動負荷検査を行い、自覚症状を確認しながら、心電図に変化をきたさないか、血圧や脈拍の異常な変化がないかをみます。
また、実際に冠動脈の狭窄があるかどうかをみるために、冠動脈CT検査も行われます。
運動や薬物を用いて、心臓に負荷をかけながら心筋への血流が減少しているかどうかをみる、心筋シンチグラフィ検査を行うこともあります。
このような検査で異常がある場合には、心臓カテーテル検査を行い、実際に冠動脈に異常がないかを確認します。
ただ、②の冠攣縮性狭心症は、冠動脈のけいれん発作でおきるため、上記検査でも異常がないことがあります。
そのような場合、アセチルコリンやエルゴノビンといった、冠動脈のけいれんを引き起こす薬剤をあえて投与しながら、カテーテル検査を行うこともあります。
どうやって治療するの?
まずは脂質異常症や高血圧、糖尿病といった、動脈硬化の原因となる病態を治療することが何より大事です。
そのうえで、症状に合わせて血管を広げる薬(ニトロペンなどの硝酸薬)や、心臓の負荷を軽減する薬などを用います。
血管の狭窄がある場合は、カテーテル治療や、冠動脈バイパス術などを行うこともあります。
茅ヶ崎内科と呼吸のクリニックでは何ができるの?
当院には循環器専門医が在籍しており、月曜午前と水曜午後に診療を行っております(もちろん院長含めその他の医師でも初期対応は可能です)。
狭心症かどうかを調べていくには問診が重要です。
その為、その症状で初めて診察を受けられる際には、Web問診に加え、詳しくお話を聞かせていただきます。
その後、心電図や超音波検査で、緊急性(ただちに総合病院へ搬送するかどうか)があるかどうかを確認します。
また、必要に応じて茅ヶ崎市立病院や湘南藤沢徳洲会病院など、精密検査や緊急の処置を行っていただける近隣の専門的な医療機関へ紹介し、冠動脈CTや心筋シンチグラフィ検査、カテーテル検査をお願いしています。
総合病院での詳しい検査や治療が終了した後は、当院で定期的なフォローが可能です。
もちろん病気を予防するための生活習慣病の治療は当院で行うことができ、栄養や運動などの普段の生活習慣のご相談ももちろん可能ですので、お気軽にご相談ください!