医師ブログ

2010.12.15更新

  1,5-anhydro-D-glucitol(1,5-AG)
・HbA1cやGAなどの糖化タンパクと異なり、グルコースに類似した構造をもつ生体内ポリオールのひとつ
・肝におけるグリコーゲン分解時に生成されることから、グリコーゲン代謝を司るセンサーとしての役割が示唆される
・生体内1,5AGの90%は食物由来であり腎糸球体でろ過されたのちほとんどが尿細管で再吸収され、通常
はほぼ一定の値を示す。
・高血糖時の尿等が陽性時には、尿細管での再吸収が阻害され尿中排泄が増加し、血中濃度は低下する。

   1,5AGの臨床的意義
・尿中排泄量を反映する。
・数日間の短期血糖コントロール指標として利用される
・HbA1c>8%などのコントロール不良な糖尿病では。極端な低値を示すため臨床的な意味が低くなる。
・血糖の日内変動の大きさや食後高血糖を反映するため臨床上の有用性は大きい
・偽低値
    腎性糖尿、妊娠30週以降、慢性腎不全、飢餓、重症肝疾患、
    αグルコしダーゼ阻害薬使用中
・偽高値
   人参栄養湯、加味帰脾湯服用時(大量の1.5AGが含まれる)

投稿者: 茅ヶ崎内科と呼吸のクリニック 院長 浅井偉信

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