医師ブログ

2019.06.13更新

 

前回は睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気かということについてお話ししました。

当院では5月より睡眠時無呼吸症候群の検査、治療を開始したので、今回はそのことについてお話ししようと思います。

睡眠時無呼吸症候群が疑われるのは、主に夜間のいびきと昼間の眠気です。

たいていの人は昼ご飯を食べた後は眠くなります。それだけではこの病気を思わせる症状とはなりませんが、この病気の場合、眠気はそれだけにとどまらず、いろんなシチュエーションで眠気が出てしまいます。下にあるような問診表を用いてどれだけ眠気が強いのかを推測することができます。
JESS

この検査で5点以上あると日中の軽い眠気があり、11点以上であると日中の強い眠気があり睡眠時無呼吸症候群の可能性が疑われます。また点数が低くてもいびきが慢性的にあったり、睡眠中呼吸が止まったりする人はやはり睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

これらで睡眠時無呼吸症候群が疑われた場合には、まず簡易検査を行います。

当院で簡易検査を行うときは、当院で検査を申し込んだ後に業者さんが家に訪問してくれて機械をお借り頂きます。検査は上腹部に機械のついたベルトを巻いてもらい、その機械につながる呼吸センサーを鼻に、酸素飽和度プローブを指につけていつものように寝てもらいます。これにより夜間呼吸が1時間に何回停止したり弱くなったりしているかを図ることができます。

この検査で高度な無呼吸(AHI40以上)を認めたらCPAP(シーパップ)という治療の適応になります。

それ以下でなお病気が疑われる場合はPSG(終夜ポリソムノグラフィ)検査というのを行っていただくこととなります。この検査は呼吸停止だけでなく、脳はや眼球運動、筋肉の運動などもみることで睡眠のより詳しい状態を知ることができます。

通常PSG検査は病院などに1泊入院して行うものですが、当院では在宅で行えるPSG検査を今回採用しました。入院に際し仕事などを休む必要がないこと、患者さんの慣れている自宅での検査が可能であり検査結果と普段の睡眠の相関性が高くなること、また入院費用が掛からないため比較的安価で検査ができることが長所です(ある特定の無呼吸をきたす病気は在宅PSGでは診断できないので、このような病態が考えられる場合は、入院下でPSGを行える施設にご紹介いたします)この検査でAHIが20以上であればCPAPの適応となります(AHIが20未満の場合で治療を要する場合はマウスピースの製作を歯医者さんにお願いすることもできます。また中には手術で良くなる例もあります。


CPAP(シーパップ)療法とは持続的陽圧呼吸療法とも呼ばれ、鼻にマスクを装着し、マスクにつながっているホースを通じて空気により圧を送り込み、気道をふさがないようにする治療です。これにより通常患者さんのAHIはほぼ正常の値に改善し、日中の眠気の症状も大きく改善します。患者さんにより機械の合う合わないは確かにありますが、この機械により安眠が得られることで、むしろ良く寝られるようになったという方が非常に多いです(この機械の設定を状態に応じて合わせることも大事であり、これらは機械に記録されたデータなどを確認しながら、外来通院で調整していきます)。

また肥満はこの病気の主な原因となっており、減量なども指導させていただきます。

可能であればCPAPを卒業していただくことを、それが難しければなるべくCPAPを無理なく継続していけることを目指します。

検査費用はいずれも3割負担の方で(診察料別)、簡易検査が2700円、在宅PSG検査は約10000円程度、CPAP治療が(機器レンタル、診察料込み)月4500円程度となります。簡易検査なら気軽にできる値段ですし、PSGやCPAPにしても重い病気にかかってしまうよりははるかに安く済むとも言えます。

少しでも気になった方はお気軽にご相談ください!

投稿者: 医療法人社団加藤医院

2019.06.07更新

先日ホームページでもお伝えしたように,当院では睡眠時無呼吸症候群に対する検査,治療をはじめました.わたしは睡眠時無呼吸症候群専門外来の経験があり,今後加藤医院では,この病気にも力を入れて取り組んでいこうと考えています.

睡眠時無呼吸症候群は,主に眠っているときに舌の付け根が気道に落ち込んでしまうことで気道が閉じてしまい、一時的に呼吸ができなくなり止まってしまう状態です。そのまま呼吸がずっと止まって死んでしまうことはありませんが,1回に数秒から,長い人では2分も呼吸が止まってしまうこともあります.またこのような10秒以上の呼吸停止,呼吸減弱が1時間に何回起こるかという数字が無呼吸低呼吸指数(AHI)と呼ばれる数値です.このAHIの数値が5回以上。もしくは一晩に30回以上無呼吸があると睡眠時無呼吸症候群と診断されます.

呼吸が止まると酸素が運ばれなくなるので,全身の臓器が酸欠状態になります.起きていればかなり苦しくなるような状態なのですが,この病気は寝ているご本人はあまり自覚のないことが多く,主にご家族がいびき,呼吸が止まるなどの様子を観察することで見つかることが多いです.

ただ熟睡はできていないので,ご本人にも昼間の眠気や仕事の効率低下,起きた時の頭痛などの症状があらわれます(以前山陽新幹線の運転士がこの病気により運転中に居眠りをしてしまいオーバーランをする事故がありました).

またこの状態が続くことで全身に負担がかかり,高血圧の悪化につながったり,脳卒中、心筋梗塞,糖尿病の発症,悪化リスクを増やしてしまいます(いろいろな降圧薬を飲んでいるにも関わらず血圧がなかなか下がらない場合は一度この病気を疑う必要があるとされています).

以下は睡眠時無呼吸指数がある人とない人の9年後の生存率の差です.なかなか衝撃的なデータで,睡眠時無呼吸症候群の人は確実に生存率が下がることが示されています(He J, et al:Mortality and apnea index in obstructive sleep apnea-Experience in 385 male patients. Chest,94,9-14,1988).SAS

これほど怖い病気なのですが,多くの方はやはり自覚症状が乏しいために,いびきに対しては特に対応をしていない人が非常に多いのです.お心当たりの方は是非とも一度相談されることをおすすめします.

次回は当院で行う検査,治療についてお話ししたいと思います.

投稿者: 医療法人社団加藤医院

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